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小さな蜘蛛が教えてくれたこと

⑥ 掃除の重要性
~アマテラスときどき瀬織津姫~

【 直径3cmの出来事 】

こんばんわ。良いお天気の文化の日、お休みを満喫できましたでしょうか?

コロナ騒ぎが一番ひどかった頃のお話。
親類や友だちに合うこともままならず、孤独で寂しい日々を過ごしていた初夏のできごとです。

私が住んでいるマンションの駐車場は地下向きの立体駐車場で、私が借りているスペースは地下だったので、車の出し入れの度に、ボタンを長押しして上げ下げをするタイプです。

ある夏の天気の良い日、地下の車を出すためにボタンを押そうとしたところ、本当に小さい(足も入れて5mmくらい)の小さな小さな蜘蛛が作ったと思われる、直径10㎝ほどの、それはとても美しい形状の蜘蛛の巣を発見しました。

もともと虫が苦手で、蜘蛛の巣とかもあると嫌なタイプだったのですが、その小ささゆえか、巣の形がとても美しかったからか、ジーっと眺めておりました。
苦手な上に、蜘蛛の巣も嫌いだったので、これまでマジマジと観察することもなく、やり過ごしていたのですが、こんなに小さな小さな赤ちゃんのような蜘蛛が、都会のど真ん中でたった一匹、仲間もいない場所で、一生懸命に作った芸術的な巣を一人(一匹)黙々と作り上げたんだなぁ…と感心しながら見ていました。

私も孤独だけど、君はもっと孤独だったんだよね。

と、同情心を投げかけたにも関わらず、ちょっとだけ触ってみたい、触ったらどうなるんだろうという好奇心から、巣を引っかけてあるものすごく細い一本の糸を、軽く触ったんです。

すると、もう一瞬で、あの小さな蜘蛛がどれだけの時間と労力をかけて作り上げたかわからない美しい蜘蛛の巣が、本当に一瞬で「シュッ!」と壊れてしまったのです。

「ごめんっ!!!、本当にゴメン!!!」と誤っても、綿あめが解けてなくなるように、巣の形はなくなってしまいました。

その日から、毎日その小さな蜘蛛がどうしているのか気になり、車を出し入れするたびに、覗き込むと、小さな隙間にササっと身を隠すのです。

「大丈夫、怖くないよ。何にもしないよ。君が暑い中一生懸命作った巣を壊してしまって、本当にごめんね。」と声をかけながら、

また別の日にも姿を見かける度に、「おはよう」「こんにちは」「元気?」「お腹空いてない?」と声をかけるような関係になりました。

その後、豪雨もあり、カンカン照りの超暑い日もあり、しばらく車に乗らない日も続きました。

そして、ある日のこと、一回目の見るも美しい形の巣からは程遠い、形のいびつな3cm ほどの巣ができているのを見つけました。

「すごいね!あんた。ホントに偉い!」

もし私が子供のような好奇心で触ったりしなかったら、もっと早く食べ物にありつけてたんだろうに、私のせいで、ずっとお腹を空かせながら、あの猛烈な暑さに耐え、豪雨もしのぎながら、生きて、ちゃんと新しい巣を作った蜘蛛さんに、本当に賞賛の気持ちを持ちました。

そして次の日、そのいびつな形の2個めの巣にしっかりと一匹の小さな蛾(獲物)が引っかかっていたんです。

「良かった!ちゃんとご飯食べれて、本当に良かった。」


その後、あの小さな蜘蛛を見かけることはなくなりました。
そして、いつの間にか、あの蜘蛛の巣もなくなっていました。

なんだろう...。
よくわからないけど、ひと夏、私の孤独感を埋めてくれた蜘蛛さんの話でした。

よく、人間って何のために生きてるんだろう。って本やブログとかで見ますよね。
最近私は、「命ある限り、自分以外の他の為に生かされている」のではないかと思うんですよね。

今日、良いお天気だったので、洗車をしてた時に思ったことなんですが...。
エンジンボタンを押してギアをドライブにセットするだけで、車を走らせている間、不安なく目的地まで安全に連れて行ってくれるって、相当な「信頼性」があるからですよね。

車じゃない人は、電車だったりバスだったり新幹線も飛行機も、「安全」という「信頼」があるから安心して移動できてるわけですよね。

それって、その「安全」な乗り物を発案して、設計して、部品作って、組み立てて、製品化して、売ってくれて、メンテナンスしてくれる「人」がいて自分の「安全」が保たれてるんですよね。

どこが欠けても「安全」は保障されない。
お金と技術あげるから、全部ひとりでやってみな。一生の安心を自分で保障しながら一生続けてひとりでやり続けてみな。って言われたってできませんよね。
家だって、商業施設だって、道路だって、水道だって、電気だって、ガスだって、食べ物だって全部です。

そして、地球上のありとあらゆるものを生かしてくれている太陽と月と水と空気と風と火と地とエネルギーを与えてくれているのが神様(神なるもの)であり自然です。

人は、電車や車は信用できて、なんでこの世を創られた神様(神なるもの)を信頼できないんだろう…。
ねっ!

「 ❝あなたが望むなら❞ 望みは叶えられる世界」を与えてくれてるのに。
ねっ!

家や自動車という目に見える物体の裏側には、我々が当たり前のように信頼している見えない「働き」があります。
私たちの身体も、臓器の働きや呼吸や新陳代謝を司ってくれる自律神経を動かしてくれるのは、見えない力の働きです。
不摂生をしても、怪我をしても、外敵からもちゃんとまた元に戻して守ってくれる凄い力です。

もしかしたら生まれて死ぬまで1年も生きなかったかもしれない、小さな小さな、蜘蛛が、災難があって、これまでの努力が一瞬で消えてなくなっても挫けずに、与えられた命を一生懸命生きた姿を、こんなおばさんに見せてくれたことも、何かのご縁だったのかもしれません。

蜘蛛に食べられる運命だった小さな蛾は蛾で、きっと自分の命を全うしたんでしょう。
そういう自然界の連鎖の中で生かされているのだ、ということを、都会の生活では忘れてしまいがちですが、誰一人、本当に誰一人も「不要な人などいないの」です。
私を苦しめるあの人も、違うタイムラインではとても重要な人だったりするわけですワ。

話題には関係ないけど、今日は黒糖レーズンの米粉蒸しパンを作ったよ。
売ってるのは添加物まみれまみれだからね~

蜘蛛さんと私のひと夏の直系3cmの中で起きたこと。
私は、たぶん一生忘れられない。
あんな小さな生き物だって、ただ懸命に生きる姿を見せてるだけで、誰かの役に立つんだって教えてもらったから。
私も、これからの人生は、そんな生き方をしたいなぁと思った。

というだけの、他愛もないお話でした。

今日も最後まで読んでいだだき、ありがとうございました。

ほな、また明日ね。  ~祗是未在(ただこれみざい)~



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