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ボイトレ教室発表会に参戦!

どうも。あなたの歌のコンシェルジュみよしひろみ@54歳です。昨夜は日比谷野音で歌う渡辺美里の生中継とともに「My Revolution」を熱唱させていただきましたことをご報告申し上げます。

さてさて去年から始めたボイストレーニング。始めた経緯はこちら↓

「今度うちの教室の発表会しようと思ってるんですけど、みよっさんも出ませんか?」とある日のレッスンで先生からお誘いが。

「マジすか?」とケンコバばりに低い声で一旦返事をしたものの、「ワシが?ピンで?ステージで?歌う?」・・・・・・・「ムリムリムリ〜〜!」って何でかちょっとハイテンションになって、さゆりみたいな声で「ちょっと考えます❤︎」って言ってその日は「ぼよよーん」と引き上げた。

何を隠そう私は「あがり症」なのだ。基本的に人前に出ることが苦手だ。教員をやってる姿はみんなの前で堂々としているように見えるようで、あまり信じてもらえないが、あれはみよしの裏の姿いわゆるB面だ。A面みよしは「ビビり」だが、B面みよしがしゃーなしがんばってくれている。仕事だからしゃーないわけだが、プライベートでもB面を召喚するのか?うーん……悩む。

「参加するのは次回にしよう」と一旦は思った…だがしかし。2023年第1クォーターを終えるとその後は穏やか過ぎる日々。(怒涛の第1クォーターはこちら↓)

何か目標でもないと、A面みよしは鼻くそをほじりながら、ソファでポテチでも食って、テレビを見てゲラゲラ笑うだけのトド人間になってしまうかも知れない。そうなったら、出てくる必要のないB面みよしは役目を終えたと勘違いして、さよならコンサートの百恵ちゃんのようにマイクを置いて去っていくかも知れない。一度去った百恵ちゃんはもう帰ってこないのだ。これからも自分がやりたいことのために、度胸を要する場面もやってくるだろう。そのときのためにB面みよしを引退させてはならない。

「何をグダグダ言ってんだ?早よ本題に入れ」という読者の声が聞こえてくる。そうだ、読者は「発表会に参戦!」というタイトルを見て来てんだ。あぁ出たよ。出たんだよ!(笑)

参加したのには他にも理由がある。普段はこの教室に通っている人に会うことがない。「一体どんな人たちがボイストレーニングをやってんだ?」に興味があった。次のレッスンのときの「生徒さんの交流も兼ねてますので」という先生の言葉に「じゃ、行ってみるか」と返事した。

「曲、何にします?」
これまでアップテンポもバラードも何曲か練習してきたが「荒井由実さんのひこうき雲で」と伝えた。なぜ「ひこうき雲」か?
私が練習してきた歌の中で「一番曲が短い。前奏も短い。間奏がない」——あの間奏が長いときの「この間をどうすればええんじゃ?」がなくて済む。というA面みよしが選ぶ後ろ向きな理由だ。こんな名曲に失礼過ぎる選び方で申し訳ない。

「みよっさん一人でステージに立つのは初めてですよね?」「はい」「じゃ、7割と思っといてください」と先生が言う。自分のベストが10として、誰でも10を出したいけど、初めてのステージは大体7割くらい出せたら上出来だという。

「へぇ〜」いい見通しを話してくれる先生だと思った。「持てる力を全部出せるようにがんばって」などという励ましはよく聞くが「7割出せたらいい方だよ」と言われると急に肩の力が抜け、逆に「がんばろうっと」という気持ちになった。

また先生は「歌う前に口の中であくびしてください」と言う。「あくびをするときの喉が開いた状態を作るとリラックスしてみよっさんの低音がいい感じでスタートできます」と。確かにこれまでも喉が閉まった状態で高く上ずってスタートするとその後全くダメというのは経験していた。歌い出しのアドバイスとして「落ち着いて」とか「低めに」とかいう抽象的な言葉ではなく「口の中であくびをする」という具体的な行動を示してくれるところもいい先生だなと思うところだ。

さぁ、当日がやってきた。会場である街外れのライブハウスにおそるおそる足を踏み入れる。清潔感がありたくさんの絵が飾られている上品な店内。人柄の良さそうなマスター。感動したのはトイレの美しさ。「店の良し悪しはトイレにあらわれる」とみよしは常々思っている。このトイレ!いいお店だ。カレーが美味しいと聞いているがそれは歌ってからにしよう。

14:00のスタートに向け、ぞろぞろと人が集まってきた。「はじめまして」「何歌うんですか?」「何番目?」などとそれぞれ会話が始まる。年齢層は幅広く、私と同じくらいの方から可愛らしいヘアスタイルをした小学生くらいの女の子もいる。

「あ、あれは!?」
ついこの間、NHKのど自慢大会に出て鐘を鳴らしていた人がいる!私の好きな「愛は時を越えて」を歌っていて、思わず一緒に歌ったから覚えている。
「この教室の人だったんか〜ほほ〜う」ってなってる私の目の前に「ここいいですか?」と颯爽とクールな女性が現れた。
黒いレースのハイネックブラウス(←あの素敵な衣装を何てあらわしたらええのか分からないおばちゃん)に黒髪に華奢なスタイル。何かもう、ロックなんである。かっこええんである。

「何歌うの?」と聞いてみた。
「GLAYの『誘惑』です」
「マジすか?」(再びケンコバ登場)曲名を聞いて、さっき口の中に放り込んだばかりの龍角散のど飴を思わずまるまる飲み込んでしまった。
「ひっく!すごいねー!ひっく!」(死ぬ、死ぬ〜〜)

そんなこんなで発表会がスタートした。教室には70名ほどの生徒さんが通っているらしいが、今日の参加者は20名ほど。観客は4〜50名くらいか。

これが初舞台という人も多く、アットホームな感じで歌が続いていく。懐かしの名曲やボカロ、最近のヒット曲まで多種多様。「にぎやかしみよし」は、どの曲にも体を揺らしながら手拍子をして楽しむ。11歳が歌うMISIAは真っ直ぐで熱量があって心が洗われた。「おばちゃんにもこんなときがあったよー」と昔の自分を重ねて呟くが誰も聞いちゃいない。

出番が近づいてきた。さっきまで「いけそう」と思っていたのに急に緊張してきた。前の人がステージに上がったら、舞台袖の控え室に入って待つ段取りだ。

控え室に入ったら尋常じゃないくらい心臓がバクバクしてきた。バラードを歌うのに、心臓のBPMはGLAYの誘惑やないか。「ちゃうちゃう」と思って深呼吸するが落ち着かない。今日は何が何でも長介には出てきて欲しくないんである。普段は「そんなんで落ち着く訳あるか!」と思っている「人という字を書いてのむ」というやったこともない定番にすがってみたが、必死すぎて「人」が「×」になり、バッテン描き過ぎて呪いの呪文みたいになってきた。

「あーあかん」「白い〜」「白い〜」……どんだけ白いねんというくらい歌い出しを何度もあくびの喉で繰り返す。落ち着かない間に前の人の歌が終わり、司会者の「次の方どーぞー」が聞こえてきた。心臓飛び出そうになりながら舞台への扉のノブをまわした途端、Apple Watchがブルっと震えた。時計に目をやると「高い心拍数です」とヘルスケアが異状を伝えている。「ワシを追い込むなよぅ…」と、千鳥のノブみたいになって泣きそうになりながらステージに向かった。

出てきたのは長介ではなくノブだった。
「自己紹介をどうぞ」スラスラと喋れた。ノブなんで。
曲フリをすると前奏が流れ始めた。みんながこっちを見ている。この期に及んでまたどうでもええ定番が頭をよぎる。
「こんなときはみんなジャガイモと思えって…ジャガイモに…」
「見えるかー!」
♪「じろい〜(白い〜)」(あ、あくびするん忘れた!)

歌はなかなかの酷さだった。ノブなんで。
でも最後まで歌い切れたからまぁいいか。A面みよしは相変わらずだったが、B面みよしが踏ん張ってくれた。途中みなさんが手拍子とかしてくれてありがたかったな。歌い終わって出た言葉は「お粗末さまでした」(笑)

先生が言った「初舞台は7割」
「確かに」と納得した。

その後も歌は続く。
この教室から出たアイドル雛月(ひいな)りなちゃんのゲストライブ。アイドルを間近で見たのは初めてだったが、透き通るような肌で見惚れてしまった。宇宙と交信できそうな声だったな。これからも応援しよう。

FM高松「きゅあらじ」でパーソナリティやってます

あと印象に残っているのは、この日カメラマンを務めてくださった方の「銀河鉄道999」ゴダイゴじゃなくて「ささきいさお」の方ね。いやー渋かった。子どもの頃アニメ観ながら聴いてたわー。あの頃はこの哀愁は理解できんかったけどええ歌やー。
♪ひとは誰でもしあわせさがす旅人のようなもの 希望の星にめぐりあうまで歩きつづけるだろう〜
人生とは青い小鳥を探す旅やなぁ〜。

トリを務めたのは弁護士の卵だという男性。司法試験に受かって今まさに研修中だと言う。「先生いわく歌良し、ルックス良し、性格良しの方が登場します」と司会者にハードルを上げられて登場したが、いやいやそのハードルを背面跳びで超えてきとるがな。歌うはマカロニえんぴつの「なんでもないよ、」

♪僕には何もないな 参っちまうよもう…「あるわい!何でもあるわい!」
歌い出しに被さるように心の中で叫んだのは私だけなのか。いやー爽やか過ぎる。シュッとして、ほわっとして、パッと華やかなあなたに、今日ここに集まった人が使うであろう「爽やか」と言う言葉を全て捧げよう。

最後はみんなで「ハナミズキ」を合唱。私は高音のハモリパートを歌う。直前までカレーライスを食べていたが(美味しかった)、もう余裕だ。一発本番だがみんなと一緒に心ゆくまで熱唱していい感じで発表会は終わった。

緊張はしたけど終わってみると楽しかった。度胸をつけるにはいい舞台だ。これから本当にやりたいことのために、B面みよしもたまには召喚しながら生活していこうと思う。

「まぁがんばった」と終わった直後は納得していたけど、3日経ったらちょっと悔しくなってきた。もう少し上手に歌いたい。次回参戦のときには少しでもレベルアップできているように、これからも楽しんで練習します。ぼよよーん。

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