よく耳にするけど注釈をつけたいマーケティング関連のアルファベット略語
マーケティング関連の資料やプレゼンでアルファベット2~3文字の略語をよく見かけると思います。注釈付きのことが少ないのでそれが示す意味を分からないままにしている人もいるのではないでしょうか。
そこで、よく見かけるけどどんな意味なのか知らない人が多そうな略語の中から特に混乱を招きそうなものを10個リストアップしてみました。
注釈を付けたい略語
アルファベット順に列挙していきます。
CAC
Customer Acquisition Costの略語です。新規顧客の獲得単価を意味します。CPA(コンバージョン単価)との違いは、以下の通りです。
CAC:プロジェクト全体やマーケティングチャネル全体での「顧客獲得に費やしたコスト÷新規顧客の獲得数」として使用される
CPA:主にデジタル広告施策での「広告費用÷広告経由の獲得数」として使用される
CS
Customer SuccessもしくはCustomer Satisfactionの略語です。Customer Successは、顧客の製品活用のフォローアップなど顧客の成功体験を実現に導く取り組みを意味します。一方で、Customer Satisfactionは、顧客満足や顧客満足を測る指標としての顧客満足度を意味します。使われる文脈で意味は異なるので注釈は必須だと思います。
FV
First Viewの略語です。「Webサイトを見たときにスクロールせずに最初に表示される領域」を意味します。デジタルマーケティングに限定して使われる言葉のため、脈絡なく使わない方がよいでしょう。EV(電気自動車)に文字の形が非常に似ているので資料のフォント次第では見分けがつきにくいことも十分考えられるので、略さずにファーストビューとカタカナで表記した方が無難です。
IP
Intellectual Propertyの略語です。知的財産を意味します。知的財産をビジネスに有効活用する文脈でよく見かけますが、IPアドレスのIP(Internet Protocol)ではないことが分かるようにできれば注釈をつけたい略語です。
IR
Investor Relationsの略語です。株主や投資家向けに経営・財務状況、業績、今後の見通しなどを提供するための活動を意味します。カジノは関係ありません。
KBF
Key Buying Factorの略語です。購買決定要因という意味です。出現頻度は多くないため、注釈はつけておいた方がよいでしょう。
MVP
Minimum Viable Productの略語です。顧客に価値を提供する最小限のプロダクトという意味です。最優秀選手のことを指しているわけではないのですが、意味を知っていてもMVPと聞いたときの第一想起は最優秀選手となる人が大半なので一言添えておくと親切です。
PM
Project Managerの略語です。プロジェクト管理者を意味します。Product Manager(PdM)と混同して使っている人をたびたび見かけますし、資料上でdが脱字してしまってPMと表記しているのかも、と疑念も生じます。資料で初出の際はProject ManagerなのかProduct Managerなのか注釈をつけておくべきです。
RTB
Reason to Believeの略語です。商品・サービスによって得られる価値を信じる根拠、つまり「信じるに足る理由」を意味します。マーケティングの現場では、製品やサービスに使用される訴求メッセージの信頼性を消費者に伝えるためにRTBは補完的に提供されます。(例:「健康な毎日に!1日に必要なビタミンがこれ1つで摂れる!」の「1日に~」の部分)
RTBで注意したいのは、デジタル広告領域での「インプレッションに対するリアルタイム入札」を意味するReal Time Biddingの略語として使われることもある点です。アドテク関連の文脈では注釈は必須です。
USP
Unique Selling Propositionの略語です。「自社商品やサービスが持つ独自の強み」を意味します。マーケティングの基礎用語でもありますが、知らない人も多く、最近ではUSPの進化系としてUVP(Unique Value Proposition)が使われることもあるため説明は必要でしょう。
VoC
Voice of Customerの略語です。顧客の声を意味します。商品開発やプロモーション戦略を進める上で重要な一次情報です。VoCの意味を知ってる人は多くなってきていますが、「お客様の声」の方が伝わりやすいのでわざわざ略語で使う必要はないと思います。
さいごに
そもそも専門用語であっても使う側になったときには情報の受け手の知識レベルに合わせて注釈をつけるなどストレスがかからないようにすることがとても大事だと思います。
頭の中で瞬間的に翻訳できないような略語は情報の受け手の思考を一時的に止めてしまい、全体の内容理解の妨げにもなります。
たまたま見つけたのですが、間接材EC大手のMonotaRo(モノタロウ)さんが運営している公式noteの記事やIR資料を見るとどんな専門用語にも注釈がしっかり記載されていました。
ユーザーファーストをどんなときにも体現する姿勢は見習いたいですし、多くの会社に浸透して欲しいなと思います。
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