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息子がピンクの服を着たいと言い出したら、過去の自分と再会した

選ばれたのは、ピンクでした。

「〇〇くんはねぇ〜これ!!」

3歳の息子が指差したのは、ピンクのアウターだった。

自分の好みが割とはっきりしている息子。うっかり好みではない服をセレクトしようものなら、タンスの肥やしになってしまうのだ。なので、最近は紙のカタログ(タブレットだと収拾つかなくなってしまうので)を見せて、自分で選んでもらうようにしている。

私のスタンスは、親の好みを押し付けず、息子が着たいものを選んでもらうこと。ダサかろうが毎日自主的に着てくれればなんだっていい。しかし、Tシャツならまだしも、3シーズン着れるタイプのアウターにピンクをセレクトしてきたので、びっくりしてしまった。

理由を尋ねてみると、「かわいくて、おもしろいから!」

なるほど、大体わかった。去年選んだ息子の手袋は、ピンクを中心としたミックスカラーのものだったのだけど、それが保育士さんにウケたように感じたんだろう。保育士さん無条件で褒めてくれるし、ピンクをセレクトする男児は、クラスでは息子だけのようだし。

『息子が選んだんだからいいじゃない』と思う私の陰で、『本当にピンクでいいの?』とささやく私がいた。

なぜだろう。

ボクがピンクでワタシがブルー

私は、男の人がピンクを着ることに抵抗はない。

独身のころにアイドルの現場に通っていたので、「ピンクのヲタTを着る男子」に慣れていた。マンガとアニメも大好きで、少年マンガだろうが少女マンガだろうが、面白ければ性差などないと思っている。

それにタイミングもいい。2022年現在、ジェンダーニュートラルの視点が幼児向けコンテンツに取り入れられている。

2022年4月から始まったスーパー戦隊シリーズ、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のピンクは男性。メインの戦隊ピンクとしては初の採用である。

\補足/
ちなみに過去作品で、イレギュラーな場合の男性戦隊ピンクはいる。『海賊戦隊ゴーカイジャー』の男性メンバーが変身システムで、過去作のピンクの戦士へ変身するパターン。『烈車戦隊トッキュウジャー』で男性メンバーが”乗り換え変身”というシステムで一時的にピンクに変身するパターンがあった。

個人的に推している前田兄妹の話をしよう。兄の前田拳太郎さんがEXILEを筆頭とするLDH所属の俳優。妹の前田こころさんがモーニング娘。を筆頭とするアップフロントグループ系列、ハロー!プロジェクト所属のアイドルだ。

前田拳太郎さんが演じている、仮面ライダーリバイはピンクを基調としたパステルカラーのライダー。

\補足/
実は、男性ライダーのピンク系カラーリング採用は早くからある。2002年には仮面ライダーライア。基本カラーは紅色。2009年には1号ライダーである仮面ライダーディケイドにもピンク…おっと失礼。マゼンタを採用している。ディケイド以降は定期的に登場しているのだ。

アイドルクループ、BEYOOOOONDSの前田こころさんのメンバーカラーはシーブルー

前田兄妹は、現在活躍中の場で従来のジェンダーカラーから反転しているところが個人的におもしろいと思っている。

なのに、なんで息子のピンクに抵抗があるんだろう。

抵抗していたのは、16歳のワタシでした。

自分の過去の記憶を紐解くと、思い当たるふしがあった。
一生懸命に周りになじもうとしていた過去のワタシだ。

幼少期から人見知りだった上に、転勤族であった学生時代。元々のコミュニティ能力の低さも災いして、小中学校と浮きがちだった私が学んだことは、『とりあえず周りに擬態する』ことだった。

高校生になった私は、とりあえず悪目立ちだけはしまいと、なるべくオタクっぽい趣味は表に出さないようにした。私には個性を出していいほどの、コミュニティ能力はない。だから、隠さなきゃ。みんなと同じ姿に、同じ趣味に……。

「男の子がピンクを着たら、周りから浮いちゃうんじゃない?」
16歳のワタシがこう言った。

キミは何色にだってなれる

大丈夫だ。16歳のワタシ。

まだまだ課題はあるけれと、16歳のワタシが生きてきた時代より、カルチャー面では寛容な時代になったよ。今まで、頑張ってきてくれてありがとうね。それに、自分の息子だもの。何かあったら、今の私が守ってあげればいいじゃない。夫も味方だし、一人じゃないよ。

私は、ピンクのアウターを注文した。

「ピンクかわい〜!でもね〇〇くん、きいろのふくがきたいな!」

嘘だろ。

悩んでいたのがバカみたいじゃない。

「ピンクかわいいと思うよ〜!〇〇に合ってるよぉ〜!!」
手のひら返しした母親は必死に息子を説得しながら、脳裏にメルカリの4文字が浮かんだ。

キミは何色にだってなれる。
でも、頻繁にアウターの色を変えられたら、ちょっと困る。

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育児エッセイ書いてます。どちらかといえば、育児向いてないタイプの母親です。

2歳のころ、息子と散歩にいったときの話。


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