見出し画像

カット・トーク・リヴァイヴ

ボンジョルノ。今日もタイパ無視の水宮です。おげんきですか。


昨夜は茅ヶ崎にてカットモデルしてきました。こちら☟

初の所だったがスタッフのかまだれいし君、とんでもない技術です。
まだアシスタントで、と恐縮されてたが自分史上では、佐々木朗希の完全試合観た時並みの衝撃。あんな若い子が!的な。いや別に野球そんなではないんだけど例え易いから。

その昔カリスマ美容師がキラ星の如く現れた表参道の美容院にかかったこともあったがそれを軽く上回る(もちろんお値段表はそれをはるかに下回る)。


カットと手ぐしのドライヤーのみのスタイリングでこんなに?と本当にびっくりした。手ぐしだよ?ツヤツヤ!サラサラ!特殊な薬も何もナシ!水も普通!彼は知識も豊富かつ正当で面白かった。穏やかだがキャラクターも興味深い。

年相応な白髪がきれいに揃ってツヤが戻りご機嫌。これで寝起きの髪!
いい選手には立場も状況も関係ない。リスペクト

施術中の話題は知的で愉快だった。


自粛期間中に美容院と病院に行くのはためらった。
最初のロックダウンに入った時、左腕に二度の大やけどを負ってまだ実家の東京に住んでたのに救急にもたらい回しにされ、ままよと駆け込んだ近所の皮膚科がたまたま名医だった話を以前書いた。そこもやむを得ず翌日から閉めてしまうことになっていたが、親切な女性の先生は適切な処置を自分で行う方法を私にきちんと教えてくださり、私は自宅でそうした。下手したら広範囲のケロイドが残ったかもしれなかったのだがおかげさまで跡形もない。


かまだ君もその先生と共通した意識を持っていて、医療機関・美容理容院はもともと同じものだったと。
美と健康は同じもので、そういう場所は施術院/サロンであると同時に施術者たちは、日常どうそれを保っていくかを人々に伝える伝導師でもあった。


彼がしてくれたのはまさにそれ。常日頃お客さんには毎日どうケアし、スタイリングするかを伝えてます、それが大事なんですと。


そう、美容院帰りだけは綺麗って意味がない。
次に行く時までできるだけ自力で綺麗でいたい。しかも手間ヒマお金かけたくないという人間のワガママを叶えながら。


彼の教えてくれた方法は、驚くほどシンプル。
難しいテクいらない。
バカ高いヘアケア用品を買い揃える必要も、髪と地肌(ひいては肌、内臓にまで及ぶことなのだが、かまだ君はそれも熟知していた)のすこやかさを保てれば必要ない。
詳しくはinc茅ヶ崎南口店で。


昔医療系のスタッフをしてた時、人はそれぞれ違うのに同じ病名をつけられたり同じ薬を出されたりするのはなんでだろうと不思議だった。その人その人のオリジナルレシピのカクテルがあるはずなのに。
厳密に言えばその人の哲学にさえ左右される。治療は必要ないと呵々大笑している心すこやかな人が、なんなく自然治癒したりとかね。


鬱になったりするとテキメン。健康と美容が一挙に総崩れになる。


かまだ君ごめんね。黙ってたけど私精神疾患歴長いんだー。入院も5回したことあんだー。躁うつ病でだけど、鬱の感覚は痛いほど知っている。血縁でも職場でも友人でもいた。
だからまさに、なのだ。

心が暗く曇る。すると瞳が曇る。世界の輝きを見る視力を失ってしまうからだ。サングラスをかけたように。
気力が失くなる。
食事も、仕事も登校もすべき事も、やりたくなくなる。
顔も洗わず、ひどい場合は入浴すらしなくなる。
当然ルックスに自信が失くなる。
人に会いたくなくなる。
外に出なくなる。
お日さまの光を浴びなくなる。
医学的にそれは鬱を助長する。
こもって延々ゲーム画面やネット画面を見つめたり、ただ飲み続けたり、まあ何かしら中毒的な行為を繰り返すほか何も出来なくなる。地獄の釜で煮られるように焦り恐れながらも、動けなくなってしまって。


心がすこやかになれば、体は生きたいと欲して健康になる。健康になると心地いい。路傍の小さな花を見つけただけでうれしい。うれしいとつい笑う。笑うと周りの人もうれしくなって笑いかける。
家に戻ってふと鏡を見る。うわ。お風呂入ろう。髪もきちんとして、メイクもしてみよう。服もちゃんと可愛く、カッコよくしてみよう。ともあれまずは手持ちのもので工夫して。
手が動き出し、足は歩き出して視界が変わる。今まで私は何をやってたんだろう?
全てが動き出す。


すっかり大満足で店を出た。かまだ君、ありがとう。店長さんも遅くまでありがとう。楽しかった。
そして夜の湘南の街へ繰り出す水宮は、壊れてるヒザも忘れて元気よく歩き出す。
途中、大好きな黄色いオキザリスの花の群生があった。春の星座に、17番目の月も出ていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?