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決断は、意志か、流れか、運命か? 〜光流るる阿武隈川を読んで〜

人生には、何度も決断の時がある。

子供の頃の決断は、親に守られた中での決断。
家族や周りの人の応援や環境が応援してくれたら、挑みやすい。
しかし、親に反対されたりすれば、簡単にあきらめたり、途中で嫌になってしまうことだってある。

ただ、仮に決断が間違っていたかな?と思っても、やり直す時間は沢山ある。

それより、子供の頃、親任せで自分で決断するという経験をしないと、自分で決断できなくなるかも知れないし、周りに流されて出した結論では後悔することもある。

だから、子供は自分なりに考えて決断しないといけないし、親も子供の決断を、できる限り受け入れるべきだと思う。

大人になるにつれて、自分一人で決断しなければならないことが増えてくる。
しかし、決断したことが失敗だったと思うと、なかなかのトラウマになる。
決断が怖くなる。
自分の決断を信じられなくなる。
そしてますます行動できなくなっていく。
また、その決断が人に与える影響も、余計に考えてしまう。
自分のの人生なのに。


物語の主人公、里美は人生で大きな決断を三度している。
その一回目は、小学校4年生の時。
その時は、決断と言えるほど、強い思いではなかったのかもしれない。
運命だったもかもしれない。
しかし、彼女はその時やると決めたことに、その後素晴らしい集中力と根性で立ち向かった。
才能もあった。周りのサポートもあった。環境にも恵まれた。
彼女は、彼女をその場所へと押し進める流れに乗ったと言えるのかもしれない。

しかし、彼女は流れに乗りはしたが、けして流されない。
自分の意志で、自分で未来を作っていく。
そんな姿勢に、彼女の強さを感じた。

二度目の、目指した道を去る時の決断も潔い。
私は、ウジウジしてばかりの自分が、ばからしく思えた。

その後夢のために出した三度目の決断。
勇気ある決断だった。
このお話が、フィクションと言えども、モデルになった方がいると聞くと、
その勇気と行動力に、更にあこがれを抱く。
夢をかなえる人とあきらめる人の違いがここにあるのだと感じた。

また彼女には、彼女の夢への決断を支えてくれる、温かな家族がいた。
彼女の祖母、父親、コーチ、夫など、読んでいる私でさえ、心が温かくなるような、素晴らしい人々だ。
それもまた、彼女が自分で選び、決断し、それに全身全霊立ち向かってきたからこそ、得られたものなのかもしれません。

これが運命だった。
などというのは、自分の意志で決断しなかった人の言葉のような気がする。
自分の道は、運命でも流れでもなく、自分で選んで進んで行くべきだ。

私は自分が、どうせ無理・・・とあきらめてきた
たくさんの夢を思い出した。
私が、その夢を実現しようとしていたら・・・
おそらく里美の夫のような対応はしてもらえなかっただろうけれど、
方法を考えようともしないで、すべてを環境や人のせいにしてあきらめてきた気がする。

夢を追えなかったのは、
誰かのせいでも、環境のせいでもなく、
自分の弱さだったのだと思う。

最後まで守ろうとした夢も、
結局失う前に、そもそも守れていなかったことに気づく。

里美が言った言葉
「私には大きすぎる夢かもしれないけれど、
夢は見るものじゃない、叶えるもの。
そのために行動する。」

この最後の一言「行動する」が、私には足りなかった。

だけど、人生はまだ続く。
いつ何があるかわからないけど。
だからこそ、今からでも行動してもいいんじゃないか・・・

温かいハッピーエンドに勇気をもらった、
素敵なお話でした。


今回この作品を読んで、久しぶりに心の中にイメージが浮かびました。
しかし、絵にするのに少し時間がかかってしまいました。
サムネ画像は、その「読者感想画」です。

真っ直ぐな熱い心と、強い思いと、根底に流れる思いやりの心。
そんな里美さんが、光と共に前に進むのを、隠津島神社の宗像三女神や、タロウが見守り、家族や恩師などが、支え、応援している。
そして、GODDESS  CLOTHESの輝きとなって、里美に寄り添い、共に歩んでいく隆夫さん。
そんなイメージで描きました。

もっとキラキラした感じにしたかったけれど、私の画力では、これが限界でした😅

あくまでも私の心の中に浮かんだ絵なので、
???と思う方もいるかと思いますが、
その辺は、お許しくださいませ。


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