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「父の日」興行で家族映画フィーバー 大型契約でビジネスは激震 | mofi 210号 ニュース

【興収:6月第3週】ピクサー最新作 初週$180Mで快挙

全米4,410館の大型展開で$180Mの記録的デビューを果たしたのは、ピクサー最新作『インクレディブル・ファミリー』。アニメーション作品としては初週の興行収入で歴代1位の記録を塗り替えた(これまでの最高は『ファインディング・ドリー』の$135M)。家族同伴を推奨するPGレーディングの映画としても、昨年の『美女と野獣』の$174Mを抜いて歴代8位。なお、2位は2週目の『オーシャンズ8』で$19.5M。初登場作品群の『Tag』『Superfly』が続く。(O)


【興収】J・トラボルタ主演新作『Gotti』 初週$1.6Mに加え酷評

大作映画たちの横で、インディ映画シーンでも騒動が起きている。500館規模の公開へと漕ぎ着けた『Gotti』の興行成績は、ジョン・トラボルタ主演作としては1991年の『過ぎ行く夏(原題:Shout)』以来の最低記録を樹立。現状では映画を鑑賞した批評家が10数人しかいないことも手伝ってか、米レビュー集計サイト「ロッテン・トマト(Rotten Tomatoes)」では「0%」という稀な数字も残している。製作のライオンズゲートが公開直前に脱落したり、ムービーパスが製作に参加したりと、舞台裏が騒がしい映画でもあった。(O)


【ビジネス】フォックス買収にコムキャスト再戦 提示額$65Bで大差のオファー

ディズニーか、コムキャストか。21世紀フォックスの「ニュース」と「スポーツ」部門を除いた大部分を傘下に収めるべく、2社が拮抗している。フォックスは2017年末、524億ドル(5兆9,000億円)でディズニーへ身売りすることに合意。ところが、コムキャストはオールキャッシュ・オファーでおよそ650億ドルを提示して対抗。フォックスは7月10日、株主の投票で「どちらにつくか」を天秤にかける予定。(O)


【ビジネス】AT&TとタイムワーナーのM&A承認 合憲との判断下る

AT&Tによるタイム・ワーナー買収には、米司法省が難色を示し提訴していた。12日、米連邦地裁はこれを承認する判決を下しゴーサイン。通信とメディアの融合で、新たな巨大企業が誕生したことになる。この判決は、コムキャストによるフォックス買収への参戦にも拍車をかけた。司法省が上訴する可能性は残っているが、両社はその間も手続きを進めていく。ちなみに、AT&Tによるタイムワーナーの買収額は、854億ドル(約9兆4,000千億円)。(O)


【ビジネス】T.ギリアム 念願の最新作も権利喪失 

法廷での承認を得て、カンヌでの上映まで果たしたテリー・ギリアム監督最新作『The Man Who Killed Don Quixote』。同作の権利をめぐっては、プロデューサーのフランス人、パウロ・ブランコとギリアムが数ヶ月に渡る法廷闘争を繰り広げていた。今回の判決で、ギリアムはおよそ120万円ほどの罰金をブランコに払うよう言い渡された。合わせて、同作の権利はブランコ氏に帰属することに。製作の難航ぶりがドキュメンタリーにまでなった同作。苦難は終わりそうになさそうだ。(O)


【スポーツ】W杯開幕 全米視聴率は大苦戦 前回大会から6割減

アメリカでのW杯視聴率は芳しくない。フォックスが放送権を獲得した今回、初戦の視聴者数は170万人。2014年のブラジルW杯初戦の視聴率は440万人だったことと比べると、61%減という数字。時差の問題もあるが、今回と比較的条件の近い2010年の数字と比べても24%減なので低迷ぶりが顕著。人気は確実に上がっているはずだが、数字が追いついていない。(O)


【ビジネス】O・ウィンフリー、アップルとコンテンツ契約締結

アップルのコンテンツ戦略に、オプラ・ウィンフリーが参画。ウィンフリーは自身のネットワーク「オプラ・ウィンフリー・ネットワーク(OWN)」との間に、TV広告モデルのケーブルテレビ番組を製作・出演する契約を結んでいる。このため、アップルとの契約はこれに抵触しない領域で展開される。アフリカ系アメリカ人層および政治的にリベラルな層に絶大な影響力を有するウィンフリーを、アップルが獲得した意味は大きい。(O)

著者小原康平 / 初出:2018/06/18  第210号
有料メールマガジン「Ministry of Film - ゼロからのスタジオシステム」より

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