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『定年ラジオ』

読みました。

長年パーソナリティーとして、アナウンサーとして走り続けた'うえちゃん'こと上柳昌彦さんの若かりし頃のこと、仕事、病、周りの支え、上柳さん視点でなんだか日記を読んでいるようで面白かった。

大学を卒業したら「ラジオで話す人になるんだ!」と具体的なプランも無く意気込んでいた時に、昔のラジオについて勉強するつもりで手に取った本でした。帯にはよく知ってる鶴瓶さんがいて、BIG3の文字もある…と惹かれたのです。

それから局でのインターンシップやスクールの講座を体験してみたり、オーディションを受けたりひょんなことから地元の番組に出演したり、ラジオの道に進むには…とあれやこれやとしてみたものの

奨学金を借りた身であることと、自分の生活を考えてみると手に職が無い状態でプロを目指すのは
無理だなぁという現実を受け入れ、全く違う職場に内定を頂いた。

スクールの入校時期を意図的に逃して以降、なんだか心が折れてしまってラジオから離れたこともあった。(と同時にこの本を開く頻度も減り…)

それから約半年が経ち、なんとか春からの新たな道を見つけた今はまたラジオに救われることばかりで、その度に「またスタジオに入ってヘッドフォンを付けて、マイクに向かって話す日が来たらな…」なんて思う。

この本の最後の方、私に刺さったのは
受け取る人は何に価値があるのか分かっている、聴く価値のあるものには必死で耳を傾ける(わたしの記憶なので本文ままではありません🙇)こと。


実は私が今すぐにパーソナリティーになることを選ばなかったもう一つの理由はそこだ。

今の私が話し手になったところで、何を伝えられるのか、自分に納得出来なかった。間近で何日もプロの話し手の姿を見て、ラジオをやりたい自分と、聴き手に届けたい理想の自分との距離があまりに大きかった。


定年を迎えた先もやりたい声の仕事が尽きないうえちゃんのように、私もラジオに限らず目の前のやりたいこと、出来ることを究めていきたい。

それがいつしか私の個性になって、行きたい場所に導いてくれると思う。

長々とした読書感想文を最後まで読んで下さりありがとうございました。長年勤められた話し手の気概、姿勢を時々読み返そう。本はいいね📚



※ブクログに同文投稿しました。

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