みゆです。

またまた映画を見てみました。
アマプラをポチポチしていて発見したこの映画。
倍賞千恵子さんが主演です。時間もそんなに長いものではなかったので、軽い気持ちで見始めたのですが･･･。

なんだか、いろんな意味で考えさせられる映画でした。
以下、ネタバレも含みますがご興味のある方はお付き合い下さい。

舞台は近未来の日本のどこかの地方都市。
少子化のため、高齢者を支える事が負担になってきた若者たちによる襲撃事件が頻発しています。

主人公のミチたちは高齢者雇用でホテルの清掃の仕事をして働いています。この事から、この頃には年金制度は破綻している様子が伺えます。

この頃、国会では衝撃の法案が通ります。
その名もPLAN75。要は満75歳から生死の選択権が与えられるというものです。生きるも死ぬも自分で選べるこの法案に、しだいに応じる人が増えていきます。

ミチはそんなPLAN75など選ぶ気などはありません。
けれど、勤め先を解雇されたり、住む所も取り壊される事になったものの新しい住居も決まりません。さらに、仲良くしていた友達が孤独死していたり。
そんなこんなで、ついにミチもPLAN75を受け入れる事になるのですが･･･。

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この映画、オープニングのクレジットで某財団の名前があって、助成金が出ているみたいなんです。それで、なんとなく身構えて見始めました。

見ていたら、ぞわぞわして見るの辞めようかなと何回も思いました。だけど、怖いもの見たさで最後まで見ちゃいました。たぶん、私が都市伝説系をかじっていなければ普通に鑑賞できたんだと思います。

そういう事は置いておくと、いろいろと問題提起のある映画だなぁという感想を持ちました。それに、出演されている役者さんは倍賞千恵子さんをはじめ、磯村勇斗さんも河合優実さんも他のみなさんも演技がお上手で映画の世界に入り込めました。

満75歳になった時、自分の人生を終わらせる決断をするのかしないのか。

もし、自分が治る見込みの無い病気を患っていたり、痴呆が出ていたりするのなら、おそらく申し込む事でしょう。貧困にあえいでいて、誰の手助けも受ける事ができなかったら･･･。はたまた、人生に絶望してもう投げやりになっていたとしたら･･･。人間誰しも、平常の思考状態なら自分から死を選ぶような事はしないと思うのです。だけど、平常ではなかったらどうなのでしょう。この先に何の希望も見いだせなかったとしたら。

考えて考えて、結論を出したのなら、それはいいのかもしれません。

けれども、この映画の中では「自分から死を選ぶのは素晴らしい事だ」とCMがばんばん放映されたり、役所でPR活動に励んだりする世界なのです。おまけに、ホームレスのいる公園での特設会場に至っては「家族の同意はいりません」「住所が無くても申し込めます」とアピールしています。

これは、本当に余計なお世話です。国に誘導されるように死んでいくのはまっぴらごめんだと思うのですが、それは私がこの世にまだ絶望していないからなのでしょうか。

そして、お金の無い庶民のための無料プランの他にも、お金のある人はリゾートなどで家族に看取られながら、あの世に旅立てるプランもあるのです。やっぱり、生きるも死ぬも金しだいだというのでしょうか。法案を通した政治家は満75歳以上なのでしょうが、きっと彼らは自ら死を選ぶ事などないのでしょう。

PLAN75に翻弄される登場人物たちがそれぞれ交錯しながら物語は進んでいきます。

最後、一旦死を受け入れて処置されるミチですが、なぜか死を免れます。家も仕事もお金も何もかも無いミチはこの先どうなっていくのでしょう。そんな事を思わせながら映画は終わります。

この映画を見終わって数日経ちますが、まだ考えてしまう自分がいます。本当にこれから先、いったいどうなっていくのでしょうか。この映画が、何らかの意図を持った作品じゃない事を祈るばかりです。

今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪