宮崎県の産業振興で、県庁職員や宮崎銀行(とそのOB)に中小企業支援の予算をつけても、都市圏との格差は更に拡大するだけだという話。

夕方、NHK宮崎では県知事選挙に立候者の政見放送が放送されていて、全部見ていましたが、どれもいまいちな感じです。

個人的な政治的な主張としては、県全体の労働者の中で「県庁職員数」よりも「大企業に分類される民間企業従業者が少ない」、という全国的にも稀に見るひどい産業構造となってしまっている宮崎では、安定した経営基盤を持った民間の大企業を増やし、若者が安心して働ける環境を増やすことが最重要課題なのではないか、と考えています。

しかし、大企業従業者がそのレベルで極めて少ないということは、そういう人向けの政策を訴えても選挙で全く票にならない、ということでもあります。

そのため、今回の県知事選挙やこれまで行われた国政選挙でも、宮崎では中小企業をいかに支援するかなどということのほうが声高に主張されてきました。その結果、一つ前の記事で書いたとおり、借り入れや補助金で延命しているだけのゾンビ企業が全国最悪レベルに膨れ上がってしまっています。

現在の与党自民党はどちらかといえば経営者よりの政党ですし、国の中小企業支援策は、コロナ渦で「緊急支援」と称した支援策が色々と打ち出され、これまでにないレベルでガバガバな予算になっています。なので、中小企業の側も現状でそれほど不満はないはずです。

一方、中小企業を支援する側はどうか、と言うと、中小企業支援の予算は、県庁職員や宮崎銀行を中心に、そのOBらが従事する外郭団体に予算が降りて、執行されると言う形が多くなります。

この、県庁職員OBや宮崎銀行OBなどが従事する外郭団体というのが色々と曲者で、OBが複数の団体を掛け持ちして、予算がついたら、なんにも仕事もしていないのに手当だの顧問料だのというのが先に確保されて行くというようなことも多々あります。しかもバレにくいように少額ずつ。

地方の役人や銀行員がやる中小企業支援ほど、結果も出ず、予算をつければつけるほど、無駄に消えて行くものもないと個人的には考えますし、特に宮崎では県内就職率もゾンビ企業率も全国最低水準です。

今回の県知事選挙では、現職に自民党や業界団体の支持がガッチリついた上に、公務員OBなどのイデオロギー左派の支持も多い立憲からも推薦が出ています。

この状況において、更に宮崎の公務員や地方銀行員を中心とした組織に、中小企業支援と称した予算を落としたとして、果たして大都市圏との地域間格差が縮まるのか、ということを考えた公約を誰か一人くらいは出してほしかったなと思います。

現職の政策の継続は全く支持はしないですが、元職や新人がなったとして、新たに経営基盤の安定しない中小企業を公的支援を行ったとしても、新たな収益性の低いゾンビ企業を発生させてしまうだけなのです。

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