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#5【BTS・K-POPを「音階とリズムの歴史」から見ると超面白かった!】

こんにちは!今日は、K-POPと西洋音楽の融合についてお話ししたいと思います。西洋と東洋のハイブリッド・ミュージックとして知られているBTS。そのハイブリッドの正体は音階ではなく、実はリズムにあります。

リズムは万国共通の言語であり、音楽の根幹を成すものです。BTSの楽曲が世界中で愛される理由の一つは、このリズムの巧妙な使い方にあります。彼らの音楽は、伝統的な韓国のリズムと西洋のポップ・ミュージックのリズムを融合させることで、独自のサウンドを作り出しています。

リズムの歴史を辿りながら、なぜBTSの音楽がこれほどまでに多くの人々の心を捉えるのか、その秘密を解き明かしていきましょう。

▼世界のリズム楽器は「戦い」によって発展していった
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そもそも、人間にとって「リズム」とは一体何なのでしょうか。リズム楽器の歴史を辿りながら探っていきましょう。

世界にはたくさんのリズム楽器があります。例えば、アフリカのジャンベはヤギや牛の皮と木で作られ、音が遠くまで響くため、メッセージの伝達に使われていました。モンゴルの馬頭琴は遊牧民が家族同様に扱う馬の骨や皮で作られ、別れた馬を思って演奏されていました。
→国語の教科書「スーホの白い馬」は今もありますか?!

そして、リズム楽器が軍楽隊に使われて発展してきたことも興味深いです。日本の太鼓は戦場で戦士の士気を上げ、指揮の合図として使われていました。ドラムの音が士気を高め、感情を鼓舞するのは古代から続く人間の性質なんですね。

ライブに行ったときも、ドラムが奏でる「リズム」の音で一気に気分が高揚しますよね!

さらに、歴史を遡ると最古のリズム楽器として知られるのは、ベルギーで発見された約7万年前のフレームドラム

丸いボールの上に皮を引き伸ばしたタイプのドラムが中東からヨーロッパに伝わり、ティンパニーのようなドラムへと進化し、ヨーロッパで吹奏楽が発展したんだそうです。

現代のドラムセットでひときわ重いビートを刻む「バスドラム」の起源はなんとトルコの両面円形太鼓「ダヴル」。現代のドラムセットに使われる「スネア」やと呼ばれる太鼓はスイス発祥。現代の古代からのリズム楽器の進化の結果です。

▼お腹の中で聞いていた、お母さんと自分の❤ハートビート❤
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さらに、人間はお母さんのお腹の中で初めて聞くリズムが「鼓動」です。
このリズムは私たちの最初の音楽体験であり、世界中の誰もが経験しているものです。これが「リズム」が気分を上げ、心地よいと感じる理由の一つかもしれません。

赤ちゃんの心音のビートは、大人よりも早くてBPM130〜150くらい。
(一般的な成人は、BPM80〜110)

そして、胎児の体の機能のうち、耳の機能は20〜25週(出産はだいたい40週目)に完成し、周りの音が聞こえると言われています。

▼リズムは気分が上がるし、心地がいい
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こうして、打楽器の歴史を探りながら、「リズム」と「人間の生活」に焦点を当てていくと、「リズム」の特徴が浮かび上がってきませんか。

「リズム」は、危険を知らせるためや合図として使用され、人々の生活に深く関わってきました。戦闘時には、士気を高めるための要素として使われ、戦争の合図にも適していました。そして、誰もが母親のお腹の中で鼓動を聞き、リズムを感じる経験をしていました。

そんな「リズム」と「メロディ」がピアノと出会ったことで、運命が変わってしまったという話を紹介していきたいと思います。

世界の歴史から、ドレミファソラシドがいつ生まれたのかを楽しく分析していきます。

▼メロディ(歌)の起源と世界の音階
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メロディ(歌)の起源についても興味深いことがあります。メロディという言葉の語源は古代ギリシア語で、古代ギリシア語の mélos「旋律」と ōid「歌唱」という二つの語が結合した melōidíā が語源です。
(日本語では節 、旋律と言います)

最古の音階を持つ楽器は約42,000年前にドイツで見つかった笛で、マンモスの骨に穴を開けて作られたものでした。
(日本の旧石器時代)

他にも、動物の骨に穴をあけた笛が世界中で発掘されていて、世界各国の「民族音楽」に使われる「音階」は、各国に古くからある楽器が奏でるメロディが元になっているようです。

◆35000〜40000年前に見つかった笛の動画がありました!マニアック!


▼音階を発見したのは数学者ピタゴラス
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古代の人々はただ楽しく歌って、音を鳴らしていました。「ドとド#の間の音」を歌っても良かったし、「ソとファ♭の間の音」を歌ってもよかったんです。

しかし、古代ギリシャの数学者ピタゴラスが「世界は整数でできている」という考えから「音程」を発見したことで、音楽に「正解」と「不正解」が生まれました。

彼は弦の長さの比率によって美しい音が生まれることを発見し、これが「ドレミファソラシド」の基礎となり、音楽の発展に大きな影響を与えました。


(※以下、興味のある人だけ読んでみてください)
ある日、職人が打つ鉄の音が、気持ちいいときと、そうでないときがあるな〜と気づいたピタゴラス。さっそく帰って、弟子たちに一本の弦を張った箱を2つ作らせました。(モノコードという簡易的な楽器)

ひとつは全く動かさずに、弦を弾きます。
→これを基準の音とする

もうひとつは弦の下にある柱(木の棒)の位置を少しづつずらして、2つ同時に音を出していきます。

そこで、まず分かったのは、片方の弦の長さが半分になったとき、すなわち弦の長さが2:1になったときに2つの音が完全に同じ音だということです。
(これがのちのオクターブ。高いドと、低いドは、高さの違う同じ音!という発見です)

ピタゴラスたちはその後、他にも2つの音が調和する場所がないかを探しました。すると、2つの弦の長さの比が3:2や4:3のときにもそれぞれ2つの音の響きが綺麗に響き合うんだということに気づきます。
(ドとファ、ドとソのこと。ポップ・ミュージックの「サビ」でこの響きがよく使われています)

美しく響きあう音程の弦の長さが、簡単な整数でできているとは。自分で数式を書いて遊んでいた数学マニアの筆者にとってたまらない事実です。

さらに、職人が使うハンマーの重さによって音が変わることを発見して、ハンマーの重さが一定の整数比になっているときに、美しい音が響いていることが分かったそうです。

こうして、現代音楽を魔法のように発展させた「ドレミファソラシド」という「音程」の概念が発明されたのは、だいたい2,500年前のことでした。

▼世界の民族音楽とメロディの歴史
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こうして発見された「音程」の概念が世界中に広まりました。

ところで、西洋音楽のベースは、ビタゴラスが発見した整数の比でできた音程です。一方で、日本音楽のベースは、ヨナ抜き音階でした。

※明治時代に、階名をヒ・フ・ミ・ヨ・イ・ム・ナとしていた。そのうちのヨとナ、つまり(ファ)と(シ)を抜いたド・レ・ミ・ソ・ラのみを使うと日本の民族音楽になる(国歌など)

※このヨナ抜き音階は、ブルガリア音階でも使われています。

中東ではド・レ・ミb・ファ♯・ソ・ラb・シ(アラジンのはじまりの曲などアラビアンナイト♫)中国、スペイン、ハンガリー、ジプシーなどそれぞれの民族特有の音階が世界中に存在しています。

しかし、現代音楽は、西洋音楽の整数比に基づいた音程が使われており、K-POPもこれに多大な影響を受けています。

▼K-POPと西洋の音楽理論
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K-POPのメロディやハーモニーは、西洋の音楽理論、つまり整数比に基づく音程から大きな影響を受けています。例えば、美しいメロディや調和のとれたコード進行を重視する傾向があるのは、まさにこの西洋音楽の音程理論によるものなのです。

また、K-POPのリズムやビートも、西洋の音楽をかなり意識しています。韓国語の言語リズムを現代的でキャッチーなサウンドに接続することで、彼ら独自の「ハイブリッド・ミュージック」を作っているのです。

ただ、そんな西洋音楽の影響を受けつつも、K-POPはアジア独自の音楽文化や感性も大切にしています。例えば、日本の伝統音楽で使われるペンタトニック・スケール(五音音階)や、アジアン楽器の音色などが取り入れられることもあります。このようにK-POPは、西洋の理論を基盤としながらも、独自のアイデンティティを持つ音楽ジャンルとして進化を遂げているのです。

▼まとめ
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これまではこのような情報は専門家だけのものでしたが【世界総クリエーター時代】を生きる私たちにとって、これは他人事ではありません!AI作曲を使って誰もがクリエイターになれる、そんな楽しい未来がやってきています!

私たちがAI作曲でよりクリエイティブになるためには、音楽の歴史や理論を学ぶことが欠かせません。なぜなら、過去の音楽の傑作から学ぶことで、より創造的な曲を生み出す”勘”が磨かれるからです!!!

そんな未来に向けて、マニアックな記事を少しづつ書いていきたいと思います❤

それではまた!!!


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