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寝かせて、忘れて。

昨日、「すごく紹介したい本がある」とテキストノートに書いたので、予告通り紹介する。

「思考の整理学」(ちくま文庫)

かなり有名な本なので、「今さら」と思う方もたくさんいらっしゃると思うが、何か(新しいモノ、コト、アイデアなど)を産み出し続けることを生業としている方や、「noteの記事を毎日書くぞ」と心に決めている方にとてもオススメなので、「まだ読んでないわ」という方は是非読んでみてほしい。

「なぜ東大生と京大生はこの本を読むのか」

という帯が付いているので、
「どうして私が東大に?」
でお馴染みの○谷学院の広告が頭にチラついて、なんとなく買うのが躊躇われるが(私はそうだった)、帯に負けずに買って良かったと思う。

タイトルから「考え方の指南書」という印象を受けるが、どちらかというと、「アイデアをどう生み出すか」「アイデアに詰まったらこうするのがオススメ」というようなことがたくさん書かれている。
自己啓発本というよりもエッセイの体で書かれているので、面白いし読みやすい。
(本当は『論文を書くためにはどうしたらいいか』がテーマの本らしい)

上から目線ではなく、「私はこうすると割と上手くいくよ」という感じでいろんな方法を紹介しているので、受け手としてはとても受け取りやすい。

本の厚みもそこまで厚くないのでガガガー!っと読めるから丁度よい。

さて、中身だが、私が印象に残ったキーワードを選りすぐりまくると、「寝かせる」「忘れる」の2つだ。

よいアイデアは、ひらめいた時に書き留めることが重要だが、それを一旦頭から外し、書き留めたことを忘れるくらい寝かせてみる。

そうするとアイデアは純化され、ひとりでに育つ。

寝させておく、忘れる時間をつくる、というのも、主観や個性を抑えて、頭の中で自由な化合がおこる状態を準備することにほかならない。

と筆者は言っている。

主観や個性が抑えられると、アイデアたちが化合して、新しい、より良いものが生まれる。

インプットだけは良くない。
アウトプットもしなさい。

とはよく言われることだが、「寝かせなさい」「忘れなさい」と言われることは今までなかった。

私は「深夜に書いたラブレター」がよい例だと思う。
興奮状態にあるときに「よいアイデアだ」「よい表現だ」と思っていたものを冷静になってから見ると、何とも痛々しく感じることは多い。

アイデアはすぐに外の世界に出さずに、何でもいいから書き留めておき、書き留めたことを忘れるくらい寝かせ、読み返すと新たな発見があるように思う。

(ラブレターの場合はその間に好きな人に彼女ができちゃったりするかもしれないからあんまりいい例えでもなかったな)

ゼロから新たなものを生み出すことはこの世にはない。
今までの経験やアイデアのストックを寝かせることで、余分なものが削ぎ落とされ、良いもの同士が化合して、新しい別のアイデアが生まれるのではないかと思う。

ちなみに、私はnoteの下書きをいくつかストックしている。

こんなこと言うと、自分の行為を正当化させてるみたいで恥ずかしいけど、noteの記事を書き続けるために、下書きを書き溜めることは、ある意味、良い手段なのではないかと思う。

また、noteの下書きは、タイトルをつけることができるので、タイトルがインデックスの役割を果たしていて、記事を探しやすい。

インデックス+冒頭部分も表示されるので、見つけやすい。

ちなみに、タイトルは下書きの段階では中身が分かる程度に何となくつけていて、記事として投稿する頃には別のタイトルをつけ直していることが多い。

下書き時点ではあくまでインデックスだ。

ドヤ顔、きも!と思われそうなので、「思考の整理学」に話を戻そう。

この本、今の時代にめちゃめちゃ実用的な良書なのだが、実は1986年に出された本(つまり私と同じ30歳)で、コンピュータがこの世を支配する以前の本なのだ。

ぶったまげる。

いつの時代にも通じる本ってすごいと思う。

もう1つ、すごく驚いたことがあって、この著者、我が市(愛知県西尾市)出身の方なのだ。

ふるさと西尾市民(我が市出身の著名な方に贈られる称号)であらせられるのだ。

私は本を読み終えた、数年前にそのことを知って椅子から転げ落ちた。

大好きな本の作者が我が市出身って、とても嬉しい。

「街で一目惚れしたイケメンが実は隣の部屋の住人だった」ってくらい嬉しい。

このごちゃごちゃした私の記事も、本当は寝かせて、そぎ落として、純化させたほうが伝わりやすいと思うけど、

「明日紹介します」

と昨日書いてしまったので、「女に二言はないのだぜ」の意味を込めて、ごちゃごちゃのまま投稿するのだぜ。

追伸
思考を整理する過程は、パン作りに似てる、と思ったのでタイトル画はパンにした。

追伸の追伸
外山滋比古先生のことを「西尾市の名誉市民」とお伝えしましたが、正しくは「ふるさと西尾市民」です。お詫びして訂正いたします。
外山滋比古先生は西尾市出身ですが、現在は西尾市民ではありません。

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