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県域JA誕生。農業の生産性の低さについては、聖域にせず議論すべきなんじゃないかな、と思う件。

最近、どうも記事を書くモチベーションが上がりません。今回も2週間ほど空いてしまいましたが、その間に県域JA誕生のニュースが流れていました。

個人的には、農業という産業が嫌いなわけでもなく、必要不可欠な産業であることは疑いはないのですが、それにしてもざっと出てくる数字だけ見ても、生産性が低すぎるなと思うわけです。

JAみやざきによりますと、野菜や肉など農畜産物の販売高はこれまでの13のJA分を合計すると、2022年度の時点で1369億円で単独のJAとしては「JAさが」を抜いて全国で最も多くなります。

また、組合員数は14万9000人を超え、全国5番目に相当するということです。

NHKのニュースから引用

JAの統合によるさまざまなメリットをお伝えしましたが、経営基盤も強化されることになり、農畜産物の販売取扱高は1369億円、組合員への資材などの供給高が803億円と単独JAとして国内最大規模になります。

MRTのニュースから引用

販売高を組合員数で割るとなんと100万円を切ってしまうわけですよ。組合員への資材供給が販売額の半分以上であるわけで、実際の所得という意味ではもっと少なくなります。

農業は、統計的にも兼業農家がほとんどで、農業以外の収入が多い人のほうが多いので、他の産業と単純に比べることはできないわけですが、それでもあまりに非効率な産業と言わざるを得ないです。

宮崎県内で売上高が高い企業を確認してみたら、売上トップでも、他県より一桁低い1000億円未満だな という記事を以前書きましたが、その後宮崎県内の企業が急成長して売上が1000億を超えたなんて話もなさそうですから、JA宮崎が単一の事業体として「最も(しかも圧倒的に)生産性が低いのに、人数(有権者数)だけがやたらと多い団体」が「県内で最も多くの売上を上げている」というメチャクチャな状態のわけです。

そりゃ、県域JAの発足に県知事も宮崎市長も行きますわな。この人たちから票をもらわないと当選できないですから。

農業の補助率は50%程度になると言われていますが、これでは、あまりに自由主義経済の適切な新陳代謝によるイノベーションを妨げ、日本経済全体の足を引っ張る産業とさえ言えるのではないかと思います。

生産性を上げるためには、シンプルに「売上を上げる」か、「コストを減らす」かという必要があります。

個人的には、農業の「売上を上げる」ために 農業を救うためには、農業に直接金を出すのではなく、農業以外の産業を近郊に発展させるほうがよい、という話。 というようなことも考えたこともあるわけですが、最近はやっぱり農業の「コストを減らす」合理化のために、先に大鉈を振るうほうが大事なのではないかと強く思います。

宮崎で政治家になりたかったら宮崎県内の有権者の構成的に絶対に言ってはならないことでしょうけど、私はただのウォッチャーですw

最近は宮崎1区の立憲民主党の現職も街宣カーでは農業に媚びるようなことばかり言っていてうんざりします。農業優遇するなら自民のほうがマシだと思いますが。

静岡県知事が言うような「牛の世話をしている」ことで職業差別されるべきではないと思いますが、「牛の世話をしているだけで、所得税や住民税が優遇される」ほど尊い仕事でもないと思います。

農業では地方に若者は戻ってこないですし、従来のやり方で生産性向上努力さえ行っていないのに、外国人を安い賃金でこき使うために連れてくるなんという発想もあまりに身勝手でグロテスクな考え方だろうと思います。

日本全体の生産性を上げ、正常な国になるためには、労働生産性を勘案しつつ、ほかの産業と平等に、補助金等は「正常化」していくべきだと思います。ここを聖域にしている間は、いびつな産業構造が続くばかりで反転はないかと思います。

追記です:

「JA宮崎組合員一人あたりの生産額」を各国の「一人当たりのGDP」と比較してみたら、むしろ発展途上国だった件。|宮崎県政ウォッチ (note.com)

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