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ドイツの幼稚園で、Fachkraft (専門職)として働くことに!

家でダラダラしていたら、前に働いていた幼稚園の園長さんから電話がありました。

「申請していたあなたの資格認定(Anerkennung アンエアケヌング)が通ったよ!」って。

なんですって?!!!(全身鳥肌)

Fachkraftファッファクラフト/専門職 の認定を頂けたようです!(…ただし、条件付き。)
申請先は、Ministerium für Bildung und Kultur ミニステリウム ヒュア ビルドゥング ウンド カルテュアー / 教育文化省 です。

コロナの影響で人手不足の幼稚園に、ひょんなご縁から補助員として働き始めた私。(無資格でも補助員としては働く事が出来ました。)
でも、コロナの落ち着きと共に、幼稚園への補助員採用への補助金が終了。幼稚園を運営する協会から「有資格者なら採用出来るのだけれど…。」と言われてしまいました。

この資格申請は、園長さんが「ならば、有資格に!」と、去年の4月に申請してくれていたものです。
申請から結構直ぐに「通りそう。」とは言われたものの、その後音沙汰が無かったもので、
幼稚園教諭の専門学校へ通い始め…
挫けて辞めて…
職場を離れて、今に至っていました。

https://note.com/moekita0401/n/ne19fa2f4bf19

申請からおよそ9ヶ月後の朗報です。

幼稚園を訪ねて、話を聞いてきました。

届いた手紙では先ず「2年間有効の資格認定」で、この幼稚園で「Fachkraft(専門職)」として働く事が可能で、指定された講習に参加してレポート提出を無事に終えることが出来たら「無期限の資格証明」が貰えるとの事です。

えー、凄い!凄いけど、Fachkraft(専門家、専門職)ってなに???

辞書によると「自分の職業、専門分野において適切な知識とスキルを持っている人」

ドイツ語で、保育士・幼稚園教諭はErzieher/-inエアチーアー/リンと言います。私の頂いたFachkraftファッファクラフトは、ほぼ同等の資格として使うことが出来ます。

私は日本の保育士資格を持っていません。
ただ、ドイツでは、学んだことや職歴(経験)を総合的に見て判断してくれるので、園長さんが私の学歴や職歴から「これはいけるかも。申請してみよう!」と手続きをしてくれていたのです。

私の場合は、
日本の
・高卒、大卒の証明 
卒業した大学が、ドイツではどの程度のレベルに当たるのかが調べられます。
・大学で履修した科目の詳細
社会福祉、栄養学、心理学、教育学概論などの履修がありました。保健体育やキリスト教思想史もあって良かった。
そして、英語とフランス語
偶然にも、資格習得で必須な「英語」か「フランス語」の、「英語」のみならず『フランス語』もとっていました!…奇跡ですか。
母〜、フランス語を勧めてくれてありがとう!当時は難し過ぎて後悔したけれど。
先生〜!もう顔も覚えていないけれど、単位をくれてありがとう!!
・おもちゃ博物館での職場経験(4年間)
日本にはありませんが、ドイツでは仕事をやめると必ず Arbeitszeugnis アルバイツツォイクニス(在職証明)をもらいます。そこには仕事っぷりや有能無能が記載されるので、転職先の人事はその提出を求め、記載内容を参考に採用を検討します。博物館では子供相手の体験教室講師をしたりもしていましたので、子供とも関わる仕事だった、勤務態度も真面目だったと館長に書いて頂き送って頂きました。
・保育士試験の合格科目
子供とも関わる仕事内容だったことや、幼児教育に興味があったことで、博物館の仕事をしながらプライベートで受験していました。全科目はとれていなかったものの、合格科目の証明を提出しました。日本では合格科目も3年間しか有効ではないので、ドイツへ来た今「もう意味はないな。」と思って既に通知書も破棄してしまっており、再発行依頼から手続きしました。
まさか、あの時の努力も拾って頂けるとは!(いや、資格認定に影響したのかは知りませんけれども。)

そして、
ドイツへ来てからの
・特別支援施設で子供達の寮生活の補助(1年間)
・特別支援学校で1、2年生クラスの補助(3年間)
在職証明も良いこと書いてもらっていました。専門学校でも、一定期間の、幼稚園では無い福祉施設での職場体験の有無を問う書類提出があったので、この経歴もプラスに影響したのかも知れません。
・シュタイナー学校教論育成学校の受講(1年間)
この学校で旦那と出会いました。(←要らない情報。)
・幼稚園でクラスの補助(1年間以上)
ここの在職証明でベタ褒めして頂きました。
・幼稚園教諭対象の講習会を受講
ポツンとアジア人(しかも、無資格)で、私は何故混ざっているのだろう…と思いながらも、職場から送り込まれて受けていました。これも、結果良かったのかも知れません。

これらと、園長さんの押せ押せ、推せ推せ資格申請で… それは成し遂げられました!

既に持っている資格の書き替えではないAnerkennung(資格認定)は、本当に難しいのです。私の場合、既に一定期間の職場体験をしている(いた)園から申請して頂いたからこそ、通ったのだと思います。
※私の学歴や職歴、そしてドイツ国内での慢性的な保育士/幼稚園教諭不足という状況。実際に何が判断の助けになったのかは不明です。

凄〜い。本当に凄い!… 園長さんが。

私が今回頂いた資格を無期限で有効なものにするには、指定された講習を受講しなければいけません。
学校に通って挫けたところですので、不安でしかありません…。
しかし、園長さんは、「学校とは違うので大丈夫!」と励まして下さいます。
いや、大丈夫…?
「講習への参加方法を聞いておくね!」と園長さん。ことごとくお手数をお掛けします。
ありがたや…ありがたや…。
園長さんのご好意に応えられるように、そして、何より自分の為に、講習を受けます。専門学校を出た訳ではない事は自分がよくわかっていますので、それを補う講習を受けられることは私の糧になる事であり安心でもあります。

不安だけれども当たって砕けるべし!
出来れば砕けずに通りたいけれども!
転がり込みでもいい、通してくれ!

でもまあ、取り敢えず2年間は働く資格が保証されました。
あれ??
申請してくれた園で2年間働く事が可能って…、無制限に出来たとしても、働く先はこの園に限られるのかしら?
??? 
ちょっと、わからないですが。取り敢えず始めてみたら、その内わかってくるでしょう。←いつもこんな感じ。

話し合った結果、先ずは週3日の勤務で職場復帰となりました。

話し合い後に廊下に出ると、私に気づいた園児達が「あー!もえー!また来るの?」と寄ってきてくれて、急な知らせだったし不安もあるしで混乱していた気持ちがふわっと暖かくなりました。
やっぱり園児達は可愛いなあ!
そして、園児達から元気をもらうのだなあ!

無駄になるかも…と思いながらも、日本から実家の両親に各書類をドイツまで郵送してもらい、全ての書類を日本語からドイツ語へウン万円かけて翻訳(州の認定を受けた方によるハンコ付き翻訳じゃないとダメで、お高いのです…翻訳料…)してもらって、提出した甲斐がありました。

4回目!
同じ幼稚園に4回目のチャレンジです!

突然現れたり消えたり…。
4回目って。
保護者の人も???ですよね。
私も???ですよ。
でも宜しくお願いします!!!


2023年2月3日

私は稀なパターンだと思います。「いつか資格が取れる」という保証も無く、ただ幼児教育へ関わる意欲だけで仕事を選び続け、突き進んできた結果、運良く私を評価して応援して下さる園長さんに出逢い、良いお知らせを頂けた、という奇跡です。

因みに、日本の保育士資格は、半年程の実習とレポートでドイツのErzieher-inに書き換えができる模様です。(ドイツでは、判断がなんと、州によって、更には担当者によっても変わってきますのでご注意ください。例えば、資格習得に必要な外国語でフランス語が選択肢にあるのも住んでいる州によってそうではない可能性もありますし、私の様なパターンの可能性は無いです、という判断もあり得ます。ご自身で、ご自身の方法で“当たって砕けろ”の精神でグイグイ進んでみてください。)

ドイツでは、
「ドイツ人と仲良くなること」
「自分の意欲をアピールすること」
「自分の学びや経験に自信を持つこと」
大事です!

※Erzieher エアチーアー 男性
※Erzieherin エアチーアーリン 女性 です。
Erzieher-in と書くとこで、男性女性どちらもを表します。


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