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愛とか恋とかうるさい

駆け出しのライターとして出会ったメンバーたちが、毎回特定のテーマに沿って好きなように書いていく「日刊かきあつめ」です。

今回のテーマは「#愛とか恋とか」です。

コロナもそろそろいいかという風潮になり、数年来連絡を取っていなかった友人にラインしてみた。

彼女と私は大学時代からの友人だ。ちょっとした行き違いがあり、数年間連絡を取らなくなってしまったのだが、友人、というか元々は大親友だ。
平日は大学近くに住む彼女の家へ行き、夜通し語り合ったり。休日は一緒に話題の美術展や単館系おしゃれ映画、どこか見つけてきた文化系イベントによく行ったり。 
夏休みに京都・奈良への旅行がてら関西出身の彼女の実家に泊まったことも何度もある。私の実家にもよく遊びにきてくれた。その度に両親も張り切ってもてなしていた。
お互い夢見がちで、感受性と自意識が強く世の中に合わせられないところが似ていたように思う。
大学を卒業してからも変わらずお茶したり旅行に行ったりと変わらず交友は続いた。
でもここまで仲良くなったのはお互いだいたいにおいて行動を共にするような彼氏がいなかったから。だって上記の行動、まるで恋人同士のようではないですか。いつもふたりで彼氏がいない、できない、と嘆き騒いでいた。

数年ぶりに連絡をとり久しぶり一緒に出掛けないかと誘ってみたところ体調不良とお断りされてしまった。なんと妊娠していたのだ。もうすぐ入籍予定だという。

これにはびっくりした。というのも18のときから知っているけど、今まで彼女には一度も恋人というものがいたことがないはずだからだ。
若い頃から結婚はできないだろうと思い込んでおり、生涯ひとりで困らないように浪人して公務員になったくらいだ。

で、運命的な出会いがあったのかというとそうでもないらしい。
相手には全然ぴんときてないし、今までどおり恋愛も結婚もいまいちわからないけれど(同じくです…)子どもが欲しいから妊活を優先したのだと。これには「身勝手」「考えが浅い」
「子どもは成果物(!)でしょう」など否定的な声もあったそう。
常識はずれかもしれないし相手はどう思ってるんだろう、と気になるけれど、非常にアリだと私は思う。とても彼女らしい生き方だと思うわけ。

彼についての詳細は聞かれたくないらしかった。なんとなくその事情もわかる気がしたので、それ以上は聞かないことにした。

愛とか恋とか世の中うるさい。
「早く幸せになれるといいね」
「まだ運命の人に出会ってないだけだよ」
とか言ってくる“ふつう“な人たちの悪気ない励ましの一言。
そうじゃない人だっているんだよね。恋より子供を産みたい気持ちを優先させてもいいじゃん。恋愛・結婚至上主義みたいな風潮まだまだ強いからな。マイノリティは生きづらいよね。

文:べみん
編集:アカヨシロウ

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