売り場で旬の野菜枠に入る季節感たっぷりの芽キャベツと年中いつでも出待ちしてる冷凍庫のさやいんげん

画像1 野菜売り場の一等地は、なんと言って旬の野菜枠だ。なぜか野菜売り場にやってくる節分の柊や豆がいなくなると、待ってましたと言わんばかりに白菜や小松菜がドヤ顔する。しかし、そのとなりで愛想を振りまきながら、それもいまの間だけだよとささやく春野菜の声は、諸行無常の響きがある。とりわけ芽キャベツの可愛らしさ、あざとさは別格で、つい買い物かごへ入れてしまうが、会計するとお値段にびっくり。ともあれ、買ったからには美味しく食べる。ソーセージと炒めてパプリカをふれば春っぽい品の出来上り。また買ってもいいかなと思うくらいに。
画像2 冷凍庫の奥には、出待ちの野菜や魚介類がひっそりとたたずんでいる。きょうはさやいんげんとシーフードミックスを引っ張り出す。君の出番だ、同志いんげん、そしてシーフード。独り言ちながら、シーフードの流水解凍を始める。次にいんげんのクリップを外したとき、ふと「だんなさん、お急ぎですかい?」霜が付き始めた豆たちの声を聞いたような気になる。そうだな、急いでるかもしれない。日付が変わる頃、終夜営業をやめたスーパーの横を通りながら、夕食を作ろうかどうか迷った俺の心を決めたのは、冷凍庫で待ってる霜ががったいんげんなんだ。

¡Muchas gracias por todo! みんな! ほんとにありがとう!