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[OldCityBoy的「映画」考察] 真夜中のカウボーイ(1969) ➡アンディー・ウォーホルがファクトリーでやりたかったことと、その時代背景が分かる映画
1967年の"俺たちに明日はない"から始まるニューシネマの傑作で、ジョン・ヴォイト、ダスティン・ホフマンとも、とってもよかったです。 物語は、ニューシネマらしく終始退廃的ですが、後半にアンディー・ウォーホルのファクトリーらしいものが出てくるので、「あれ!?」、と思って調べてみると、 この映画の2年前の1967年に"The Velvet Underground and Nico"がリリースされており、 さらに1年前の1968年にファクトリーでアンディー・ウォーホルへの狙撃事件
[OldCityBoy的「映画」考察] 2001年宇宙の旅(1968) ➡この映画だけはなぜか異次元の完成度を誇り、映画史の特異点
もはや語られつくされており、自分ごときが語れる映画でもないのですが、旧帝大にて通信工学修士を取っており・電磁工学の論文を出しているゴリゴリ理系から視点より。 この映画だけは、なぜか映画史の特異点なんですよね~。 この"特異点"という意味ですが、数学的に言うと微分できない箇所で、物理世界ではエネルギーが集まりやすい箇所で、宇宙ではブラックホールの原因と考えられてます。 要は"ここだけなんか変"と理解してもらえば良いのですが、 67年→俺たちに明日はない 68年→2001年
[OldCityBoy的「映画」考察] 明日に向かって撃て(1969) ➡ニューシネマにカテゴライズされているが、現代アクション映画の元祖でもあると思う
ニューシネマの名作にカテゴライズされていますが、それ自体は間違いではないのですが、自身の中ではスタントマンを用いた現代アクション映画の元祖に見えました。 ニューシネマにカテゴライズされている理由は、終始退廃的で最後までオチが無い"俺たちに明日はない"と同じようなストーリーだからだと思われます。 それはそうなのですが、実は映画としての新しい試みを行っています。具体的には、非常に危険なスタントを映像表現に加えているところです。 スタントを使っているのを自身が認識できたのは以
[OldCityBoy的「映画」考察] 俺たち明日はない(1967) ➡今までの暗黙的な映画のタブーを破り、皆をあっと言わせた映画
当時の映画関係者は、"やりやがった、あいつら!"、と地団駄を踏むほど悔しがったのではないか、と思われるぐらい、今までの暗黙的な映画のタブーを破り、映画の新しい表現手法を切り開いた映画で、属に言う、ニューシネマの誕生です。 このような映画が生まれた背景は、 ウエスト・サイド物語(1962) ↓ マイ・フェア・レディ(1965) ↓ サウンド・オブ・ミュージック(1966) という、映画の教科書とも言うべき王道が続く中で、この路線だともう勝てない!別のモノを作るらねば!、と勘の
[OldCityBoy的「映画」考察] サウンド・オブ・ミュージック(1965) ➡名作を通り越して、もう映画なるものの教科書的作品
王道映画の教科書とも言うべき大名作でした。 エンタメ映画として、全ての要素を組み込んでおり、そりゃ、現在まだ語られるはずです。 要素を個別に記載していくと、 ○音楽 言わずもがなですが、歌自体をこれほどうまく映画に落とし込こめることに、当時、皆、驚愕したと思います。 ○脚本 恋愛・家族・戦争、と王道要素をこの映画は全て入れています。かつ、暴力なく戦争を描けているところがものすごく、よって、子供でも見れるように仕立てており、まさにエンタメ映画の教科書です。 ○色彩 冒
[OldCityBoy的「映画」考察] ウエスト・サイド物語(1961) ➡"所詮、ミュージカルでしょ"という先入観を大いに打ち消す超名作
所詮、"ロミオとジュリエット"に歌を入れて甘くしたやつでしょ、 とか 感情を表現するのに歌やダンスって余計じゃない?、 なミュージカル食わず嫌いな先入観を大いに打ち消す超名作でした。 この映画、80年代っぽいカラーのオープニングから、グレーで無機質なニューヨークを上空から見た絵をスクロールする演出をするのですが、それが超カッコよく、この時点でミュージカルな感じがありません。 そこから、この物語の舞台である町の公園を上空から見た絵に展開するのですが、それも無機質で超クールで
[OldCityBoy的「映画」考察] ティファニーで朝食を(1961) ➡脚本・演出・ファッション・題名、と全ての要素でお洒落を極めた名作
今っぽく言うと、港区女子からの解放、がテーマですが、あらゆる要素がお洒落に演出されており、名作です。 あらゆる要素がお洒落過ぎるので、1つずつ説明していきます。 ■ファッション メンズファッションを言葉で表すならば、ザ・トラッド、になり、具体的に言うと -全身グレーのセットアップに黒いニットタイ -ブレザーにスラックスにレジメンタルタイ が代表的なところです。 この、ザ・トラッド、を新しく解釈したのがトム・ブラウンですが、そのぐらい現在のメンズファッションの原型とも言う
[OldCityBoy的「映画」考察] 恋の手ほどき(1958) ➡"ローマの休日"をカラーにして、さらにポップにしたお洒落映画、そしてフランス絵画のオマージュあり
"ローマの休日"をカラーにして、さらにポップにしたお洒落映画、の印象でした。 ただし、ただ"お洒落"なだけではなく、フランス絵画的のオマージュを入れており、ただのお洒落映画ではない!、な意図も見え隠れします。 分かりやすいのは、出てくる部屋が真っ赤であることです。この色彩どっかで見たことあるな~、と記憶をたどってみるとマティスでした。 ということで、芸術的な絵画要素のある教養も含んだ映画だ!、がメッセージとしてあるのでしょう。 ということでよくよく見てみると、 ルノア
[OldCityBoy的「映画」考察] 八十日間世界一周(1956) ➡カラー映像なる技術革新により、今後の映像表現が変わることが確信できる映画
Wikiによると、日本で海外旅行が一般に普及したのは1964年以降だそうです。よって、この映画が公開された1956年当時は、日本だけでなく世界でも海外を旅行するなんて夢のまた夢だったように思われます。 ただし、海外の情報は入ってくるはずで、 ・ロンドンの近衛兵な風景 ・パリの風景 ・スペインのフラメンコ・闘牛 ・アジア・インド・中国・日本の風景 ・アメリカの風景・インディアン のような今も観光の目玉となる上記は皆憧れたものと思われます。 そんな皆の憧れを、当時の最新技術で
[OldCityBoy的「映画」考察] グランド・ブダペスト・ホテル(2014) ➡"シャイニング"に"チャーリーとチョコレート工場"を混ぜてお洒落なブラックコメディにしてみました映画
POPEYEを目を皿にして読んでいる妻から見てほしい、と言われて年末年始にみてみました。 ミクスチャー(色々混ぜた)映画で、映画の冒頭でそんな映画であることを自ら宣言しています。 ということで色々混ぜてますが、ベースは"シャイニング"と"チャーリーとチョコレート工場"ですかね。 やってみたかったことは、 "シャイニング"をお洒落なブラックコメディにしてみる でしょうが、具体的に、 絵を左右対称にして人間に違和感や緊張感を与える"シャイニング"の手法に、"チャーリーとチョ
[OldCityBoy的「映画」考察] ジャイアンツ(1956) ➡ジェームス・ディーンがこの撮影直後に亡くなった理由がなんとなく分かる映画
アメリカ合衆国の歴史をドラマチックにたどる大河ドラマな映画で、悪くない映画ですが、とにかく長い…(約3時間半)。 そんな長い映画でスパイスになるのがジェームス・ディーンの演技になるのですが、それを観ていると、この撮影直後に亡くなった理由がなんとなく分かったので、それを解説しますね。 この映画自体はアメリカの大河ドラマなので、主人公の20代前半から老人になるまでを辿ります。よって、役者としても若者から年寄りまで演じる必要があります。 そんな条件下でのジェームス・ディーンで