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春俳句

春の宵闇かけ巡る猫座興
そこはかとなき花に似て春の星
夜の底つぼみと吾とぢっと待つ
夜の春野水銀燈と人一人
ひとりでに宴となりて山桜
佐保姫の手もくちびるも薄紅(うすべに)に
窓むこうぼやりと見れば山笑ふ
煙草買い言い訳に春の星見へと
芸術の話題も増えて穴を出ず
父のハモニカ思ひ出す梅のころ
帰るなり子猫抱き上げあまき声
足元に生命棲むや子猫とは
たらの芽天少し噛んでは少し注ぐ
本年の龍は春分巽ほど
くちびるの柔ら知る鉢に芽が出た
えにしとはなんとも上手し花筏(はないかだ)

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