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ロサンゼルスの映画会社、2社での違いを比べてみました

皆さん、こんにちは。ロサンゼルスで映画やドラマのサウンドのお仕事をしています、鈴木萌です。2つのポストプロダクションの会社に、フォーリーミキサー、ダイアログエディターとして勤めつつ、個人でも仕事を受けております。
ブログを読んでくださって、どうもありがとうございます!

*ポストプロダクションとは、映画や映像作品の撮影後の工程のことです

2つとも似たことをやっている会社なのですが、会社内での働き方や私の仕事内容は全然違うことに気づいたので、今回はそのことについてまとめられたらと思います。

A社: フォーリーミキサー

- 仕事内容

こちらの会社では主にfeature length film(約80分~ 180分の映画)を扱っています。映画を撮影してから完成させるまではたくさんの仕事があるのですが、私はその中で、この会社ではFoley Mixerとして仕事をしています。

Foleyについてはこちら👇
こちらの記事、動画で簡単にFoleyの仕事についてまとめてあります。

また、以前こちらの会社での入社までの経緯やJob Interviewの様子などを書いたので、もし宜しければご覧ください!


- 働き方

A社, B社共に社員として契約しているのですが、こちらの会社では、私の場合は毎日オフィスに出勤するスタイルではなく、、。

自分が担当するプロジェクト(映画)を、この会社とは別の場所にあるFoley Studioでレコーディングし、レコーディングしたもののEditing など、レコーディング以外の仕事は自宅でしています。

- Foley Studio について

普段映画を観ているとなかなか気付きにくいかもしれませんが、映画にはとても細かいところまで、沢山の音がついています。簡単に種類を分類すると、効果音(サウンドエフェクト)、セリフ、音楽などです。

その中の1種類としてFoleyと呼ばれる音の種類があるのですが、私はそこを担当しています。なかなか言葉でどのような音かを説明するのは難しいのですが、Foley無しで映画を観たときにはかなり違和感と物足りなさが残るような、実は映画のクオリティを大きく左右しているものがFoleyです。

その音をレコーディングする場所をFoley Studioと呼ぶのですが、私はA社でのプロジェクト、個人で受けているプロジェクト、Foleyの仕事は全てZane Bruceという方が6ヶ月前程に建てたFoley Studioを使わせてもらっています。

彼はエミー賞を取ったりしている本当にすごいFoley Artist で、まだまだ未熟な私が彼と出会えたことも偶然でしかないのですが、1回の人生で彼に出会えて本当によかった、と思うくらい人間的に素晴らしい方で、とてもよくしていただいています。

一度、実は私がクライアントとの交渉を上手くできなかったことがあり、とてもキツイ状況になってしまったことがあります。そんなときも彼がずっと助けてくれていて、そのおかげでその状況を打破することができました。彼に、「もうダメかもしれない」と電話したときのことをまだ覚えています笑

普段彼は、かなり予算の高いものしか仕事は受けないのですが、そのときは私のために他のFoley Artist達も一緒にフリーでプロジェクトを手伝ってくれました。

彼は今までSony やWarner Bros.などのFoley Studio 建設に関わっているのですが、そんな彼が「今回がベスト!」と言っているくらい、とてもいいFoley Studioでありがたいことに仕事をしています。

B社: ダイアログエディター

- 仕事内容

少し別の角度からも自分を鍛えてみてinput もした方が、もっと成長できると感じ、こちらの会社ではダイアログエディターとして働いています。いろいろなことをやっている会社なのですが、私は先程説明したいくつかの音の種類の中の、”セリフ”に関わる仕事をする部署にいて、主にDisney やNetflixと一緒に働いています。

A社、個人での仕事に比べて、扱うコンテンツの国、言語、予算などの幅がとても広いです。そのため、どれくらいの予算のコンテンツでどれくらいの内容の音が入っているのか、また、それぞれの国でのコンテンツや内容の傾向などが知れて面白いです。

- 働き方

こちらではA社とは違い、1日8時間オフィスにいないといけません。ただ、1日8時間働けば、何時に出勤しても、どれだけ長くお昼休憩をとっても自由なので、他の仕事との両立にとても助かっています。(meeting などがあればその時間には行っていなければいけないのですが、、)

周りの社員を見ていても、なんとなくの出社時間はそれぞれ好みの時間があるようですが、仕事中疲れたら社内のジムで一旦トレーニングをしてから帰ってきたりもします。

私はA社の場合は勤務時間を超えても自分が納得するまで働いてしまうのですが、こちらの会社は勤務時間内で働くということにかなり厳しいです。

Paychex というアプリで勤務時間をコントロールしているのですが、Overtime や休日に働く場合はお給料が2倍になるので、ボスの許可が必要です。なのでここでは、私は1日8時間の中でどれだけクオリティの高い仕事をこなしていけるかにフォーカスしています。

- チームの一員として働く

A社や個人としての仕事とは違い、ここでは私は最低4人程のチームで常に一緒に仕事をしています。なので、自分が何が彼らよりも弱くて、逆にどういった部分は強みとして出していけるのかが怖いくらい明確に見えます笑

例えば、私は英語がネイティブではないので、いつもチーム全体へのメールが来た時には読み終わるのが彼らより遅いです。(英語は3年前にアメリカに来たときは全く喋れませんでした。)

ただ、これはもう仕方のないことなので、どこでそれをカバーして行けるかを考えた結果、私はきっと、今チームがどういった状態にあって、チーム全体としてよりベストでいるためには何が必要なのかを把握してそれに合わせて動いていくことはできるのかなと思い、そこは意識するようにしています。

A社や個人での仕事のように自分の仕事だけにフォーカスするだけでなく、社内、チーム内で毎日たくさんの人の中で揉まれながら仕事していくことも、どちらも自分には必要だったなとつくづく思います。A社や個人での仕事、B社での仕事は全て映画の音の仕事ですが、内容は全然違うのでどちらも経験できているのは嬉しいです。


最後に

今はやっと軌道に乗って仕事をすることができているのですが、正直この状態になるまでは本当に大変でした、、。

以前の記事でも書かせていただいた通り、アメリカでは同年代で同じタイミングでする“就職活動”がありません。
なので私は地道にキャリアを積んでいる友達や業界のベテランの方にアドバイスをもらいながら、やっと今の状態まで来られたのですが、ありがたいことに最近は、noteを通してだったり、アメリカで知り合ったEnglish Speakerの友達からもtipsを聞いてもらえるようになりました。

正直、彼らのヘルプがなければ今アメリカにいられていないかもしれないくらいなので、何か聞いてもらえたときには私もできる限りのことをするようにしています笑

また、先日アメリカに来てからちょうど3年が経ちました。私は昔から何かをするときに、なんとなく3年ベースで、「だいたい3年後にはここまで行けているかな」という感覚を持ちつつ行動する癖があるのですが、3年前に思い描いていたものよりも今少し充実して過ごせているので、嬉しいです笑

今回はこんな感じで終わろうと思います。最後まで読んでくださって、どうもありがとうございます!

note以外にも他のSNSもやっているので、もしよろしければそちらも覗いてみていただけると嬉しいです。仕事のことなどは、Twitterが1番ポストできているかなと思います。☺️


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