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今日はきのうの続きだけれど

突然ですが、

私はとてもみつはしちかこさんの「今日はきのうの続きだけれど」という詩が好きだ。特にこの詩を、今日のように冷えた冬の朝は繰り返し頭の中で反芻するくらいには。

ご挨拶が遅れましたが、明けましておめでとうございます。気がつけば1月ももうすぐ半ば、昨日の続きを繰り返して、いつの間にか過ぎていた2020年。2021年は元旦の仕事からスタートし、ようやく落ち着き、フラフラの体もようやく回復したところ。

東京に来て初めての冬を経験しているわけだけれど、予想以上に寒くて震えている。恋人に尋ねると今季は異常だと言うのだけれど、次の冬はもう少し寒さも和らぐのか。淡い期待をしつつ、みつはしさんの詩の話に戻りたい。

この詩は小学3年生だか、子供の頃教科書に掲載されていてそれを授業で読んだのがきっかけで知ったのだ。元々実家に小さな恋のものがたりなど、みつはしさんの漫画が家にあった私にとっては、この人教科書にも載るんだ、すごいな、くらいにしかその時は思わなかったが。

今日はきのうの続きだけれど

朝ごとに目覚めるように

いちにちは 日々に新しい

生きていれば嫌なことなんてごまんとある。月並みだけれど、私だって辛くて泣きたくなった日も沢山経験してきたし、きっとこれから今までの倍以上にそんな日もあると思う。けれど、この詩を読む度に、確かに今日は昨日とひと続きだけれど、朝が、私の着ている服が、全身の細胞があたらしく生まれ変わって、今日という日を迎えているのだと思わせてくれる。

大好きなところは

きのうのぬくもりを肌に

今日のつめたい服を着よう

の部分である。

寒い朝は自分の温もりになれた寝巻きを脱いで、つめたい朝の服に袖を通すのにはちょっぴり勇気がいる。ひやりとした肌の感覚に、思わず体が跳ねる。しかしそれと同時に、またひとつ皮が向けて、自分が生まれ変わったような気になる。まるで朝の神聖な儀式であるかのように。おもむろに私は服を着替える。

今日はきのうの続きだけれど、

あたらしい今日を精一杯紡いでいきたいものだ。






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