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牛乳を飲んでカルシウムを摂っても骨は強くならない

【北欧人の骨折率の高さは高身長が原因】

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 有害論でよく採り上げられるのは、牛乳を多く飲んでいる北欧諸国で日本に比べて骨折が多いというものだ。なかには「世界で1番牛乳を飲んでいる国であるノルウェーの骨粗鬆症発症率は日本の5倍である。このことから牛乳を飲んでも骨粗鬆症は予防できないことがわかるだろう」という具体的な国名を挙げたものもある。これは事実なのだろうか。

 まず、骨粗鬆症の発症率を確認する前に、ひとつ間違えていることがある。それはノルウェーが世界で1番牛乳を飲んでいる国ではない、ということだ。断定口調で言い切られると信用してしまいがちだが、国際酪農連盟の統計を見れば、一目瞭然だ。牛乳摂取量の多い国は、年によってばらつきはあるものの、エストニア、アイルランド、フィンランド、アイスランドといった国が常に上位を占めている。ノルウェーは消費量自体は少なくないが、ベスト5にも入らないレベルである。

 では、骨粗鬆症の発症率が5倍というのはどうだろうか。はっきり言って、この数値もあやふやである。5倍の根拠になるデータも示されていないし、そもそもそうした事実は存在しない。あるのは、北欧諸国における大腿骨頚部骨折の発症率が高いという報告だけである。

 牛乳や乳製品をよく食べる国で骨折が多いからといって、それがただちに牛乳が骨の健康に悪影響を与えることの証拠にはならない。なぜならば、それは牛乳と骨折に相関が見られるというだけであって、骨折にはなにか別の問題が関係している可能性があるからだ。骨折と関連しそうな日本人との大きなちがいはすぐに身長が思いつくだろう。北欧諸国に住んでいる人たちの平均身長は日本人に比べてずいぶんと高いことが知られている。身長が高い高齢者が転倒した場合は、骨折しやすいことが予測できるだろう。(道良寧子) ASIOS〈謎解き超科学〉より

✔️【真相〈牛乳否定派は矛盾をついているだけ〉】

 牛乳否定派は「北欧人は牛乳を多く飲んでいるからよく骨折するのだ。だから牛乳は良くないのだ」なんてことを言っているわけではありません。

 牛乳業界が「牛乳に含まれるカルシウムが丈夫な骨を作ります。だから牛乳を飲みましょう」とやかましく言い続けているので、「それじゃあ、なんで日本人の何倍も牛乳を飲んでいて、日本人より遥かに骨が丈夫なはずの北欧人に骨折が多いんだ?」と矛盾をついているんです。

【「北欧人は背が高いから骨折しやすい」では説明になっていない】

 本当に牛乳に骨を強くする効果があるのなら、北欧人の骨折率は日本人より低くなるはずであり、「日本人より身長が高いから日本人より骨折率が高いのだ」では説明になっていません。

【ハーバード大学の調査】

 ところで、1980年から12年間にわたって、米ハーバード大学がおこなった大規模な調査があります。

 それはアメリカ11州に住む30歳から55歳の女性看護師7万人以上を対象に、牛乳の摂取と骨折の関係を追跡したものです。

 A群が「毎日牛乳をコップ2杯以上飲む群」で、B群が「週に牛乳をコップ1杯しか飲まない群」。

 結果は「牛乳に骨折を予防する効果はなく、むしろ乳製品からカルシウムを摂っている人ほど骨折しやすい」というものでした。 

 この調査は日本人と北欧人を比較したものではなく、同じアメリカ人女性を2群に分けての比較試験です。

 それでも牛乳を飲むことによって骨が弱くなりこそすれ、骨が強くなるという結果は出なかったのです。

 もはや議論の余地はないと言わざるをえないでしょう。

【まとめ】

 ●牛乳を飲んでも骨が強くならないどころか、むしろ骨が弱くなることがハーバード大学の調査で明らかになっている。


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