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財政リスクと冷酒は後で効く

『親父の小言』という貼り紙を、居酒屋でたまに見かけます。「火を粗末にするな」「朝きげんよくしろ」などのお説教が、30ばかり並んでいます。結構面白いのですが、なぜ居酒屋に貼られているのかは謎です。

おそらく『親父の小言』のサブタイトルが「親の小言と冷酒は後で効く」なので、居酒屋に貼ってあるのではないかと。冷酒を飲み過ぎて、お店で酔い潰れては困ってしまいますから。

マーケットの世界だと、冷酒のように「後から効いてくる」のが財政リスクです。

一般に、景気が悪いと国債を大量発行して財政出動します。しかし、いったん景気が良くなり始めると、将来の財政不安から国債の買い手が慎重になり、高い金利をつけないと国債を発行できなくなります。

高い金利は景気回復ペースを遅らせ、税収が伸びないため国債をさらに発行して、ますます金利が上がる。そんな悪循環が生じてしまったのが、2010年から2012年にかけての「欧州債務危機」です。

もう10年も前の話ですし、当時の経験を教訓に財政リスクは随分と小さくなった…と言いたいところですが、そこが冷酒と同じで、なかなか懲りません

南欧諸国には引き続き、長期金利の上振れリスクがありそうです。半面、米国と日本の金利上昇余地は限定的とみられます。その辺を当社でレポートにまとめましたので、以下ご参考まで。





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