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「サイド バイ サイド 隣にいる人」を観て

んー。悪い映画じゃないんだよ!うん。
予告観て感じた映画の感じと実際観た映画の実感が180度違いすぎて戸惑っているというのが正直な所。
そしてこの映画は例の話題作より賛否両論になるんじゃないかと思う。

此処からネタバレ(ってほど隠されたものもないんだが)必須で書いていくので、そう言うの嫌な人はここでありがとうございましたって事で(笑)。


兎に角この映画やたらと綺麗でやたらと観念的で徹底的に説明不足を連ねている。
パンフなんか読むと「100人居れば100通りの解釈してくれりゃいい」みたいな事書いてあるから最初からの狙いみたいなんだが、今の「読解力」のないやたら「映像で全て説明しろ!」世代の人達には多分相当槍玉に挙げられる事必須でしょうね。
全くもって全てが観念的というか結局最後まで主人公の生い立ちはボヤッとしたままだし真の思いが読み取りにくい事この上ない。しかもよくある「口下手朴訥青年」なのでかなり好き嫌いが分かれると思う。
そして肝である「霊能力」?みたいなモノが使える意味合いが微妙過ぎて(まぁテーマがそこじゃないから仕方ないとは言え)出す意味がないんじゃないの?と思ってしまった。
「隣にいる人」は、生身、抜身?(霊)でもいいけど生きていく為には必要な誰か?というテーマ性も最後、主人公が牛が暴れて崖から落ちて死ぬのは如何なもんなんだろうか?わかるよ、「人はどんなタイミングで何で死ぬかなんてわからない」的やり口は。
でもさ、もっとマシな死に方ないもんかねえ。
元カノとお腹の中の子は暖かい新しい家族に救われたのは良いとしても、主人公がスタンドになってしまうのはどうなんだろうか?

コレは女流監督や芸術かぶれの監督が意図してやる手口なんだが、そのやり口で感動したためしがないので最後で「へっ?」となってしまった。

昔、ミミ・レダー監督が題名は失念したが、幸せのネズミ講みたいな映画で世界中の人に幸せを分ける方法を探す少年の物語を描いたが、それも志半ばで死んでしまって、でもその死をキッカケに仕掛けた幸せが全世界に広がり死んだ少年の家の周りに弔う為に蝋燭を手にした色んな人達が集まってきて終わる映画があったんだが、ちーーとも感動しなかった。
その時と似てるんだよなあ。
矢張り映画は夢を見させる為に作られる方が多いし、現実が散々悲劇なのに映画の中まで悲劇を見せつける事ないじゃん!と個人的には思っているから、奇跡も減ったくれもない結末にはガッカリしちゃうんですよね。
まぁ映画にも「ありのままを写すドキュメンタリー」方式のやり方もあるし、悲劇を見せる事に意義がある映画もある!
わかるよ!わかる!
でもテーマ的にみんな丸く収まる終わり、所謂「ハッピーエンド」で良いじゃない?この手の映画は!と思うのよ。

でもクソつまらない映画って訳でも無いんだよ。
特に役者の演技力にはすこぶる救われているというか配役も良いんだよね。
特に「市川実日子さん」と子役の「磯村アメリ」ちゃんは相当良い!
浅香航大くんも良い味出してるし、坂口健太郎くんも彼の為の役柄だもんね。
齋藤飛鳥ちゃんも彼女のシロート臭さと人形フェイスが役にピッタリ。
しかし個人的には落ちでガクっとなっちゃいましたね。

予告で想像してたストーリーと180度違う展開で良い意味でも悪い意味でも騙されたのは久しぶり。
でもオカルト好きから言わすと「もったいないなあ」と思っちゃう。
折角霊能力者出したんだからもっと違う手触りの物語観たかったなあ。
後、女流監督さん特有の「エロチックフェチギャグ」的なシーンも笑えないんだよね。
やたらと艶かしくてコッチが恥ずかしくなっちゃう。
まぁあれは女流監督だから出せる色。
ある意味関心したけど、苦手かなぁ、あーゆうノリ。
AVのほうが全然エロくないもの。

まぁとやかく書きましたが、綺麗で優しい映画であるのは確かで嫌いではない。
好きかと問われれば「んーん。」とはなっちゃうけど。

是非映画館で確かめて観るのもよろしいのではないかと。

では。

続く。

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