二十一世紀

2000年1月1日

うす暗い街
オレンジ色の帯で分けられている
街と空
ああ、今この時がよると朝の中間点なのか

より輝きを増す帯
それを受け輝き出す雲
そして―
この一瞬で夜は消えた
光と共に押し迫ってくる朝の世界
一瞬感じる境界面
そう、夜と朝に中間点などないのだ

太陽は昇る
自分を見つめる人の目に紫を植え付けながら
太陽は昇る
自分の世界を広げるために
雲にぶつかり真紅に染まる
怒り、悲しみ、苦労をあらわにして
しかしその時代を乗り切った太陽は
雲一つない青空へと昇っていく

ああ、これぞ人生
ああ、これぞ新世紀

※最後の二行は後から削除されている



この詩について

まだ子供と大人の境目だった当時。
中身は大人だったけれど、社会的には子供だった時代。

二十一世紀の初日の出を見た時に感じたことを
その直後に一気に書き連ねたメモが出てきました。

子どものころからの新聞の切り抜きや感じたことのメモが入った箱があるのですが、たまに開いて覗いてやると、こうして懐かしい記憶との再会を楽しめます。

夜明けの光をじっくりと見つめるのは、確かこの時が初めてだったと記憶しています。
世紀末の「ノストラダムス」や「2000年問題」と共に始まった二十一世紀のスタート。
自分の人生で唯一見ることができる「世紀」を跨ぐ瞬間。

これから自分はどう生きて行くのか。
これから自分はどうなっていくのか。

そんなことを強く考えながら、眺めていたことをよく覚えています。

辛さ、疲れ、不自由さ。
そういったものに縛られ続けている日々ですが、
年明けの瞬間は、この時の気持ちがふとよみがえります。
「今年はこうしてやろう」
そんなエネルギーが心に湧いてくる瞬間があります。

自分の根本と向き合わないといけないとき、こうしてキチンと過去の自分が応えてくれる。
うん、昔の俺よ、やるじゃないか。

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