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孤独に負けず、生きてください

フランスの社会学者デュルケムは
著書『自殺論』の中で、
「人は集団に属さずして、自分自身だけを目的として生きることはできない」
と記しています。
自殺とは「孤立の病」と言われ、
人間関係のさまざまな縁から
隔絶された人の自殺率が非常に高いことはよく知られています。

高齢者の自死

若年層の高齢者の自殺企画と既死率を
比較すると、
若年層は死に至らずに助かったのに対して、
高齢者は非常に高い確率で死に至ったいます。

特に高いのが、認知症の高齢者です。

このコロナ禍で家族などに会える機会が
大幅に減り、孤独感に苛まれてうつ病となり、
しかしながら、うつ病とは気がつかれずに
孤独に耐えきれず、
自死を決意しているとのことです。

認知症であることが災いし、
調子が悪そうでも、
認知症の症状のひとつとして、
心の病に気がつかれずに、
自死まで決意させてしまうのです。

高齢者向け施設には、たくさんのスタッフがいて、見守られているはずなのですが、
それでも自死率は上昇しています。
それは自宅介護でも同じことでしょう。

コロナウイルスが落とした弊害は
そんなところにも現れているのです。

もし、
あなたのご両親が認知症を患っているなら、
会えなくてもこまめに連絡をしてみてください。

そして、遠くからでも見守っていること、
大切な存在であることを伝え続けてください。

孤独感に包まれたまま、
自死を選ばざるを得ない悲しい事実が
少しでも減るように。

働き盛りの無職男性の自死

経済の影響による失職、心の病による離職などで、働き盛りの無職男性の自死も増えています。

家庭がある方であれば、住宅ローンなどの
経済的不安など。

お一人の方も職場という集団から放り出され、
属するコミュニティがないことから、
孤独となり、将来に希望を持てずに
いずれの方も自死という選択をする人が、
有職者の自死と比較してとても高い割合になっています。

「誰かに相談できなかったのか?」
「誰かに助けを求めなかったのか?」

それが私の疑問ですが、
男が弱音を吐くということに抵抗がある文化が
悩みながらの孤独にいたたまれずに
自死を選んでいるのではないかと推測します。

亡くなった後、
「なぜ打ち明けてくれなかったのか」と
家族や親、友人は喪失の悲しみと
気づいてあげられなかった自責の念で
二重に悲しむことになるでしょう。

ここで重ねてお伝えしたいのは、
有職者の自死との割合が乖離していることです。
女性でも無職の方の方が有職者より高いですが、男性ほどの開きは見られません。
無職男性の自殺率は
つまり、所属するものがない人は孤独に陥りやすいのです。

冒頭に
「人は集団に属さずして、自分自身だけを目的として生きることはできない」
という文章を引用しましたが、
まさに孤独ほど辛く悲しく、失意するものは
ないと言えるでしょう。

自死を考えている人へ

孤独だと感じたら、身の回りの人や
行政などへ相談してほしいと切に願います。

生きていくのは辛いかもしれない。
でも、生きてさえいれば予想だにできない
幸せな瞬間が訪れます。

今の苦しみから逃れるために死を選ばないでください。

死が本当に今より苦しくない世界だと
実証する人はいません。
もしかしたら、今よりずっと孤独で苦しい世界かもしれないんです。

だから、生きてください。

生まれたのはあなたの意志ではありません。
だから、死もあなたの意志で選ぶべきでは
ないはずです。

あなたのことは、
半生も今の苦しみも何も知らない私ですが、
今を耐えて、孤独から抜け出す方法を
死ぬ気で探してください。

死ぬことはいつでもできます。
でも、生き返ることはできません。

あなたが自然に逆らわずに生き続けてくださることを心から願っています。


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