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「タトエスト」となれば話が上手くいく?

タトエストという言葉をお聞きになったことがあるだろうか。まあないはずなので言いますが「例え話やツッコミを操る人たちの総称を今勝手に名付けたもの」 である。そりゃ聞いたことないのが当たり前。

例えツッコミといえば世間ではフットボールアワー後藤輝基、くりぃむしちゅー上田晋也などのイメージが強いと思うが、ダウンタウン松本人志を始め南海キャ ンディーズ山里亮太、麒麟の川島明等、だいたいトークの上手い人は例えも上手い。
「ツッコミ」というと大きい声で話の流れに切り込むようなイメージだが、実際はツッコミまではいかなくても結構普通に会話の中で「●●の〇みたいな?」「あ~そんな感じ」というやり取りは行われている。誰でも経験があるだろう。

考えてみると「例え」と「あるある」は似ている。両方とも「聞いた人の頭の中にシーンを共有する」共通点があるからだ。なぜそれが笑いに繋がるのかのメカニズムはよくわからないのだが。想像できすぎるというところが笑えるのかな?

●よくある「例え」
A「見てくれ、筋肉痛でもう足がプルプル…」
B「生まれたての子鹿みたいだな」(見たことあるシーンを想起する)

●よくある「あるある」
A「先生をお母さんと呼んでしまうよな」
B「やったことあるなーそれ」(体験を想起する)

という具合。「あるある」はやはりネタなので用意していないといけないが、 「例え」はその話題に対して瞬間的に出ることも多い。なので、話が面白いと言われる人は「例え」スキルが発達しているのかもしれない。話が上手な人というと一瞬「話題が豊富」とか「しゃべり方がよどみない」とかが出てきそうだが、 実はけっこうこの「例え」力も寄与している気がする。
例えばセミナーとか講義でも、ビジネスモデルを説明しながら「言ってしまえばこれは宅配便をみんなで共有するようなものです」とかあると「あ~なるほど」 となりやすい。まあこの例は何の話なんだよとは思うが。

やっぱり「その人が知っていることにイメージを近づけてあげる」という部分が重要だ。
「分かりやすく言いますとホメロスがオデュッセイアを書いた時の状況みたいなものですね」
と言われても正直分かりやすくない。その状況を知らないので。知ってる人にとっては「ああアレね」となるかもしれないが。なので共通項として使えるものをベースにしていくべきである。
例えばプロレスネタなどはバラエティ番組でもよく使われるが若い層には全然伝わらなかったりする。「お前アントニオ猪木の前で髪切った藤波辰爾じゃないんだから」とか言われてもさっぱりだ(ケンドーコバヤシなどはわざとマニアックな例を出しているが)。アニメなどであっても古いものは同様。古いのに意外と通用するのがドラゴンボールネタだが、これはずっとアニメを放送し続けているしモノマネ芸人もいるからだろう。特殊な例だ。
ついでに言うとあれだけヒットしているのにワンピース例えってあまり見ない気もする。昔は子どもたちがドラゴンボールの技真似をしまくっていたのにワンピースではあまりない。これはまったくの私見だが「かめはめ波に比べてゴムゴムの技は再現性が低いから」だとは思っている。
まったくもって話がズレた。まあ飯食ってすぐ寝たら「ルフィかお前は!」くらいはあるのかもしれない。

それはさておき。
上に書いた通り「例え」はイメージできるものでないといけない。ただ、笑いにまでつなげようと思ったら「見たことないけどイメージできるもの」のほうが良いと思う。
どういうことよ?と思われるかもしれないので具体例を出す。

■普通の例え
A「このラーメン美味しいな、すごくこってりしてるけど」
B「ちょっと天下一品の屋台の味くらいの濃さだね」
A「ああ、それそれ」

■極端な例え
A「このラーメン美味しいな、すごくこってりしてるけど」
B「この濃さ、もう食べる木工用ボンドくらいあるな」
A「そこまでドロドロか?」

まあこういう例の時毎回言うけどとりあえず面白いかどうかはさておきますよ。
「木工用ボンド」は知っているが食べ物ではないという認識がある。しかしボンド自体の触感とかを知っているので「食べる木工用ボンド」がイメージできるわけである。けっこう例えツッコミはこういうメカニズムになってる気がする。「宇宙人の書いた似顔絵か!」「イエティの作った家か!」のように。

また、オリジナル例えでなくても、「誰もが知っている面白い瞬間」みたいなのがハマればうまくいくこともある。時事ネタなどでは特に。東京観光した、といえば「日本に来たときのバッハ会長か」清掃の格好をすれば「脱出するときのゴーン会長か」といったパターン。

やっぱり「その人が知っていることにイメージを近づけてあげる」という部分が重要だ。あれっ、これさっきも言ったような。もう頭が無限ループしているのかもしれない。こんなときにはこれ。

「SFで同じ過去繰り返すヤツか!」

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