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虎の子日記

その昔、まだ20代の時、日本一周一人旅をしたことがある。
目的地は決めず、帰る日も決めず、ふらりフーテンの旅だ。
渥美清さん主演のフーテンの寅さんという映画があった。旅商人でふらりと帰ってきてはまたいつのまにか旅に出る。旅先でいろんなマドンナの力になり、恋をしては振られる、ハートフルないい男の話なのだ。
そんな寅さんからタイトルをいただいたが、孫の名前に「虎」がつくため、こちらの虎をつけることにした。

さて、いい男とはどういう人だろう?
最近始めた仕事柄、いい男の定義、モテるとはどういうことか気になっている。辞書で調べると「異性などから大いに好かれ、人気があること。」とある。なるほど、職場に思い当たる男子がいる。男女問わず、上司や先輩からもかわいがられる、でも嫌味がない、まさにいい男だ。
彼はいつも元気よく、笑顔で挨拶をしてくれる。仕事もてきぱき出来るし、なんなら終わらない人のヘルプに入ってやるくらいだ。
そして決して文句をいわない。引き受け方も軽快。人の陰口を言っているのを聞いたことがない。おまけにイケメンときている。

最近始めた仕事というのが、その人の骨格(大きく3タイプに分類される)を診断し、その人に合ったファッションを提案する骨格スタイル診断士と、その人の肌の色を見分け、黄色味をもってきたほうが良い、ツヤがないマットな質感が合うなど、これもファッションやメイクに活かせるその人のパーソナルカラーを診断する、という仕事だ。

通販サイトから引用 写真はイメージです

そして今モデルケースとして3人の男子をつかまえていて、
似合う服、色を診断 → 一緒に買い物 → 着せ替え → 美容室に連れていき髪型、眉毛まで整え → 写真撮影。ここまではお手の物。
しかしここからが難所である。
3人とも独身で、うち二人は年齢的に切羽詰まっているので年内に結婚したい、というのだ。なんとか協力したいところだが婚活アプリに登録まではさせたものの、さすがにデートまでついて行くわけにもいくまい。
清潔感、しぐさ、デートのお店のチョイス、会話のセンス・・・
似合う服をきせて髪を整えモデル風に撮った写真を載せたところで、生身の彼らに魅力がないと、その先へ進めないのである。

モテるとはどういうことか。
彼らのバチェラー改造計画はまだまだ続くのである。



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