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ミニマリストになるのはやめた

今や”ミニマリスト”や”シンプルな暮らし”が流行している。車や家電もシェアし、要らないものはフリマアプリで売る。
書類はPDFでデータで保存し、読み物はkindleや電子書籍アプリを利用する。
そういった、”必要最低限のモノしか持たないことが美徳”とされてきている時代である。

私もそういった生活に憧れていた1人である。しかし、夫と結婚してから、ミニマリストになるのはやめようと思うようになった。
この記事では、結婚してミニマリストになるのを諦めた理由について書きたい。

昔から私はケチだった。お店で2000円で買ったシャツを、フリマアプリで半額で出品し、妹の参考書も勝手に出品し、得た利益で読みたかった本を文庫化まで待ち、その文庫本の中古品を買うといった節約家、別の言い方をすると”ケチ”でもある。

また、人生の節目(高校生→大学生、大学生→社会人等)には必ず、断捨離をしてきた。学校や部活で使用していたもの、描いた絵や図工作品なども、これからの人生に使うものではないと見切ったものを、大方捨ててしまった。

しかし、そんな私が夫と結婚して気づいたことがある。
捨てずにモノを持っておくことが、思い出として自分の支えになることや、大事な人を大事に想っておける糧となることを。

そんなことわざわざ言われなくても分かってるよ、と読んだ人は思うかもしれない。けれど住む家が狭かったり家族が多いと、断捨離せざるを得ない。断捨離も大事だけど、必要なくなったモノを残しておくのも同じくらい大事だと学んだ。

ミニマリストは、とても合理的で良い考え方だとも思う。
しかし、思い出のモノを見て、このときこんな気持ちでモノを買ったなぁとか、些細なものをもらったとしても、考えて選んで買ってくれた想いに愛情や感謝を感じている夫を見て、モノを持っておくことは感情も大切にすることだと思った。

人生を色濃くしてくれるのも、経験や感情を伴った、モノであることも多いと改めて意識するようになった。

夫の例をあげると、高校生時、全国大会に出場し入賞した経験があって、そのときのウチワをまだ日常使いしている(10年も前のウチワ)。
昔の日本五輪代表の野球のユニフォームTシャツも年季が入って臭くなっても捨てれない。
ポケモンパンのシールや、プロ野球チップスのカードも、コレクターでもないけど捨てれない。

捨てられない理由は、全部あった。
書ききれないが、離れて暮らす弟との思い出、夢に向かって努力した日々などを、モノを通じて思い出し、”今”を頑張る糧となるらしい。

手紙や写真など小さいもの以外の使わなくなった過去のモノはすぐ捨ててしまう私にとっては、考えがたいことだった。

だけど、夫とのすぐにモノが溢れてしまう生活は、これからの2人の思い出のモノや、考えて買った雑貨などから、些細な幸せを感じることができるとしたら、とても豊かだ。

夫の価値観に触れて、すぐに捨てたくなる衝動が自然とやわらぎ、
モノにあふれてしまったとしても、その分豊かな気持ちで暮らせるなら
それもそれで、新しい暮らし方として良いなと、やっと腑に落ちた。

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