見出し画像

職場で役立つのアンガーマネジメント

ストレスについては、
昨年よりの災禍で、社会が“他人事”ではなく、
“自分事”として取り組み始めています。

今、社員のストレスに対応するために、
アンカーマネジメントが、再び注目されています。

アンガーマネジメントとは?


直訳した「怒りの管理方法」という意味そのものですが、管理の中でもコントロールというニュアンスが強く、怒りの感情と上手に付き合うための心理教育や心理トレーニングをそう呼びます。

人間関係や仕事にも影響を与えかねない、怒りの感情。上手に付き合っていくためのトレーニング方法として「アンガーマネジメント」が注目されています。どういったものなのか、すぐに実践できる方法などを詳しく解説していきます。

二面性

実は、怒りは2つの顔を持っています。

相手を怒鳴ったり、自分を責めたり、攻撃性が強まるのが怒りの感情の現れかたですが、
このような破壊的な面だけを見て、怒り=良くない感情”と捉え“怒ってはいけない”と短絡的に考えるべきではありません。

怒りにはもうひとつ、建設的な面があり、
自分に対する怒りはそれを糧によりよくしよう、怒られないように改善しようというように、怒りは人を動かすモチベーションともなり得ます。

アンガーマネジメントとメンタルヘルス

人は自分がこれまで大事にしてきた価値観や理想を裏切られたときに怒る、
というのが、基本的なメカニズムです。

不安や不満などのマイナスの感情や思いが溜まっていると、自分の中にあった「○○すべき」という理想や価値観が裏切られたときに、それが「怒り」として爆発します。
そして、それは溜まっているものが大きいほどほど、大きな怒りとなってしまうのです。

職場では、怒りの大小に関わらず、
怒られることそのものに本人に落ち度があったとしても、大勢の前で大声で怒られたりしたら、ストレスになるのは簡単に想像ができるでしょう。

そのようなシチュエーションでなくても、人によっては、モチベーションが下がる原因にもなります。

今の若者世代であるZ世代をはじめ、人によっては指導や注意でさえ「怒られた」と認識する人もいます。

本人に落ち度がなくても、怒り方によっては、人にストレスを与えてしまうこともあります。

したがって、怒りの源である「○○すべき」という部分に、自己特有の歪んだ思考がないかを再点検する必要があります。
つまり不必要に、人に対しても、自分に対しても歪んだ思考で必要以上に怒ることをなくすのが目的のひとつです。

しかし、
「◯◯すべき」という価値観は時代とともに多様化しており、柔軟に対応できれば問題ありませんが、
旧態依然と他者の多様性を認め合えなければ、
軋轢を生み、そこには怒りというストレスを伴います。

しかしながら、アンガーマネジメントでは「怒らない」状態を目標にするのではなく、怒るべき場面では上手に怒り、怒る必要のない場面では怒らなくて済むようにトレーニングをします。

感情的な理由だけで怒りを表面化させるのと、業務上の必要があって怒ることとを区別し、
多様性を踏まえた上で、
自分が怒りをコントロールできることを、
スキルと捉えると、ストレスケアにおけるアンガーマネジメントの必要性がお分かりいただけると思います。

注目されるようになった理由


アンガーマネジメントは、上記のような理由だけでなく、
社会全体が、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントなどのハラスメント防止策に力を入れ始めたことにも、注目を集めることとなった要因があります。

上司が部下を怒り、本人は教育や指導のつもりでも、部下や周りからパワーハラスメントとみなされかねません。

また、防止策に注力しても、怒りが連鎖することがあり、完全にハラスメントがなくなるわけではありません。

ハラスメントの被害者が、その怒りをまた別の場所、かたちで他人にぶつけるなどが、これにあたります。

アンガーマネジメントの効能

アンガーマネジメントを身に付けて、
怒りを自分のコントロール下に置くことができれば、怒るか怒らないか自分の責任で感情を選べるようになります。

つまりその結果、不必要な怒りを抑えることによってによって、建設的な適問題解決やコミュニケーションを取れるようになります。

具体的な方法


「6秒ルール」

アンガーマネジメントについてはたくさんの提唱者がいますが、共通するのは「怒りに反射しないこと」です。

そのため、自分の怒りを感じたら、
まず6秒カウントします。
この間に怒りを静めましょう。

怒りは完全にはなくなりませんが、
6秒数えるという行為そのものが直情性を
抑えている証拠です。
6秒後、怒りは理性的により、一定量抑えることに成功し、
どこまでが自分の価値観の押し付けで、
どこからが指導の範疇かが見えてきます。

怒りが非常に大きく、
6秒をカウントするだけで精一杯の時は、
「落ち着け自分」など、心の中で自分に語りかけてみましょう。

怒りの点数化

6秒カウントしている時に、
怒りを点数化するのもおすすめです。

精神状態を10段階にし、今の怒りが10点満点中何点かを考えるのです。
こうすることで、怒りを客観視することができ、これまでの経験から、
今回は怒るか怒らずに他の手段にするかを選択できるようになります。

最後の切り札「その場から離れる」

6秒ルールでは対応できない大きな怒りを
感じたら、その場から離れるのも効果的です。

怒りが沸点に達する前に
トイレやドリンク休憩を取りに、その場から離れ、怒りの対象から物理的な距離を置くと、
怒りをコントロールしやすい状態に抑えることができます。

アンガーマネジメントのメリット

アンガーマネジメントを体得した結果、得られるメリットを振り返ってみましょう。

1)自分の感情を客観視することで、自分自身を素直に受け止められる

2)怒りによるストレスが減少する

3)多様性を認め合え、コミュニケーションが豊かになる

4)パワハラやモラハラを防止する

5)ムダなストレスが減り、生産性が上がる

さいごに


アンガーマネジメントはスキルです。

ネイティブのように英語が話せる人にとって、
英語は勉強するものでなく、仕事をしていく上で必要なスキルでしかありません。

同じように、アンガーマネジメントもまた、
訓練を積み日々実践すれば、自然とできるようになるスキルに過ぎません。

社内研修などで知識を詰め込んで終わり!ではなく、ぜひ小さなことから実践してみてください。

そして、それは家族や友人にも広めていきましょう。

そうすると、あなたの身の周りは
居心地のよいコミュニティばかりになっていくことでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?