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[OldCityBoy的「映画」考察] ウエスト・サイド物語(1961) ➡"所詮、ミュージカルでしょ"という先入観を大いに打ち消す超名作

所詮、"ロミオとジュリエット"に歌を入れて甘くしたやつでしょ、
とか
感情を表現するのに歌やダンスって余計じゃない?、
なミュージカル食わず嫌いな先入観を大いに打ち消す超名作でした。


この映画、80年代っぽいカラーのオープニングから、グレーで無機質なニューヨークを上空から見た絵をスクロールする演出をするのですが、それが超カッコよく、この時点でミュージカルな感じがありません。

そこから、この物語の舞台である町の公園を上空から見た絵に展開するのですが、それも無機質で超クールです。(この時点でもミュージカルな感じがありません。)

で、その後、実舞台である地上に舞い降りて、ようやく指ならしによるミュージカルっぽい演出が始まるのですが、指をならす毎に横方向に画面が変わっていく演出もカッコイイ!

また、横方向への画の移動(いわゆる横スクロール)はこの映画でよく見られるのですが、それも含めてこの映画のカッコよさどっかで見たことあるなぁ、と思いめぐらせてみると"シャイニング"でした。

もちろん、"ウエスト・サイド物語"の方が20年ほど前の映画なので、キューブリックはこの映画の手法をかなり使ったと思われます。

具体的には、"シャイニング"のオープニングで上空の絵をスクロールするところもそうですし、妙に無機質なところもそうですし、横スクロールを多用するところも言わずもがな。ということで、"シャイニング"は"ウエスト・サイド物語"の手法を、恐怖を喚起させる方向に振り切った映画とも言えそうです。

話を元に戻して、ダンスもキレがよく超カッコイイのですが、この映画では単にダンスを映しているわけではなく、カメラの角度等々を何度も切り替えてカッコよく見えるようにシーンを繋いで演出しています。

ということはカット毎にダンスを取り直しているはずで、演者は何回同じダンスを踊ったんだ!?、と驚愕してしまうのですが、ダンスシーンでのカットの回数を数えてみるもの楽しめる映画でした。

それだけでなく、若者の溢れんばかりの肉体的エネルギーの表現も素晴らしく、ダンスはもちろん、全力疾走で走るシーンも横スクロールを大いに使っており、いままでの映画にない躍動感が味わえます。

さらに、色彩もカラフルで、一度見ると忘れられない映像になっています。具体的には、この映画のどこを一時停止しても・切り取っても、"あ、これ、ウエスト・サイド物語だ!"と分かる画になっており、それって黒澤明の映画と一緒なんですよね。

こんな歴史に残る超名作を誰が撮ったんだ?、と調べてみると"市民ケーン"と同じ監督でした。

"市民ケーン"は"ウエスト・サイド物語"より約20年前の映画で、これも名作ですが、ほんとに同じ監督!?、と思ってしまうぐらいこの映画の進化っぷりは凄いです!

ということで、ミュージカルアレルギーがある方も十分楽しめる名作ですので、ぜひ見られることをお勧めします!


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