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肌を見せるということ

「いい歳なのに肌出すのはちょっと」
「そんな格好してるから性被害にあったんだよ」
「太いのによく見せれるよね」

日本で肌を露出するとき、付き纏ってくるあらゆる言葉、思想、人の目。
最後に短いスカートやパンツを履いたのは10〜20代前半、という方も多いかもしれません。いつ、何がきっかけで履かなくなったのかーブスのくせにスカート短いと陰口を言われ、ファッション誌に大人の女性は膝が見えるスカート丈はNG!と言われ、恋人にあんまり外では脚出さないでと言われ、取引先の男性にいい脚してるねと言われー、わたしたちは脚を隠すようになったのかもしれません。
人の数だけ理由があると思います。わたし自身は特に理由を覚えておらず、ファッションの傾向というのもありましたが、おそらく多くの女性の露出が減る原因のひとつ、「年齢的に」肌を出さなくなりました。(「冷える」という別の面の理由もありますが。「日焼け防止」という方も多いかもしれません。)

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セカンドハンドショップで買ったドレスの丈が短く、「下に何を履くべきか」という話をすると当時付き合っていた恋人に「履く必要ない」「綺麗な脚だから見せるべき」と言われました。日本人だと「あまり見せて欲しくない」という人もいるので、この反応にはびっくりしました。
肌を見せることを「慎みがない」と感じるのは、肌を覆い隠す着物を着ていたため、目にする機会が少ないからだったのかもしれません。普段着としてその着物を着なくなって久しい今日この頃。神社仏閣詣でやフォーマルな時などは別として、「慎みがない」という理由で肌を見せてはいけない、と考えるのは少し時代錯誤のようにも感じます。肌の見せ方も様々ですし、ヘルシーな露出というのは見ていて気持ちが良いものです。

また、露出は性犯罪の面からもよく話題にもなりますが、女性側の意見として、「露出してあったから触った」というのは「陳列されていたから盗んだ」くらいの不条理な言い分に聞こえます。普通の大人なら万引きはしませんし、「万引きをする大人」と聞いたら精神的に問題があると考えると思います。
西洋人は肌の露出に対する「性的なので慎まねば」という考えがなく(さすがに露出する部分に限度はありますが)、「肌の露出=エロ=消費されるもの」という概念があまりないように思います。そのためか、お年を召した女性が夏場にハーフパンツを履いていたり、タンクトップを着ている姿は当たり前に見かけます。
「おばちゃんなんだから隠しなよ」とは誰も言いませんし、思っていないと思います。暑いから、夏だから、かわいいから、着ているだけで、誰もそれを疑問に思っていないのです。もちろんご高齢の男性もハーフパンツの人をよく見ます。


衣類には体を守る機能もありますが、自分の持って生まれた容姿をより美しく見せたり、自身のスタイルー個性、趣味、思考ーを見せるものでもあります。
誰もが気楽に、気持ちよく、選択肢のひとつとしてスカートやショートパンツ、ノースリーブを着られますように。

本や映画、美術館などの文化教育、またはサスティナブルな物作りをしているところで使わせていただきます。