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『殊能将之未発表短編集』読了

「犬がこわい」

落語でいうまくら部分については同感である。
小学校低学年のとき、私よりも大きな犬を連れたおばさんが向こうからやってきた。
すれ違おうとしたとき、犬が私に覆いかぶさるようにじゃれついてきた。私はその前にも犬に追いかけられたことがあり、犬が恐かったので、大声で泣いた。それをおばさんはニコニコしながら見ていた。30分くらいと思える恐怖の時間は、実は5分ほどだったが、あのときの恐怖とおばさんの笑顔は今でも覚えている。結局、犬が飽きて歩き出すことで事件は終わった。
私は今も大きさに関係なく「犬がこわい」。

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