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「うつ病はココロの風邪」は大きな間違い

うつ病はココロの風邪

うつ病を表現する際、この言葉が未だに使われています。
私はこの言い回しに大反対なんです。

確かに「誰もが罹る可能性がある」という点では風邪、という表現でも良いのかも知れません。

ですがカラダの風邪はみんなすぐに病院に行ったり、市販の風邪薬を飲んで休養する、という行動を取りますよね?

よほど無理をしない限り、風邪で命を落とすことはめったにありません。
ですがうつ病や適応障がい、不安障がいなどココロの病は誰もが罹る可能性がある一方で、多くの人が自分がそうなっていることに気付かず無理をしてしまい、結果として自ら命を絶つという選択をしてしまう方も居ます。

その意味ではココロの病は『ココロの癌』と表現しても良い、と思っています。

日本ではまだまだココロの病に対する認知度や理解度が低く、職場によっては未だに昭和の精神論が蔓延っているようなところもあるため、時として悲劇的な結末を迎えてしまうことも少なくありません。

過労自殺した若手医師、「限界です」両親へ遺書…病院側は長時間労働の指示否定(Yahooニュースより)

先日もこのようなニュースが流れていました。

記事を読む限りではこの若い医師は相当無理をしていた様子が伺えます。

病院側は長時間労働の指示はしていない、と言っているようですが、そもそもそのような状況になっていることを管理出来ていなかった点で、大きな問題があると考えます。

指示がなかったとしても周囲の雰囲気が、日本の職場ではそのような状況を作り出している、というのはよくあることです。

またこの医師も言葉にしていたようですが、休職などしようものならクビになってしまう、職場に居づらくなってしまう、といった不安を感じさせてしまうような環境にも問題はあります。

とかく日本の医療や福祉、教育の現場は、そこで働いている人のボランティア精神や使命感、責任感に甘えている部分がある、と常々感じていました。
(福祉の現場で働いていた経験から、そのように感じています)

ココロの病は誰もが罹る可能性があり、自分ではそれに気付かないまま病が進行してしまいます。

これ以上の悲劇を生まないためにも、もっとココロの病に対する知識や認識を個人個人がしっかりと持つことが大切ですし、そうならないような環境を整えていくことも取り組むべき課題です。

これを読んで下さった方は是非、学校や職場などで自分の周囲、半径2mにいる方々の様子に気を配って下さい。

少しでも様子がおかしいと感じたら、声を掛けてあげて下さい。

「おはよう」でも「お疲れさま」でも「調子はどう?」でも良いんです。

あなたが掛けるその一言は「私はあなたの事を見ているよ、気に掛けているよ」というメッセージとなって、その人が自ら命を絶つことを食い止めることにもつながるかも知れません。

同時にみんながココロの病に対する理解を深めていくことで、それが労働環境の改善につながっていくことを願うばかりです。

また、不安や悩みなどを独りで抱え込むことなく、とにかく誰かにそれを吐き出すこともしてください。

家族や友人には話せない、と悩んで居る方はカウンセリングやセラピーを利用して下さい。




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