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一陽来復の娘 22

こちらの続きとなります↑


※こちらのお話は少し長めのお話しになっています。ご注意下さい。(3385文字)



私は、彼女の方を向いて、

「…私は、大丈夫だから…もう、そんなに謝らなくていいよ。
…いろいろあったけど、楽しかったんでしょう?」

と、言いました。


確かに、彼女の謝罪が伝えるように、

「私」の人生には、困った事や、
苦しく感じられる事がありました。

大げさな事は口にすべきでないと
躾けられて育ちましたが、

とてもたくさんの出来事が、人生の流れの中で、
当たり前のような顔をして、私の元を訪れました。


それらに対して、自分はどうすべきなのか。
どうしたいのか。

いとおしい人々の為にも…

唯、己一人の「心」を…

心の内にある「真実」のみを頼みとし、
歩んだ事もあったでしょうか。



そんな私の人生でしたが、「彼女の決断」のおかげ
で、体験出来た事もありました。


「役目」をすることで、

さまざまな方達との、不思議なご縁を得、


全くの赤の他人の私などに、どなたにも言えずにいた心の内の深い所をあかしてくれて、

ご自身を取り戻され、立ち直って行く方を、
見送ることもありました。


ぎりぎりの所で一人で苦しまない事を選んでくれて、そんな方たちと、冗談を言って一緒に笑いあったり、

お互いに頑張ろうね、と励ましあって、
共に、泣き、笑う…

そんな時間を持てたのは、

今、私の横で、申し訳なさそうに佇む、
彼女のおかげなのです。


(きっと、そういう事もしてみたかったんだね…)

私は、彼女が、とてもかわいらしい人に思えました。


…そして、「彼女」の「願い」のおかげで、

「先」に「あること」も、知ることが出来ました。


「それ」は、彼女の望む体験にとっては、
必要な事であったのだと思いますが、

本当に、思わぬ事であったでしょう。



「それよりもさ…」


「?」

「「先」に進もうよ、一緒に。」


私が彼女の手を、そっと取ると、

彼女はびっくりしていました。


「…先?」


戸惑う彼女に、私がにこっと笑うと、

「周り」が、

ぱぁっと明るく、

あたたかく、光り、

今まであった「姿」の内側から、

優しく、あたたかな光を放ちはじめ…

やがて…

光輝く、「本当の姿」を現しました。



「あっ…!」


受け止めきれない程の「光」に包まれて、

彼女は、思わず目をつぶりました。


昔の彼女が「見ていたもの」は、
自分の内側にあった「もの」が原因で、

「それ」に気づいてさえしまえば、

そのように「見える」「感じる」
「仕組み」にさえ気づいてしまえば、



本来は「そのようなもの」はなく、

そのように「見える」「感じる」だけで…

心の底から求めていたもの…いえ、それ以上のものが、ずっと「そこ」にあったこと、


一時も離れる事なく…

「それ」に包まれ、

そして、私達も、

「それ」そのものなのだということ、


皆、「一体」で「自由」で「自在」なのだ、

ということを…


そのように、

忘れていたものを、

そうさせていたものを、

「体感」として「わかる」…

思い出す…


そして、

「これ」こそが、

彼女が、彼らが、忘れて…

忘れさせられてしまっていて、

そして、

真に知りたいと、思っていて、

時が来たら、思い出すと決め、

でも、それすらも忘れさせられ、

そうまでして、

体験したい事、させたい事があり、

だからこそ、

思い出したいと、

深い所で

欲していたものでした。



その、あまりにも大きくあたたかな眩しさ…

「それ」を、「私」を通じて知っている筈なのに、

「彼女」は、そこに、

「先」に「自分」が行けると、

「ひとつ」になれると…

「ひとつ」であると、

思ってもいなかったのです。


(本当に面白いなぁ…

何で「自分」は「こう」だ、と、

「あなた」と「私」は違う、と…

そうやって自分に「制限」をかけるんだろうね?)


「そういうものだ」「そういう仕組みだ」と

わかっていても、つい不思議に思ってしまう、

そんな自分に苦笑しつつ、


私は、


彼女の冷たい手を、

手のひらに感じながら、

喜びとも、安堵ともつかない、

安らぎのような気持ちと、

ほんの少し、うきうきした気持ちになり、


思わず、

「一緒に、かえろうね…」

と、言ってしまいました(;´∀`)



すると、彼女は、驚いたような顔をして、

一瞬、考え込むような仕草をしましたが、


でも、やがて、

こちらを見て、にこっ、と、微笑んで、
手を、優しく握り返してくれました。


「…ありがとう…」


思わず口をついて出た言葉は、彼女に向けた言葉だったのか、


その前の、数多の人生を歩んでくれた「自分自身達」に向けたものだったのか。

その人生を支え、共に歩んでくれた人々に向けたものだったのか。

それらの人生を味あわせ、
その上で、「本当の自分」を思い出すという、

体験をさせた、


「全て」への言葉なのか。




目に映る全てを愛おしいと、改めて思った
「あの日」を思い出しながら、


「そのもの」として生きること


「それ」が「本当の自分」なのだと、


全てが自分自身なのだと、


知ったあの日を思い出しながら、



この、まぼろしのような「人生」という
「体験」をしながらも、

「全て」と共にある「感覚」…


穏やかな静けさと、あたたかな…感謝と愛の心が
心の内に広がり、満ちている…


「至福」としか呼べないような状態である事から
くるものなのか…


それとも…

(頭でいくら考えても意味がないよね…

ただ、「そのもの」でありさえすれば…)


思考遊びをやめ、

「一体」と「成」り、


「そのもの」であることを選び、


光そのものとしか「見え」なくなった私を…


彼女は「見」て、再び微笑むと、

祈るような仕草をし、

やがて…


彼女も、私も、そして、みんなも…


「まこと」の光と…

「全て」と一体となりました。



「次は、○○、○○です。✕✕線ご利用の方はお乗り換えです。」


社内アナウンスで、目が覚めました。



どの位眠ったでしょうか。


寝起きで少し、ふわふわするものの、


周りに人が大勢いるのに、

身体は、怖いほどの静けさを感じています。


その静けさをもって、私は、

様々なしがらみから、


「自分」が、改めて「自由」になった事が
わかりました。


安心したら、

(……お、お腹すいた…!三( ;∀;)

お腹が空いてきました(^.^;



(途中で乗換えて、○○○そばを食べるつもりだったのに…!_| ̄|○)

○○駅のホームにあるお蕎麦屋さん…✨

電車に乗らないと食べられないので、そこでお蕎麦を食べるのをとてもとても楽しみにしていた私は、

結構落ち込みました(^.^;


(はぁ…仕方ない。一人だし、適当にすますかぁ…)


空には綺麗な星々が瞬いています。

昨日までと同じ風景であるはずなのに、どこか優しく感じます。

そっと優しく頬を撫でる夜風から、

お前が幸せであるのに必要なものすべてが整っている土地だろう?

という声が、どこからか聞こえてきた気がしました。


天地全てがわが家、目に映る人全てが家族、との
「想い」が、深くにありながらも、

ここを知れば知るほど、恐らくは、
父方のご先祖様方や、私自身の霊筋(ちすじ)と
縁の深い所とも感じていました。

来るべくして、来た所… 

いえ、

やっと戻って来れたと言うべきか。


恐らく、ここ出身の旦那さんとの縁も、ある程度定まっていたものなのしれません。

もしかしたら、この辺りに生まれて、のんびり一生を終えていた人生もあったりしたのかもしれないなぁ…

と、ほんの少し、切なく思いました。


これからの私は、どうなるのか…

と、一瞬考えましたが、

グゥっとお腹がなりました(^.^;


…モ○にするか、ド◯ールにするか、高○町珈琲にするか…


…どんな事も、その位にしか、考えても仕方ない。

今までもそうだったし、これからも、多分、そうだろう…

ただ、目の前にあらわれた事に、自分なりに向き合うしかない。

「彼」の言う、心の炎のままに…?


……


いや、それはちょっと…


今日はたまたま良かったけど、旦那さんが帰宅したら奥さん家にいないとか、頻発したらマズすぎるし(^.^;

せっかく体調も良くなってきたし…

でも…


その時、私の胸に、今まで出会った皆さまの笑顔が、
ふわっ、と、あたたかく思い浮かびました。


(…まぁ、なるようにしか、ならないかなぁ…

でも、しばらくはのんびりしたいなぁ…)


と、ひとりごちながら、私は、横断歩道に足を乗せました。


その時、バッグの中のスマホに、

ご相談のメッセージがいくつも届いているのにも、

気づかずに…(^.^;


この度の不思議なおとぎ話はこれで終わりです。


長くおかしなお話しに、お目通し頂き、ありがとうございましたm(_ _)m




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