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東京の誕生

降る雪や明治は遠くなりにけり」は、中村草田男の有名な句でありますが、明治はおろか、大正、昭和、平成も通り過ぎ、いまは令和。
 戦前の東京を知る人も少なくなる訳であります。
 日本の歴史で、諸説ありますが、江戸時代を近世と定義しますと、明治からを近代と謂われます。
 その近代の初期つまり明治から昭和初期迄の東京を中心とした出来事を、抜粋して記述してまいりたいと思います。
 文中、稚拙な表現や記憶違い等があるやもしれません。
 読者諸氏の寛大なるご理解を頂ければ幸甚です。


東京誕生


 江戸が東京になったのは、明治元年(一八六八)ですが、東京遷都は明治二年です。二百七十年にわたり徳川幕府所在地として政治の中心をなしていた江戸は新政府の首府となり、明治四年(一八七一)に廃藩置県で東京府となりました。
 廃藩置県とは、名の通り藩制を廃止し、既に大都市であった江戸・大坂(府となって大阪)・京都を府とし、蝦夷えぞを正式に北海道とし、府県より上の行政地域のどうとし、残りを県とするものでした。 
 その前の明治二年(一八六九)に出羽でわ羽前うぜん羽後うごに分国し、陸奥を陸奥・陸前・陸中・岩代・磐城に分国し、廃藩置県時には七十三国・蝦夷・琉球でした。琉球が沖縄県になるのは遅く明治十二年です。
 廃藩置県でいったん神奈川県に属した三多摩、静岡県に属した伊豆七島は後に東京府に編入されました。
 


 

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