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映画「プーと大人になった僕」

昔、『くまのプーさん』と『プー横丁にたった家』の2作品は読んだことがあったが、挿絵のかわいさ目的に購入していたため、ほとんど内容を覚えていないです。ハハハ…。

とはいえ、プーさんのお話だし楽しい気持ちになるかな?(なんか微妙な感じもする予告だけど…)大好きなユアン・マクレガーも出てるし見に行かなくっちゃね!くらいの軽い気持ちで行ったのだが、初っ端からまぁまぁ不穏な空気感で始まって、思わず身構えてしまいましたとさ。

まずプーさんが薄汚れている。100エーカーの森にもきらめきがない。かすかな記憶だど、プーも100エーカーの森も、もっとキラキラしていた感じだったんですが…。アラララ??なんだかプーの表情も切ない…。

ユアン・マクレガー扮する主人公のクリストファー・ロビンは、プーたちと共に遊んだ100エーカーの森を離れた後、寄宿舎生活を送ることになり、そこで虐待を受けたり、父親が死亡したり、さらには戦争で前線に送られたりという自分の力では抗いようのない、重く苦しい人生を歩んでいたのです。

戦争が終わり、クリストファー・ロビンは、妻のイヴリンと娘のマデリンと共にロンドンで暮らし、 中間管理職のような立場でバードワークをこなしていた。ある日クリストファー・ロビンは、家族と実家で過ごす予定にしていた週末に仕事を任されてしまい、一人家に残り仕事をこなすことになる。
会社から託された難題と家族との問題に悩むクリストファー・ロビンの前にかつての親友プーが現れたのである。

プーから「森の仲間たちが見つからない、一緒に探してほしいんだ」と頼まれたが「それどころではない、帰ってくれ!」と依頼を跳ねのけるクリストファー・ロビン。まぁ、そりゃそうですよね。仕事と家族のことで頭がいっぱいの時にややこしい人(クマ)が突然やって来てそんなこと言われても…。しかも、クマのぬいぐるみだし。街中でクマのぬいぐるみと喋ってる妙齢のオッサンがいたらドン引き&警戒案件ですもんね。常識的な大人の反応ですな。

すったもんだ(なんて便利な言葉でしょう)があり、プーと共に100エーカーの森に行く羽目になるクリストファー・ロビン(大人で仕事を持つ私からするとご愁傷さまとしか言えない感じですが、電車の中のプーさんはとってもかわいい♥)。

プーと共に100エーカーの森へ行き、プーの望みを叶え、ティガーやイーヨーなど懐かしいメンバーに再開するクリストファー・ロビン。そして、時間内に会社に戻ろうとするが、そこで大切な書類を忘れて帰ってしまうのです。なんと偉いサラリーマンぶりでしょう。私ならこういう信頼ができる人と仕事がしたいわ。(ちなみに書類は忘れたわけではないのですよ…そんなポカミスも犯しません)

プーには「仕事」という概念がないため、「それは、風船よりも大事なの?」という問いが投げかけられます。突如出てきた「風船」のことを説明しますと、プーはロンドンでクリストファーにおねだりをして風船を買ってもらい、それを大切にしているのです。ただここで「風船よりも仕事が大切なの?」と問われると、いい大人なら速攻で「YES!高須クリニック!!」ばりに「仕事!!」と答えるよね。その風船が「家族」や「健康」と言い換えられてしまうと悩むけれど…。

私も簡単には答えられないなぁ。家族はいるけどノーマリッジ&ノーキッズのワタクシ。さらに今は違うけれど典型的なブラック企業で働き、体をぶち壊して未だに治っていないからね(遠い目…)。そこまでストレスかけるのは絶対に止めた方がいいと思うけれど、仕事も大切だし、何よりも楽しいからねぇ。クリストファーも中間管理職的な立場で「仕事は大変!」を(家族に)アピールしてるけど、基本にはやりたくてやってると思うんだよね。知らんけど…。

プーは娘のマデリンの力を借り、親友クリストファー・ロビンの大切な書類を届けにロンドンへ向かうのです。ここでも騒動を巻き起こします。このあたりは映画「パディントン」を彷彿とさせられます。

大人が生きるには「ワーク・ライフバランス」が大切なんでしょうが、一筋縄ではいかないし、「何もしないをする」が現代人にとっては一番むずかしいことだし、贅沢なことなんだなぁと思い知らされた次第です。

#映画 #コラム #感想 #プーと大人になった僕 #039

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