仄暗い、あたたかい、痛み
長く続いた雨も上がり、真夏が戻ってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
私は汗っかきなのでもうほんと、やばいです……。
水を沢山飲んで乗り切りましょう:( ˙꒳˙ ):
今日は読書感想です!
書き上げてみて、すこし「思ってたんと違う……?」とはなってますが、これはこれとして楽しんでもらえればと思います!!!
凪良ゆうさんの「すみれ荘ファミリア」を読んで。
読みながらこんなにページをめくる指先が重くなる感覚がするのは他にはなくて。
一月に読んだ「神さまのビオトープ」でも同じ感覚があったなあと。
自分の奥に隠したやましいものを引きずり出されて鋭利なもので刺されるような痛みが走ります。
生々しくてキツイと感じることはありますが、
私は凪良ゆうさんの書く世界が好きです。
登場人物みんなが魅力的で、痛みにまっすぐ向き合い、寄り添ってくれるからかも知れません。
私はこの「すみれ荘ファミリア」の中では小説家で主人公の弟の芥くんが特に愛らしく感じて。
感情の起伏は少ないですけど、人が苦手と言いながらふとした時の優しさが見えるところとか。不器用さが見えて可愛いんです。
芥くんの言葉は飾らないからこそまっすぐ刺さる。
いくつか、響いた言葉をメモしました。
登場人物のそれぞれの告白を読み、その度に胸がえぐられました。
予想できる悲しい結末をゆうに超えてくる。
特に、青子の告白は本当に怖かったです。
和久井にとっては、
知らない方が幸せだったかもしれない。
だけど知らないまま、死んでしまっていたかもしれない。
本を読みながら背筋が凍ったのは、初めてかもしれません。
生きてる人間がいちばん怖いとはよく言ったものですよね……。
美寿々の告白は、個人的に一番共感できました。
私が推しを増やすのと近い感覚がある気がして。
でももうすこしだけ、希望の光があればいいなと思います。同情は嫌うんだろうけど。
ここで芥の言葉でグッときた言葉をひとつ。
文庫版の後日譚「表面張力」から。
『普通そうにしてても、みんな、誰にも見せない顔がある。』
職場の新人さんが「バイトの時と大学の時、顔を使い分けてましたよ。切り替えた方が楽だから。」
と話してくれました。
その人は、「人見知りの方を見ると、どうすれば心をこじ開けられるかと思うんです」とも言っていて、人見知りの私は少し怖くなったけど笑
初対面の私にそんなことを話す彼女と、仲良くなれたらいいな。と思います。
この本を読みながら自分の周りの人の裏の顔をすこしだけ、想像しました。
私が見ているその人はほんの一部で。
私には見せない顔、私には言わない言葉。
身近な人の痛みに触れた時、
なんとも言えない無力感に襲われて、同時に悔しさがありました。
こうだと思い込むことで、見ないことにしていた。
本当は、誰かに気付いて欲しかったんじゃないのかな。
私はどうして気付けなかったんだろう。
私が見ていたこの人は、一体なんだったのかな。
Twitterでこんな言葉を見ました。
「鈍感で幸せな人より、敏感で不幸な人でいたいの。」マツコ・デラックスさんの言葉だそうです。
私はいつまで甘えるんだろう。
きっと、一切無遠慮でいれる人なんていないんだろうな。大切な人だからこそ、考えなきゃいけないから。
私が無遠慮でいられるんだとしたら、
その人に遠慮をさせてしまっている、ということだから。
でも、自分の痛みにも真っ直ぐでいたいんです。
今飲み込んだこの言葉は、本当は言うべき事だったんじゃないかしら、と臆病な自分に問いかけながら。
また、飲み込ませた言葉を見過ごすようなことを少なくして行けるように。
人の裏の顔なんて、想像しても分からないし、
何より怖いのでこれ以上考えるのは一旦やめにしました。
私にも、誰にも見せない顔はあるから。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
個人的に読書記録はつけているのですが、感想として記事に書くのははじめてで緊張しました🤤
ネタバレにならないように気をつけつつ、個人的な体験とともにお送りしましたが、
少しでも「すみれ荘ファミリア」に興味を持っていただければ幸いです。
苦しみや悩みといった深い話を身近な大切な人とするハードルって結構高く感じてるんですが、皆さんはどうですか?
隠した仮面の下に潜んでいるのが憎しみではなく優しさだったらいいなあ。
(愛も少し怖くなっちゃったので、もう少し軽いものとして、優しさがあればなって。)
それでは、また!
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