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【お仕事】『Numero TOKYO』3月号 最果タヒさんインタビューなど

普段はお仕事の告知は画像投稿 or つぶやき形式でしていますが、ただいま発売中の『Numero TOKYO』3月号では(珍しく)色々な記事を書かせていただいたので、テキスト投稿形式で告知させていただきます。

3月号の巻頭特集は「Self-Liberation その先の私へ」。自分を解放することをテーマとした記事をいくつか書かせていただきました。

1.「軽やかに枠を超えていく女性たち」 最果タヒさんインタビュー(誌面P68〜69)

2月23日より横浜美術館にて個展『最果タヒ 詩の展示を開催する詩人の最果タヒさん。以前から(note開設前のブログ版《偏読書評》を書いていた頃から)最果さんの詩にも小説にものめり込んでいた自分としては、もう本当に夢のような取材でした……もうライター冥利につきる、としか言いようがない。

インタビュー記事は特集テーマにあわせつつ、最果さんの作品を読んだことのない人でも楽しんでいただける/興味を持っていただけるように、彼女の詩作の原点詩作を通じて生じた内面的な変化、そして最果さんが考える現代における詩の役割について(規定の文字数におさまるように)書いております。

取材中、最果さんはただ面白いだけでなく、知的好奇心を激しく刺激するようなことを本当にたくさん話してくださったので、正直「文字数、3倍くらいに増やして欲しい……!」と、記事をまとめながら何度も叫びそうになっていました……。

また誌面では前述の個展にて披露される新作「暴露の日」や、過去の展覧会の写真も掲載されているので、最果さんのファンや、彼女の作品を読んで心が共鳴したことがある方に、ぜひ読んでいただきたいです。

2.「次になに観る? なに読む? もっと世界を広げてみよう!」小説・マンガ・アニメのレビュー(誌面P72〜77)

「コレが好きなら、コレもおすすめ!」というスタイルで、様々な作品などを紹介する企画。自分は小説やマンガを中心にレビュー記事を書かせていただきました。ちなみに作品の組み合わせとしては……

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』× 長野まゆみカムパネルラ版 銀河鉄道の夜(河出書房新社)

角田光代『私のなかの彼女』(新潮文庫)× 松田青子『英子の森』(河出文庫)

佐々木倫子『動物のお医者さん』(白泉社)× 早良朋『へんなものみっけ!』(小学館)

村田沙耶香『地球星人』(新潮社)× はるな檸檬『ダルちゃん』(小学館)

映画『ブリジット・ジョーンズの日記』× ルーシー・ヴァイン、森慎太郎/訳『ほんと、めちゃくちゃなんだけど』

アニメ『ユーリ!!! on ICE』× 井上佐藤『10DANCE〈テンダンス〉』(講談社)

……に、なります。どんな切り口で、ふたつの作品をつなげたか気になった人がもしいましたら、誌面をチェックしていただけるとうれしいです。ハイファッション誌の誌面にBL作品の書影がドーンと掲載されることも、そうそうないような気もしますので(『Numero TOKYO』、2017年12月号では『ユーリ!!! on ICE』の特別表紙版も出したことがありつつも、BL作品の掲載はNGって言われるかな……と、ダメ元で組み合わせ案を出したところ、すんなりOKをいただけたのでした)。

3.「メットガラ2019のテーマ『キャンプ』ってなんだ!?」BACH・幅允孝さん&辛酸なめ子さん対談記事(誌面P78〜79)

ニューヨークのメトロポリタン美術館にて、毎年5月に開催されるファッションの祭典『メットガラ(Met Gala)』。2019年のテーマとなったのは、批評家・小説家である(そしてゴダール好きなシネフィルには馴染み深い存在であろう)スーザン・ソンタグ「《キャンプ》についてのノート(原題 Notes on 'Camp')」にて提唱していた《キャンプ》。

この聞きなれない《キャンプ》って何? そもそもスーザン・ソンタグって誰? という切り口で、ブックディレクターの幅允孝さんに辛酸なめ子さんが質問をする対談記事です。辛酸さんはイラストレーションを2点描き下ろしてくださっているのですが、このイラストレーションが最高に味わい深いので、ぜひチラ見だけでもしていただきたい。

取材前に久々にソンタグの『反解釈』(ちくま学芸文庫)、『良心の領界』(NTT出版 ※絶版)、『スーザン・ソンタグから始まる/ラディカルな意志の彼方へ』(アート新書アルテ02)などに目を通したのですが、年齢を重ねたからなのか、以前に読んだときよりもソンタグが言わんとしていたことを(比較的)すんなりと理解/共感することができたりもして良かったです。こんな機会でもないかぎり、読み返すこともなかったと思うので。

ちなみに『良心の領界』の序文は、現代にこそ読むべき名文だと思うので、もしお近くの図書館に『良心の領界』が所蔵されていたら、ちょっと読んでみて欲しかったりもします。

私が書かせていただいた記事に関しては以上です。その他にもコンテンポラリーダンスの魅力にせまった鼎談記事、映画『翔んで埼玉』に主演している二階堂ふみさんとGACKTさんの対談記事など、読み応えのある記事もたくさん掲載されていますので、気になられた方は、ぜひ書店などでお手にとってみてください。