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Global Summit of Womenから学んだダイバーシティ推進のヒント

国際的な経済問題や社会問題等について女性達が話し合う場、Global Summit of Women。SNSでは、今年の開催場所であるドバイの様子を紹介する投稿を見ることができます。そこで思い出すのは、2017年に日本で開催されたときのことです。

参考:https://globewomen.org/globalsummit/

NPOのメンバーからの勧めで参加し、その後のダイバーシティ&インクルージョン活動に大きな影響を受けました。健康経営やSTEM教育など、日本でもその後に活動が活発となるトピックについて、海外の事例を聴くことができたからです。

この数年間で、日本ではどのような変化があったのでしょうか。国際的な調査であるジェンダー・ギャップ指数では、政治と経済の面で日本は低いポイントとなっています。
参考:内閣府:ジェンダーギャップ指数

例えば、今年の開催国、アラブ首長国連邦では女性議員比率 50% を進めていますが、日本の国会議員の女性比率は10%程度の状況が続いています。

また、経済においては、女性活躍推進法が施行され、企業の取組は進んでいますが、女性管理職比率はそれほど伸びていません。
けれども、有価証券報告書でも男女の賃金格差開示も義務化されて、今後は「なぜその状況が起きているのか」「どのように改善しているのか」等の分析や施策の有無も注目されるでしょう。

従来の長時間労働が常で主に男性にその負担がかかる傾向にも、懸念が示されるように変化してきています。男性育休取得推進や、副業や兼業の解禁が進み、若手は働く環境によって職場を選ぶ傾向があるからです。

ダイバーシティ&インクルージョン推進においては、日々の施策を推進するとともに、中長期的な目標や分析にも目を向けておきたいものです。

参考:Polimill調査記事「女性の国会議員数ランキングで世界133位の日本
   労働政策研究・研修機構:「課長相当以上の女性管理職がいる企業割合は約53%で、管理職に占める女性割合は約12%
「ジェンダー平等」全国1位は、2年連続でまさかの鳥取県庁 秘密は元知事が30年前に始めた“種まき”にあった

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(2017年のブログ記事より)

女性活躍推進は氷山の一角、2017年のダイバーシティ

2016年の女性活躍推進法施行から一年。男性中心だった社会の中でマイノリティである「女性」の活用は「ダイバーシティ=多様性」につながると、女性育成セミナーの実施やダイバーシティ施策を進める企業が増えています。NPO法人GEWELの正会員としての活動も含めて、今年一年の傾向を振り返ります。

女性が役員になれないのは、続かないから【Global Summit of Womenより】

5月に東京で開催されたGlobal Summit of Women(世界女性サミット)。各国の女性リーダーたちから「女性活用が一気に進む魔法、特効薬はない。決めたことをコツコツやってきただけ」等の発言もあり、共感できる部分もありました。一方で、日本の現状の紹介では「長年働き続けたご褒美が役員になるということだった」という説明もあり、女性にチャンスが少なかった現実とも向き合いました。私たち一人一人ができることとして「セルフブランディング」が提案され、具体的なヒントも得ることができました。

無意識バイアスと古い成功モデルとの戦い

働き方改革×健康経営を実現するプログラムのセミナーで紹介された、チェンジウェーブの佐々木裕子さん、ユニリーバの島田由香さんのお話から、多様な人材の活用が進まない背景として性差に対する無意識のバイアスと、古い成功モデルにしがみつく傾向が上げられていました。

「失敗したくない」という思いから、「多様性を取り入れる」ことには挑戦せずに同じことを繰り返しているのではないかというのです。それらを突破して、ダイバーシティ推進を進めるためのヒントもお聞きしています。


ブランク人材がダイバーシティ環境のキーパーソン

再就職セミナーの講師や個人の方向けキャリアカウンセリングでは、育児や介護等で離職歴がある方のご相談にものっています。

再就職を経た方々への企業からのフィードバックで印象的なのは「従業員たちのモチベーションも上げている」という言葉です。人生をかけて久しぶりの仕事復帰に向かってくる前向きさや、仕事を心から楽しむ姿勢が、「仕事はいつもの繰り返し」と考えていた従業員たちに気づきを与えているというのです。また、事業への新たなアイデアや仕事のやり方を導入するきっかけともなり、組織全体にも影響をあたえていることがあるのです。「働き続けている人たち」の中に入る、「マイノリティ」である存在の、ブランクを経て仕事復帰する人材。ダイバーシティな組織を作るキーパーソンとなりえる存在なのです。



困難に直面した時が、ダイバーシティと向き合うチャンス【GEWELオープンフォーラムより】

ダイバーシティ&インクルージョンを推進するNPO法人GEWELが一年に1回開催するGEWELオープンフォーラムでは、4名のパネリストから「自分の価値は無限大」というテーマでお話していただきました。プロのスポーツ選手を引退、突然の視力の低下等、それまでと大きく違う環境に置かれることになった時に、不都合を感じたり悩んだりしながら自ら新しい道を創りだしていらした数々のエピソード。「自分に制限をかけない」という言葉が印象的でした。

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