見出し画像

じぶんnote(妊孕性保存移植手術を終えて)

2022年1月に妊孕性保存として卵巣保存を選択して手術をした。その後は抗がん剤治療に放射線治療を乗り越えて、主治医と相談した結果年齢のことも考えてキリが良いから2023年3月末で治療を一旦中止して妊活に移ることになった。

抗がん剤治療や点滴治療をやめて半年が経つが、未だ生理は戻ってきていない。治療前はあんなに毎月来る生理が憂鬱で仕方なかったのにいざ治療の影響で生理が止まることになったら、何とも言えない空虚感を覚えた。不正出血とか薬の影響を受けて止まったけど、もう生理が止まって1年は経過しているので生理がない生活が楽なのは本音だ。

わたしのモットーとして「やらない後悔よりやって後悔」に加えて「今がいちばん若い」が追加された。今が一番若いから、少しでも若くて細胞が元気なうちにやれることはやっておきたい。
今回の移植手術はまだ臨床試験の段階だからあまり期待はしていないのが本音だ。もし子どもを授かれたらラッキーだし、授かれなかったらそれもまた人生だと思うようになった。
期待していないのになぜお金がかかることをしたのか、それは人生の選択肢・可能性を残しておきたかったからだ。

癌だと宣告されて、理解が追い付かなくて「まだ若くて、お子さんも居ないから妊孕性保存のことどうしますか」と聞かれても自分が抗がん剤治療後にどうなっているのかとか全く想像が出来ないから早く決めてって言われてもなかなか難しい。実際わたしも猶予の2日間丸々悩んだし、悩みすぎて何が正解なのか分からなくて考えることを放棄した瞬間もあった。だけど結局自分で悩んで考え抜いて、あの時考えることを放棄しなくてよかったと思っている。
治療の影響を受けていない一番若い時の自分の臓器を将来に残しておくことができたことがわたしは治療が終わって一番良かったと思っている。そしてこの明るい未来が少しでもあることがわたしが癌治療を頑張れた一つだ。

実際、妊孕性保存をしてなかったら治療が終わった今は何を楽しみに将来を生きていけばいいのかと思っていたのかもしれない。少し状況が変わるかもしれない未来に少し期待している。

もちろんお金の心配は一番あった。高額になる癌治療とさらに高額な自費診療での手術。わたしには到底そんなものを払うことが出来る余裕はなかった。分割払いが出来たことも選択を決定する後押しとなった。
卵巣凍結をした時は国からの補助金はなかったけど、2023年の春から国から助成金を受けられるように制度が少し整ってきている。
凍結だけでなく移植の場合も含めて上限2回利用出来るから、わたしの場合は一度に全て移植してしまうのではなくて保険として半分は凍結したままにすることにした。本当は卵巣凍結の時に助成金があったら嬉しかったけど、移植でも2回利用出来るようだからその面では有難い。
だけど助成金だけでは足りないほど医療費はかかるから、本当はもっと助成してもらいたい。
まだ具体的な金額は計算が出ていないから、確定したらもう少し詳しく記録として残しておこうと思っている。

若くて癌になったから人生終わりなんてことは全然なくて、むしろ若い頃に癌になったから生きている尊さとか死が身近にあるものという認識が出来た。だから癌が発覚する前以上に人生を楽しめている気がする。だから諦めないでいてほしい。そして諦めなくて本当によかった。

おわり。

最後までお読みいただき、ありがとうございます! あなたにとっての”心の住処”となれるよう、穏やかに頑張っていきたいと思っています。良いな〜と思って頂けましたらサポート是非よろしくお願いいたします。素敵な1日を🌿