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「書く習慣」を読んだら、楽しいインターネットを思い出した

ありとあらゆる角度で『書くこと』のハードルを下げて、『書くこと』を好きになって欲しい!

私が、いしかわゆき(ゆぴ)さんの書籍『書く習慣』に受けた印象だ。そして、この本は私が大好きだった2000年代のインターネットを思い出させた。


noteやTwitterって、なんか有益なことを書かなくちゃいけないんでしょ?

2010〜2020年代のインターネットビジネス界隈では、『有益な情報』がトレンドの一つであるように感じる。

「芸能人でもないのに、今日のランチについて書いても読まれませんよ。」
「読者のgiveになる情報を書きましょう!」

それは確かにそうなのだ。忙しいビジネスパーソンは、溢れかえる情報の中で、他人の今日のランチについては興味がない。

ただ、文章を書く人、読む人のすべてが、『有益な情報』を欲しているわけではない。

「今日観た映画がおもしろかった!誰かに伝えたい!」
「まとまりがないけど、今日考えたことをアウトプットしたい。」

そういう気持ちに突き動かされている人が『有益な情報』ではないからと、書き始められないのはもったいなさすぎる。

「書く」ことは最高のひとり遊びでもあり、良き相談相手でもあり、口で言わなくても自分の気持ちを相手に届けてくれる最強のツールでもあります。

書く習慣(p.9)/いしかわゆき著

『書くこと』へのマインドブロックの外し方は、書くことによって道を切り開いてきたゆぴさんが教えてくれる。

この本は、文章で何か表現してみたかったけど、書くことへの情報の入り口がたまたま『有益な情報を書こう』だった人に読んでほしい。

私には有益な情報がありません。こんな私でも書いていいのでしょうか?

とりあえず映画の感想をnoteに執筆してみたけど、これは有益な情報なんだろうか……?と不安に苛まれる方もいるだろう。

「わたしもこの本を書きながら「これは果たしてタメになるんだろうか……?」と悩むこともありましたが、「とりあえず書いて、出してみてから決めよう」と、筆をとりました。

要するに読み手は、自分が知らない新しい発見に対しては「有益」だと感じるし、すでに知っているものに対しては「無益」だと感じるのです。」

書く習慣(p.163)/いしかわゆき著

著者であるゆぴさんでさえ悩んでいたのだ。結果どうだろう。「とりあえず書いてみよう!」という人が #書く習慣 をつけてnoteやTwitterで発信している。

使い古された例えではあるが、ホームランを打つには、まずはバッターボックスに立たないといけないのだ。

†2000年代のインターネットを思い出した†

『書く習慣』は文章テクニックの本ではない。とにかく『書く』ことのバッターボックスに立つまでを、さまざまな切り口で励ましたり行動を促したりしてくれる本だ。

自分の思うままに綴った文章が、誰かに届く。これが『書く』ことへの第一歩。テクニックは後から学べばいい。

私は、無益な情報をインターネットに流すことに抵抗がないタイプであることに気づいた。理由は、初めてインターネットに触れた2000年代、自分の文章や絵を「ただ好きだから」で発信していた様子を見ていたからだ。

☆あなたは0001000人目の訪問者です

キリ番踏み逃げ厳禁!!

まだ、マンガやアニメの話題が日陰だったとき、好きなヴィジュアル系バンドのファン仲間が地方で見つからなかったとき、好きを発信できる手段を手に入れた創作者たちは、好きを爆発させていたのだ。

いわゆる上手い文章や絵じゃなくとも、勢いがあって面白い。私はそれを元に新たな作品に出会っていった。そして、発信者そのもののファンにもなっていたのだ。

『書く習慣』を読みながら、2000年代のインターネットを思い出していた。情報で溢れかえったこれからの時代は、『有益なインターネット』から『楽しいインターネット』に戻っていくのかもしれないな、と感じた。

書くことに疲れたあなたにも

「ライターを始めてから、なんだか書くのが面白くなくなってきた……」そんなあなたにも『書く習慣』を開いて欲しい。

あなたは、なぜ文章を書くようになったのだろうか。それは文章を書くのが純粋に楽しかったからではないか。『書く習慣』はそんな気持ちを思い出させてくれる1冊だ。

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個人的な読書感想文はこちら。ワーキングマザー向けの本紹介がよく読まれています。




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