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良いインターネット広告代理店の選び方 - 評価軸と評価のポイント -

大手から中小、さらには少数精鋭までインターネット広告代理店は世の中にたくさんありますが、良い広告代理店はどのような点を評価軸としてどのようなポイントに気を付けながら選ぶべきでしょうか。

評価軸

まず何を評価軸とするかですが、基本的には以下の7つを評価軸として個別に1~5段階でスコアをつけて判定します。

  • コスト・手数料

  • 顧客のビジネス理解

  • メディアプランの合理性・専門性・将来性

  • 他社広告運用実績

  • 意思疎通の取りやすさ

  • 体制・リソース

  • 定例・レポーティング

ただし、総合してスコアが最も多い代理店を選ぶのではなく、各評価軸ごとのバランスを見て最終判定を行うのが一般的です。

各評価軸での評価ポイントと注意点

各評価軸での評価ポイントと注意点について整理します。

コスト・手数料

安いに越したことはありませんが、「広告主側として広告運用で常に認識しておくべき7つのこと」の記事でも述べた通り、運用委託コストや手数料は代理店の売上になるので安すぎるのも注意が必要です。

提示されたコスト・手数料でのサービス内容や他社実績も加味して割安なのか割高なのかの判断が大事です。

ちなみに、エース級の担当者を付けてくれる場合は代理店手数料の数%の差は獲得単価の改善で早々に埋まります。短期目線だけでなく中長期目線での評価も推奨します。

顧客のビジネス理解

提案依頼書や事前のヒアリングから、

  • 運用目的

  • 顧客層

  • 市場環境(業界動向、競合他社など)

  • 制約条件

などの顧客のビジネス理解を深めた上で提案があります。大外ししてくることはまずありません。見るべきポイントは顧客のビジネスを解像度高く整理できているかです。

例えば、顧客層を顧客の検討フェーズごとに分けて整理できているか、業界のニュースを捉えて傾向を把握できているか、競合他社のマーケティング分析をできているか、などを評価していきます。

代理店にも提案に割けるリソースが限られているので、すべて網羅している必要はなく、含まれていれば加点する形で評価してください。

メディアプランの合理性・専門性・将来性

広告主側に広告運用に詳しい人がいなければ判断はむずかしいかと思いますが、非常に大事な評価軸です。

代理店からの提案が理にかなったものなのか、計画性のあるものなのかを評価していきます。特に、1年後や3年後など長いスパンでどんなWeb広告マーケティングを目指していくのか明確になっているかは見るべきポイントになります。提案に含まれていなければ質問してみるのをおすすめします。

他社広告運用実績

他社での広告運用実績は、課題解決力や再現性を客観的に評価する上で見ておくべきポイントです。

クライアント名も併記されている実績であることが望ましいのですが、クライアント名が非公開のことも多いです。非公開の場合は質問として

  • この案件の課題は何だったのか

  • どのように課題特定したのか

  • この課題解決策をなぜ選択したのか

を確認してみると良いと思います。クライアントの課題解決への入り込み方が分かりますし、改善のプロセスが属人化されているのか仕組み化されているのかを知ることができ、課題解決力と再現性の確認に役立ちます。

意思疎通の取りやすさ

意思疎通の取りやすさの評価はハード面とソフト面から行います。

ハード面では、チャットツールのようなコミュニケーションツールを種類によらず使い慣れているか、広告主側が指定のコミュニケーションツールを使用できるかを評価します。課題管理ツールとしてBacklogやJiraを使えるかも確認しておきます。SlackやChatworkやTeamsのどれでも対応可能な代理店が多いので、よほど特殊なことがないかぎりは広告主に合わせてくれる代理店が多いです。

ソフト面では、担当者との相性的な部分にもなりますが、代理店担当者がグイグイと前のめりに踏み込んでくるタイプを苦手に思う広告主もいれば、逆にそれぐらいがちょうどよいと感じる広告主もいるのでやや主観も交えながら評価します。長い付き合いをする上では大事な要素です。

体制・リソース

代理店の運用体制とリソースに現実味があるか、バックアップ体制があるか、自社の希望に沿っているかを評価します。

現実味があるかは、過剰に手厚く体制を敷いてないか、担当者の入れ替わりを考慮するといずれ体制が破綻しないなどを見ていきます。

基本的には営業担当と運用担当とクリエイティブ制作担当が分かれているケースが多いのですが、日々のコミュニケーションの円滑化の観点から営業担当と運用担当は同じ人が良いなど希望がある場合は提案前に伝えておくようにしましょう。

定例・レポーティング

定例とレポーティングの頻度と内容を評価していきます。

定例は報告を聞くだけの場になりがちなので、ディスカッションをメインにしたいなど要望があれば定例の開催形式を相談可能か確認します。前月実績のレビューも対応可能か、定例はどれぐらいの頻度で実施されるかも確認ししておくべき事項です。

また、レポーティングについては、

  • 報告される内容は求めている情報が含まれるか

  • Looker StudioのようなBIツールを代理店側で作成してくれるのか

  • 広告媒体の機能アップデート情報は別途共有してもらえるのか

などを確認します。

最後に

評価軸について解説していきましたが、実のところ提案姿勢も評価すべきポイントです。

広告運用を含めたマーケティング全体の目的やビジネス課題を把握した上で、そこからブレイクダウンして改めて広告運用目的と課題を解決していこういう姿勢が表れている会社には期待して良いと思います。

良い代理店に出会えることを願ってます。

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