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うまく眠れない日々を、それでも少しはマシに

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はじめに

 この記事はうまく眠れない僕たち私たちのための記事です。
 睡眠障害の当事者である僕の経験と、医師や書物から得た知識に基づきますが、当然症状には個人差がありますので、あくまで参考にとどめてください。
 なんなら、読みものと思っていただいても構いません。

いま飲んでいるお薬

 僕がいま飲んでいるのは下記のお薬になります。

 フルニトラゼパム(サイレース)3ミリ
 ブロマゼパム(レキソタン)2ミリ

 過去にはフルニトラゼパムを最大量(4ミリ)飲んでいたり、ツムラの54番(抑肝散)も試したことがあります。
 いずれももちろん保険適用で、抑肝散も漢方薬ですがエビデンスがあります。
 とはいえ、こういった薬というものは、対処療法的な面が大きく、根本的には一次的な原因(ひとりひとり異なるでしょう)をやっつける必要があります。


七転八倒せずにもう起きちゃう

 さて、僕は中途覚醒、早朝覚醒が多いタイプの睡眠障害です。
 フルニトラゼパムはデートレイプドラッグとしても知られますし、とにかく強力な睡眠薬です。
 ですから、飲めば確実に「落ちる」ことは可能です。ただし、半減期は6時間程度ですし、強い不眠傾向がある場合、この半減期というものはあまりあてになりません。
 よって、2、3時間で起きてしまうとか、短く浅い眠りを何度か繰り返し、日が昇る頃にはもう再入眠ができなくなる……ということも少なくありません。
 そういうとき、布団の中で七転八倒するのは、納期ギリギリの悪あがきのようなものです。
 「あ〜、また失敗したな。ま、しょうがない」と、もう布団から出てしまうのも手段としてはアリだと思います。


朝食を摂り、身だしなみを整える

 さて、布団から出ても、パジャマのままダラダラとソファでスマホをいじっていても仕方ありません。
 まず、朝のルーチンをやりましょう。
 内容は各人で適したものが異なると思いますが、食事と身だしなみに関しては、共通して必要なものです。
 朝食は、シリアルでも構わないと思います。そもそも、眠れなかった朝は体力が回復していません。
 頑張ってバランスのとれた食事を用意して、そこで消耗してしまってはまた生活バランスに支障をきたします。
 シリアルに牛乳をぶっかけて、よく噛んで食べましょう。それでいいと思います。少なくとも食べないより100倍いいことは間違いないです。
 朝食を終えたら、身だしなみを整えましょう。
 中年男性である僕の場合は、歯を磨き、顔を洗い、保湿やらをやって、季節によっては制汗消臭スプレーをプシューと吹きかけ、日焼け止めを塗ります。もちろん着替えも必要です。
 外に出られない人も、着替えはやりましょう。モードの切り替えと思ってもらえればよいです。


身体もちちゃんと起こす

 こうやって身支度をすれば、身体もかなり覚醒してきます。
 睡眠と覚醒はメリハリが重要(副交感神経と交感神経の問題)ですから、不眠を抱えた人が日中ぼんやりしてしまうのはある程度仕方ないとはいえ、多少なりともシャッキリしていたほうが、来るべき次の夜に希望が持てるというものです。
 お医者にかかれば必ず言われると思いますが、朝日を浴びながらの散歩なんてのもとてもいいと言われます。
 だらだらと、「眠れなかった」を引きずるのではなく、次の夜に眠るために、一度は起きるのも大切ということですね。
 散歩のついでに買い物なんかができると最高ですし、筋トレをする必要はありませんが、ある程度筋肉を使って疲労を作っておくのも有効と言われています。


希望を捨てないこと

 我々によくあるのが、「昨夜もダメだったし、どうせ今夜もダメだろう……」という、精神的な負のスパイラルに陥ってしまうことです。
 僕だっていまもそういう思考にはまり込んでしまうことがないとは言いません。
 でも、昨日と今日は同じ日ではありませんし、今日と明日も必ず少しは違いがあるはずです。
 確信を持つことは失望につながりますが、希望を捨てることは絶望への道です。
 焦燥感ばかり募る。わかります。
 鷹揚に構える。無理があろうと思われます。
 でも、「ひょっとしたら」くらいのひとかけらの希望は、懐に忍ばせておいてもいいと思うのです。


無理をしないこと

 「なにもかもが無理になること」は往々にしてあります。
 上に書いたルーチンが、たった一日だけ途切れたことで、極度に悲観してしまうこともあるでしょう。
 しかし、我々は有限ですから放っておいても終わりは来ます。そのくらいで死に急ぐことはありません。
 少しでもマシに過ごせる日がくれば、「なにもかも無理」は限りなく薄くなります。
 そして、どこからか清水が湧き出して、無理な気持ちは希釈され、安らぎすら覚える日がやってくる……ということは、「寛解」した人たちが現実に存在することからも明らかです。
 特別な人でない我々も、寛解する可能性は充分にあります。
 そのためには、リソースを使い切ってしまわないことが大切です。無理はよしましょう。


お医者さんさんにありのまま話す

 生活に支障をきたすほどの不眠を抱えながら、医師の診察を受けていないという人は、まあさすがに少ないでしょう。
 もしそういう人がいたら、まずはお医者にかかってください。
 で、医師にはありのままのことを話しましょう。お医者さんの前では緊張してしまうという人は、診察の前に、なにを話すか箇条書きにでもしておくといいと思います。
 医師の言っていることを覚えておくのが困難な場合は、「ゆっくり話してください」とお願いして、メモを取りましょう。
 きちんとあなたのステータスが伝わらないと、いかなる名医でも的確な治療、処方は不可能です。そういう意味では、コミュニケーションのとりやすい医師を主治医に選ぶのもよかろうと思われます。


おわりに

 僕は3年ほど通院していますが、睡眠障害はまだまだ(当初ほどではないとはいえ)頑固で、相変わらずいつも寝不足、頭が満足に回らない日のほうが多いありさまです。
 それでも、眠れないことが日常となるなか、一日一日をいかに少しでもマシな日にするか、明日への希望を捨てずに生きていくか、ということを折に触れて考えてきました。
 考えすぎるのもよくないわけですが、この記事に書いたことは割とシンプルな中間報告にはなっていると思っています。
 皆さまによき眠りが訪れることを心より願っています。

(これより下に文章はありません)

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