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お気に入りの本について語る#3

何度読んでも、何度でも読みたくなる本がある。実際に登山やアウトドアをするわけじゃないけれど、そういうことに憧れはあって、思わず買ってしまったのが、この本。

ホシガラス山岳会「最高の山ごはん 歩いて作って食べた話と料理」(バイインターナショナル 2016年)

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作者の方たちが作って食べた「山ごはん」や、それにまつわるエピソードが写真やレシピとともに綴られている。どれもこれも、とてもおいしそうなの。きっと山で食べるからこそ、よりおいしいんだろうな。この本を読んで、わたしも山でごはんを作りたいと思った。まだ実現できていないのだけれど…。お父さんが登山やキャンプが好きで、子供の頃はよく連れて行ってもらった。外でお湯を沸かして食べると、カップラーメンも特別な味に感じたし、キャンプならではのダッチオーブンでコトコト煮たまるごとの鶏肉や、玄米のリゾットもおいしかったな。わたしにとっての、山ごはんの思い出。

「最高の山ごはん」とは、山と、一緒に歩いた仲間たちとの思い出そのもの。味だけじゃなく、風景や会話やとにかく全部、ずっと忘れたくない、大切な山の記憶なのだと思います。

これって、山ごはんだけじゃないよね。おいしい食べ物って、味がおいしいというだけでなく、一緒に「おいしいね」って言い合える人がいたら、もっともっとおいしくなる。「おいしいもの」について考えるとき、「あの時食べた○○がおいしかったなー」って思うことが多い。そうやって思っている時って、きっと食べた場所や一緒に食べた人とか、味だけじゃなくて、その空間の音や匂い、感情、いろんなものも、全部まとめて思い出していると思うんだ。そういう思い出が伴うことで、きっとより、自分の中に「おいしいもの」として刻み込まれていく。

この本の中で語られる、山ごはんにまつわるエピソードを読んでいると、思い出を追体験しているような気持ちになる。わたしも山へ行って、こんな素敵な体験をしたいと憧れる。今年こそ、挑戦してみようかな。登山をするってなると大変だから、まずはピクニックがてら外でお湯を沸かしてコーヒーを飲んだり、ラーメンを作るとか、簡単なことからやってみたい。アウトドア用のバーナーは実家から持ってきたから、やろうと思えばいくらでもやれる。むしろせっかくバーナーあるから、使わなきゃもったいない。暖かくなってきたから、まずは家の裏の山でやってみよう。

それからこの本、山の部分を抜きにしても、作ってみたいレシピばかり。そもそもこんな手の込んだ料理を山で作るの⁉︎っていうメニュウもたくさん。山で作れるよう、手軽にできる工夫もかかれている。まだ実際に作ってみたのはひとつくらいだから、おうちでの料理の参考にもしたい。山でのエピソードを楽しむ読み物として、山ごはんを実践するための教科書として、おうちでも試せるレシピ集として、いろんな楽しみ方ができる本で、何度読んでも楽しい一冊。素敵な本、宝物にできる本に出会えてよかった。

読んでくださって、ありがとうございました。

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