見出し画像

現代人の悩みの病・頭痛にも種類がある!痛み止めや予防薬を一部紹介!

毎日の生活で必ずと言っていいほど必要なパソコンやスマートフォン。
最近では社会人だけでなく、学生さんも勉強する際にタブレットを使用しているのではないでしょうか。
そして、パソコンやスマートフォンを使うことによって頭痛の症状に悩まれる人も少なくないはずです。
今回は、そんな頭痛の種類についてや薬に関するお話をしてみたいと思います。

頭痛の種類

そもそも、頭痛にも様々な種類があります。

  • 片頭痛

  • 緊張型頭痛

  • 群発性頭痛

  • 二次性頭痛

片頭痛

片頭痛とは、頭のどちらか片方のみがズキズキと痛むタイプの頭痛です。
女性に多く見られる症状で、排卵日や月経直前~初日にかけて起こりやすいと言われています。
あとは寝不足やストレスも多くの原因に挙げられます。
気圧の変化で症状があらわれる、なんていうことも言われているようです。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、頭全体がギューッと締め付けられるような痛みが継続して起こります。
こちらも精神的ストレスが原因と言われることが多いです。
スマートフォンやタブレット・パソコンなどをずっと同じ姿勢で使用していると身体的なストレスを感じて起こる場合もあります。
最近の頭痛持ちさんは緊張型の人が多いのではないでしょうか。
肩こりがひどい人や、血流の悪い人はこのタイプがほとんどのようです。

群発性頭痛

群発性頭痛は、主に女性より男性の方に多いと言われている頭痛です。
他の頭痛と比べると痛みの強さが群を抜いているとか。
症状としては、目をえぐられるような痛みでかなり辛いそうです。
そして必ず頭の片側が痛みます。
一度痛みがあらわれると、15~180分は続くそうです。
以前お話させていただいた患者様は「目の前に拳銃があったら手に取ってしまいたくなるほど辛い」と仰っていました。
痛みの程度はおそらく人それぞれでしょうが、痛みが強すぎると本当に辛いようです。

二次性頭痛

二次性頭痛は、ストレスや寝不足はもちろんですが、二日酔いなどで起こる頭痛のことも指します。
また、くも膜下出血や高血圧、薬の副作用なんかで起こる頭痛のことも総称しているようです。

そもそもどうして頭痛が起こるのか?

片頭痛が起こるとき、人の体の中では様々な変化が起きているのです。
痛みが起こる前、体の中はセロトニンというリラックスするための物質が出ることにより血管が思い切り広がります。
セロトニンは無限に出るものではありません。
枯渇した時に、一気に血管が収縮してしまうのです。
その収縮の衝撃が片頭痛の痛みとしてあらわれます。
緊張型頭痛は、ストレスや体の筋肉への負担により頭蓋骨周辺の血管が収縮して痛みを引き起こすのではないかと推測されています。
血管が収縮して負担がかかると血流も悪くなり、脳に届くはずの酸素も届きにくくなります。
群発性頭痛は残念ながら詳しい原因やメカニズムが分かっていません。
しかし、目の奥にある血管に炎症が起き、それが眼球を圧迫しているのではないかと言われています。
二次性頭痛は「何かしらの原因がある上での頭痛」です。
二日酔いならお酒が原因、高血圧なら血管が圧迫されたことによって頭痛が起きる、と考えることができるでしょう。

頭痛に対しての薬はどんなものがある?

ここ数年で「頭痛外来」と呼ばれるものができているくらい、頭痛は私たちの身近なものになってきています。
メインとして使われるのが痛み止めです。
そして、最近では頭痛を予防するための薬も多く見られます。

鎮痛剤

頭痛に対してまず使うものと言えば痛み止めでしょう。
有名なもので言えば「ロキソニン(ロキソプロフェン)」です。
しかし、ロキソニンが使えない患者様も多くいらっしゃいます。
例えば、子ども。
小児の片頭痛は年々増えてきています。
そんな時に使うのが「カロナール(アセトアミノフェン)」です。
カロナールは小児用の粉薬も存在するくらい安全な薬であると言われています。
他にも、「ブルフェン(イブプロフェン)」「アスピリン」「イソプロピルアンチピリン」など、様々な鎮痛剤が存在しています。
ただし、ピリンアレルギーの人はイソプロピルアンチピリンは避けてくださいね。

予防薬

頭痛の予防薬も様々な種類があり、代表的な薬をご紹介します。

  • ミグシス(ロメリジン)

  • デパケン(バルプロ酸ナトリウム)

  • トリプタノール(アミトリプチリン)

  • インデラル(プロプラノロール)

  • 漢方薬

ミグシス(ロメリジン)は片頭痛治療薬として登録されている薬です。
治療薬、とは言われていますが頭痛症状をなくす薬ではなく、予防するために継続して服用する薬になります。
デパケン(バルプロ酸ナトリウム)はもともと抗てんかん薬や躁病に対して効果が期待できる薬です。
そして、トリプタノール(アミトリプチリン)は鬱病の患者様が服用することがあります。
「え、なんでてんかんとか躁鬱の薬?」
と思うかもしれませんが、頭痛が起こるメカニズムが関係してきます。
鬱や躁は、簡単に言うとストレスが溜まってしまった人が罹る疾患です。
つまり、体が常にリラックスできていません。
体の中ではリラックスするときに出る物質「セロトニン」が異常に減少している状態です。
・・・セロトニンが異常に減少ということは、頭痛が起こるときの症状と似ていると思いませんか?
そうなのです。
躁鬱状態と同じ状況にさせなければ、頭痛も起こりにくくなるはず!
と、いうわけでデパケンがトリプタノールが予防薬として使われます。
ではインデラル(プロプラノロール)はどうでしょう。
実は降圧薬と呼ばれるものです。
「血圧なんか下げてどーするのよ」
って感じですよね。
血圧とは、そのままの意味で血管に対してかかる圧力のことです。
さて、では頭痛のメカニズムを思い出してみましょう。
セロトニンが枯渇すると思い切り広がっていた血管が一気に収縮します。
その勢いで痛みが起こるのでした。
では、降圧薬を使って血管を収縮させないようにすれば良いのではないでしょうか。
インデラルは二次性頭痛で悩む高血圧の患者様にも使える場合があります。
では最後に漢方薬です。
実は頭痛に対してきかせる漢方薬はいくつか種類があります。
葛根湯・五苓散・呉茱萸湯・釣藤散・桂枝人参湯の5種類が有名です。
私が頭痛外来の門前薬局で働いていた時は、
〇軽い頭痛は葛根湯
〇冷え性気味に出頭痛持ちさんには五苓散
〇緊張型頭痛には五苓散と呉茱萸湯の組み合わせ
〇釣藤散と桂枝人参湯は他の漢方が利かなかったときに使ってみる
という印象でした。

最終手段のトリプタン系

「普通の鎮痛剤でも予防薬でも効果が見られなくてつらい・・・。」
なんていう患者様も多々いらっしゃいます。
というか最近は多いんじゃないでしょうか・・・。
片頭痛の痛みは一度発症すると本当に辛いです。
実は、「明らかに片頭痛の痛みが今からくる」前に服用することができる薬があるのをご存知ですか?
トリプタン系と呼ばれる薬です。
血管を収縮させて突然襲ってくる頭痛を直前に防いでくれます。
トリプタン系の薬は現在、5種類ほど存在しており、
錠剤・点鼻薬・注射と様々な剤型から選ぶことができます。
服用タイミングは「頭痛が起きそうなとき」。
頭痛が起こってしまった後に服用してもあまり効果はありません。
使いこなすまでに時間がかかる人もいらっしゃるみたいですね。
ただこのトリプタン系ですが、服用禁忌の方もいらっしゃるので医師としっかり相談して服用してください。

小児の頭痛持ちも増えている!使える薬と予防薬はある?

「子どもの片頭痛」という概念は、この数年でようやく認識されるようになってきました。
子どもの頭痛持ちは母親が片頭痛だった場合、女児の場合は90%以上の確率で遺伝するようです。
男児にもたまにいますが、女児の方が圧倒的に多いと言えるでしょう。

痛み止めは何を使う?

冒頭でもちらっと書きましたが、小児には安全な鎮痛剤としてカロナールが処方されます。
粉薬もシロップも、そして坐薬もあるので選択肢は様々です。
また、他の選択肢としてブルフェン(イブプロフェン)も使うことができます。

予防薬ってあるの?

ペリアクチン(シプロへプタジン)を使います。
この薬の正体は抗アレルギー薬です。
頭痛とアレルギーは関係ないように思えますよね。
ペリアクチンには”抗セロトニン作用”が存在します。
セロトニンが出すぎないようにする効果を利用して予防薬として使用するのです。
ただ、公式な使い方ではないので「適応外処方」として小児に処方されます。
ぺリアクチンを予防薬として使うのは10歳以下の小児が多いです。
また、小児頭痛は吐き気も引き起こしやすいので、ナウゼリン(ドンペリドン)という吐き気止めも一緒に服用することができます。
お子様が頭痛を訴えているときは、ゆっくり休ませてあげてくださいね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?