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【エヴァ考察第2章】アニメ版と新劇場版の設定の違いを徹底解説してみる

【!】2021/05/04 シンエヴァ考察書き終わりました!さっそく読む【!】

新劇場版最終章シン・エヴァンゲリオンの公開に向けて、難解だと言われているQを中心に、エヴァの世界設定や前提条件、残っている疑問点など大枠を理解するシリーズ第2章です。
こちらは
【第1章】エヴァという物語とは?旧作から概要や設定を今一度理解する
【第2章】アニメ版(旧作)と比較して新劇場版の世界設定を理解する
【第3章】前編:空白の14年間についての考察
                 後編:Qのストーリーと世界についての解説
【第4章】次回作シン・エヴァンゲリオンはどうなる?今分かっていることから予想する
の4部作です。
よかったら第1章も読んでくださるともっと楽しんで頂けるかと思います。

今回は旧作と同じ流れで進んでいくけど所々で少し設定が異なる「序」
旧作から大きく分岐した「破」
で設定が変わっている部分を解説しながら新劇場版の世界を読み解いていきますね。
空白の14年間とQを理解するために必要な前情報がたくさんありますのでぜひ覚えてください!

(今作におけるゼーレさんの設定は【第1章】で解説しております。
いきなり今作のゼーレはサタンだ!ゼーレの本当の目的は!なんて書いてしまいましたが、多分その設定が意味を成してくるのは次回作シンからで、序波Qの解説を行う第2章と第3章にはほとんど絡んできません。一旦忘れても大丈夫です。)

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今作の設定が旧作と大きく違うところ一覧

①使徒の設定が変わっている

とにかく旧作と大きく違うのが使徒です。
重要なのは旧作で第1使徒アダムは1体のみだったのに対し今作では9体もいてアダムス(複数形)になっていることと、使徒の呼び方が変わっていることでしょうか。
今作では天使名がなくなっちゃってるんですよね。でも説明する時ややこしいので旧作での呼び方を継続させていただきますね。(その方が愛着ある)

とりあえず表を(本当に使徒を愛しているのか本当に普段デザイン職なのかも疑わしいイラスト。早く寝たくて描いたらこうなった)

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なんで「第1〜2使徒」とそれ以降の「第○“の“使徒」は呼び方少し違うの?という疑問が沸くと思います。
これはアダムスとリリスが母たる存在で動かせない。それ以降の使徒は来た順と数えるからです。
この表はQの解説でめちゃめちゃ使うので、「使徒は3番目から来た順」ってことだけ覚えておいてくださいね。
アダムスがなんで9体おるねん!って疑問についてはこの後の旧世界→新世界繋がり説で詳しく解説します。

今作の使徒は残骸が残らない
旧作では倒した使徒は割と残骸が残っており、体組織のサンプルを解析しやすかったり残骸の除去に時間がかかったりしていました。旧作はそれのせいで結果的にS2機関を搭載した量産型が作られるという結果になりましたが。
今作では倒した使徒はほとんど血の様な液状になってしまう(これを形象崩壊という)ので使徒のサンプルを手に入れづらい状況となっています。
しかし旧作で使徒のサンプルからDNA解析した結果はほぼ99%人間と同じだった。スタート地点の星は一緒だったから本当は同一生物のはずなんですよね。
今作では1体だけ、残骸を手に入れることができる状況がありました。それが後々にあんなことになるなんて…という使われ方をします。

使徒の情報共有能力
旧作では後からやってくる使徒になるにつれ、少しずつ人の精神に干渉したりコンタクトを取ろうとするタイプが増えてくることもあり、使徒もリリンに興味をもって、理解のため近づこうとしているように思います。悪い言い方をすれば知恵をつけ始めているわけですが、良い言い方をすれば使徒の方からは種を超えた歩み寄りのようなものを感じるわけです。かわいいね、使徒。なのに使徒を拒否しているのは人間側の方じゃんと思ってしまうのです。使徒萌えの私としては。
でも、これは必ず単体で襲来する使徒に情報共有能力があるということの裏付けでもあります。某アニメの名称を借りるなら情報統合思念体っぽいな〜と。
人間も死んで肉体の呪縛から解けたらこれになれると思うんだけどなぁ。
しかしそれはどこでどうやって行われてるんでしょうね?使徒の場合はS2機関と関わりがありそうですけど作中で明確になっていないのでわかりませんが。
使徒自己進化論
旧作サンダルフォンの繭姿を見るとちょっとアダムっぽさも感じるので、使徒って幼生の頃はみんなアダムと同じ形してたんじゃないかと思うんです。そして成長するにつれそれぞれの環境に合った形に変化していく。(エヴァっちじゃん…)
その時に、先ほど述べたように、自分より先に死んだ使徒の情報は共有され活かされているから各使徒はそれぞれ攻め方が違うのではないかと思います。序盤で来る使徒は拒絶型が多かったですからね。(自分以外の生き物はよく分からないから拒絶するってそういった点で使徒のことよくわからないし恐怖だから殺すって人間の方がヒドイ!と思う私は使徒萌えが行き過ぎていると思います)
使徒は人の心に興味を持ったのか?という疑問に、理解というポジティブな捉え方ができるのはカヲル君ぐらいでしょうけど少なくとも使徒は自分以外に地球で活動する生命体に興味を持っていったことは明らかです。
侵食型に切り替わっていく途中に一旦最初のやり方を振り返るかのように最強の拒絶型ゼルエルが登場するのもまた面白い。使徒は個体の命と引き換えにトライ&エラーと検証を少しずつ繰り返して次の使徒の自己進化に寄与していると思うととても愛おしいです。(人類が拒絶さえしなければ使徒と共生できたかもしれない可能性を考えると悲しい)
となると単体で来襲している使徒もイスラフェルで成功体験を得ていれば2匹で協力してネルフを襲うとかいう技も獲得できていたかもしれませんね。
使徒自己進化説が本当なら、進化が進んだ使徒はいずれゼーレに肉体を与えられなくても自然と人間体に行き着いた可能性もあります。
つまりどの使徒も渚カヲルになった可能性があるということですね(それはわからん)
熱くなってすみません。使徒好きゆえに。

② 今作は旧作から繋がった世界

序のラストでカヲル君が「また3番目とはね。変わらないな、君は。」
破のラスト「今度こそ君だけは幸せにしてみせるよ」のセリフから、今作ではカヲル君はなぜかまだ会ったことの無いはずのシンジ君を知っているような、まるで過去にシンジ君を幸せにできなかったかのようなセリフがあります。
あくまでも考察にすぎないのですが、今作では旧作と世界はつながっており、カヲル君とゼーレだけが旧世界の記憶を引き継いでいます。
ただし旧作のカヲル君≠今作のカヲル君です。記憶は引き継いでても性格は少し違いそうなので別個体だと思う。
サードインパクトにより旧作世界が一旦終わってしまい、シンジの願った他人がいる世界が再構築された世界です。多分。何千年後、何万年後かはわからない。
旧劇場版で月に大きな血しぶきがかかる描写がありましたが、今作の月にもその痕があるので信憑性が高いかもしれません。
旧世界をループが始まる前の1番元となったと仮定して、新劇場版の間に何度もやり直している説もあります。
地球も46億年の中で人類が文明を築いてきたのは今この時代だけではなく過去に何度も滅んだ高度文明はあると私も思っているので旧世界の地続きで何万年も後の世界が新劇場版の世界でもおかしくない。かつ、地球で活動する魂の総数は変わらないから生まれ変わりと言う言葉があるとも思っています。

旧作ではチェロを弾いていたシンジ君
今作では宇宙や天体に興味があるようです。
破ではシンジ君の部屋には宇宙のポスターとか貼られてます。Qでもカヲル君を天体観測に誘っていますね。
でもピアノをちょっと弾いただけでいきなりあのレベルまでいけるってことは彼には音感がありそうです。旧作のシンジ君の音感を引き継いでいるという旧作とのつながりの暗喩かも。

どうやって記憶を保持したのか?なぜアダムスは9体なのか?
【第1章】で今作のゼーレがこの世界の神的存在という説明をしたため、旧作で神になる儀式を行ったゼーレが今作で記憶を保持したまま神として君臨しているのは納得できます。
じゃあカヲル君はどうやって記憶を引き継げたのか?これを考えると、先ほど①でも述べた、アダムが今作では9体いてアダムスと複数形で呼ばれることがつながってきます。
なんで9体?という根拠は序のラストで月面にてカヲル君が目覚めた場所にあった9つの棺。これがアダムス。そのうち4個はすでに開けられていて、カヲル君は5個目の棺から目覚める。先の4つはセカンドインパクトにて光の巨人の数が4体に増えていることからそれに使われたと思われます。アダムス1体につき槍も1本存在するのでロンギヌスの槍も4体出てきています。

そして9という数字とカヲル君に密接な関わりがあるのが、旧劇場版で出てきた9体の量産型エヴァです。
量産型エヴァのダミープラグ(無人でエヴァを操縦するために使用するエントリープラグ。クローン技術が使用されている)に使用されているのは「KAWORU」と書かれたもので、カヲル君の魂を元にして作られたものであることがわかります。
量産型エヴァは初号機と共に人類補完計画を発動させるための儀式としても使われます。カバラの数に合わせるために9体いるということです。この辺は【第1章】で詳しく説明しております。
そうなると旧劇場版での量産型エヴァが今作ではアダムス=神として掘り起こされているということにはなりなんだかなぁ…という気持ちになりますが…
考えてみれば量産型はアダムのコピー素体+人工的なS2機関の搭載に成功+ダミープラグで擬似的な魂入りで実質ほぼアダムと同等の状態でありながら、+神になるインパクトの儀式に参加+顔が綾波化(リリスの力、知恵の実の力を得たともとれる描写)で神になるためのあらゆる条件をクリアしているんですよ。
旧作ラストでは石化して地上に落下していますが、今作ではアダムスとしてゼーレに回収されたと考えても違和感は無いです。
そのため、回収されたアダムスの中のダミープラグに入っている旧作カヲル君の記憶を今作のカヲル君は生まれながらにして有しているというわけです。

先ほどの使徒の情報共有能力から、
拒絶タイプからだんだんと侵食型になっていく旧作の使徒達はレリエルがシンジの心、アラエルがアスカの心、アルミサエルがレイの心、とリリスベースのすべてのパイロットとほぼ一方的な心の交流という名のサンプル収集をしています。
多分ここから得た知恵の実を持つ生き物のデータがぜーんぶ渚カヲルに引き継がれているのかと思うとカヲル君が人の心を完璧に理解し超然としているのもなんだかうなずけます。(シンジ君の繊細さは驚きだったようですが)
死生観を持ち達観した彼の記憶を引き継いだ今作のカヲル。14年と言う待機時間もあってかかなり人間の気持ちに理解を示して自身も人間っぽくなったなぁと感じます。
ヒトの心を完璧に理解していても、だからといってヒトへの接し方もそうかというとそうではない。
それが旧作カヲル。今作のカヲルは記憶引き継いでるからシンジの心も完璧に理解してるし、14年間待ち続けてた間にヒトらしい接し方も身につけた。まさに完璧。シンジのために存在するような使徒なんですよ。神的存在のアダムスが命を懸けるほどのヒト、シンジ(神児)って冷静に考えたらヤバイですよね。

カヲルとゼーレは記憶の引き継ぎ方法が違う(2020/6/26追記)
旧作ゼーレが体を機械化していたのはインパクトによる記憶の書き換えを防ぐため。
旧作→今作の世界はつながっている説で、再構築された世界で人々は旧作の記憶を消されています。
何で消されてんの?どういう手順でどうなってんの?というところに言及するとさらに長くなるので、めちゃくちゃ端的にいうとほとんどの人は前世の記憶持ってないでしょ!というところに行き着きます。
インパクトは世界書き換えの儀式みたいなもんなので人の記憶も新しく書き換えられちゃうシステムとなっているってかんじです。
こういう手順でこういうことをするとインパクトってやつが起こるよ〜そんでみんな記憶も消えちゃうよ〜ってのは死海文書に書かれていただろうはずなので解読したゼーレはそれに備えて機械を体に埋め込んで魂の場所を変えていたと考えられます。
(死海文書を解読したのも割と最近っぽいので機械を体に埋め込んだのもそう昔のことでも無いのかもしれない)
だから旧作で記憶の書き換えを逃れた今作ゼーレは旧作の記憶を引き継いでいる。
ゼーレとはドイツ語で「魂」。旧作では機械に魂を移植、今作では人間体が無さげですから本当に魂だけで存在していますね。元々、肉体というものに価値を見出していなかった集団なのでしょう。さすが元宗教団体。
(気になるのは旧作のMAGI。あれも機械であるが故に補完計画の対象外であるはずなので進化し続ける人工知能とゼーレの機械が合体して今作のゼーレになっているなんて妄想もできます。)

③Qでさらに浮き彫りになる勢力図

基本的に旧作からの3極構造なのは変わりませんが、個人勢力もいくつかいるので整理しておきます。
ついでにいろんな勢力が台頭し始める破のラストあたりからの簡素ながら時系列も

■破ラスト
シンジおよび初号機が覚醒したことによりうっかりサードインパクトが始まってしまうがゼーレとしては不本意だったためカヲルの搭乗したMark6が投擲したカシウスの槍で初号機は活動停止。サードインパクトもごく初期段階で中断できたため、これは「ニアサードインパクト」と呼ばれるようになる。これにて破は終了

■空白の14年間
ニアサードインパクトが起こったことで国連激怒。ネルフ職員は幽閉される。
条件が揃ったためゼーレはサードインパクトを開始。おそらくヴィレもこのタイミングで発足する。インパクトの作業はかなり進んだが、ゲンドウがいろいろ仕込んでたことに気づいたりヴィレの妨害があってサードインパクトも完了せず中断。

インパクトを起こす条件がいろいろ満たせなくなり14年待つハメに
(いろいろ条件を揃える準備に14年間かかってしまっただけで、14年待つことが必要だったわけではない)

■Qへ
(略式時系列終了)

破~Qまでの勢力図も載せておきます。

画像4

ゼーレ
基本的に建前は不完全な人類を完璧な存在にしてあげたい。本音は【第1章】で考察したように神への復讐を果たしたい。
旧作と同じくあいかわらず使徒にインパクトを起こされるのは嫌。でもそれが終わったらアダムス製の真エヴァンゲリオン使ってとにかくさっさとインパクト起こせよな。と言いたいとこだけど旧作の記憶を持っているためゲンドウが信用できないから自分たちで割となんとかしちゃってる。空白の14年間にサードインパクトを起こすことこそが本命。
渚カヲル
Qでのカヲルはシンジのためにと行動しているので見えづらいですが序破までのカヲルはゼーレサイドです。
基本的にカヲルはゼーレによって作られなきゃ生まれないのでカヲルにも何かしら使命が与えられているはず。
それってQの13号機でフォースインパクトを起こすことでは?と思うかもしれないけどそれはゼーレがサードインパクトに失敗したから代案で採用したもの。
ゼーレにとってはサードインパクトこそが本命だったためカヲルもMark6とセットでインパクトの何らかの作業を行うため作られたと言える。それは旧作と同じくナビゲーターにするという意味合いが大きいと思う。今作ではそれを「トリガー」と呼ぶ。
とはいえ先天的シンジニストであり旧作でゼーレに逆らえることを知った彼は元よりその命令に逆らう腹づもりでおりサードインパクトに失敗した際こっそりゼーレから離反しています。なんならサードインパクトにすら参加してないと私は思っている。
ゲンドウ
神殺し(ゼーレ殺し)を行い自分が神となって、初号機の中にいるユイと会う。
モタモタしてるように見せかけて今までのインパクトは初号機と13号機の覚醒という道具を準備するためだけ。道具が揃うまではインパクト起こされると困るのでヴィレがやってくれているように見せかけ、自分の思惑だとゼーレに悟られないようサードインパクトを中断に追い込む。今作のゼーレさんは自分に秘密にしてることが多いので計画を潰すのがなかなか大変。
ヴィレとマリ↓
ネルフ職員幽閉時、マリと加持だけはそれを逃れてヴィレ発足に向けて動いていると考えています。
勢力図ではマリを個人勢力としていますがヴィレメンバーは別にマリに利用されているというわけではなく、ヴィレ内ではマリが誰よりもゼーレとゲンドウの情報を持っているというだけだと思います。
その情報量ゆえにマリだけは予想外の状況に対して臨機応変に対応できるといったかんじです。
ゼーレとゲンドウに対抗しているとヴィレの人達は思っているが、実は結構ゲンドウの手の上で踊らされている印象です。

Qラストではカヲルの退場とゼーレが電源を切られたことでゲンドウVSヴィレという非常にシンプルな構造になったように思いますが、ゼーレはまだこの世界に干渉できる上に、ゲンドウとヴィレの共通の敵であることから、ゼーレVSゲンドウVSヴィレの3極構造は全く変わっていません。

④エヴァに新しい素体が追加

さて第1章で3つあったポイントのひとつ、覚えてくれていますでしょうか?
「エヴァの素体になったもの」です。
おさらいすると、
エヴァはアダムをコピーしたものを素体に、しかし、初号機だけはリリスをコピーして作られている。でしたね。
今作ではここに、新しい素体が加わり、エヴァの呼び方も変わります。
それが号機Markの表記の違いです。

ネルフ製エヴァ
 →「号機」表記
アダムスのコピーを素体に造られる
初号機のみ今作でも多分リリスのコピー製です。
ゼーレ製エヴァ
 →「Mark」表記
今作から新しく加わったエヴァです。
おそらく月に集められている9体のアダムスそのものを素体に使用しています。
エヴァの形をしていますが、実際はエヴァの装甲という着ぐるみを着た使徒という認識が正しいかと思います。
しかしゼーレはこれを「真のエヴァンゲリオン」と呼んでいます。
ゼーレからしたらコピー体を使ってるネルフ製エヴァの方がニセモノという認識。
なんで真のエヴァンゲリオンが必要なのかは後述。
アダムスは分かっている限りではMark6、Mark9と多分13号機とネブカドネザルの鍵やヴンダーなどに使われています。
Mark4ネーメズィスシリーズっつうのもいるんですが、これにはアダムス使われたのかは謎です。次の章で解説・考察していきます。
なので今作では元となった素体は同じなんですが、エヴァの形をしていないエヴァが登場しているということですね。

破の冒頭で仮設5号機を自爆へ追い込み、ゼーレのマルドゥック計画を頓挫させるのはゲンドウの計画の一つでした。
加持の報告によりMark6が建造されていることがゲンドウへ伝えられる。そしてネブカドネザルの鍵も渡される(これについては後述)
加持は相変わらずゼーレのスパイをしているので、ゼーレがゲンドウに秘密にしている計画とかを横流しし、ゲンドウは事故などに見せかけてそれを潰していっている。
それはなぜか?表向きはゼーレの意向どおりに人類補完計画進めてますよアピールしつつ、でも事故で中々上手くいきませんね困りましたねと言いながら計画を遅らせ、本来自分がやりたかったやり方の補完計画まで時間稼ぎをしたいから。

マルドゥック計画とは
北極の永久凍土で見つかった第3の使徒はバラバラに切り刻まれて使徒封印呪詛文様を使い、北極のベタニアベースで一度封印されていました。使徒を監視し、非常事態時にはこれを殲滅させる事に特化させたエヴァ仮設5号機もそこに設置。
使徒を切り刻むことでS2機関の研究をしていたとも捉えることができますが、この第3の使徒にはエントリープラグを入れるソケットが取り付けられていたため、人の手によって使徒を制御する目的を持った研究がゼーレ主導で行われていたようです。
使徒を操縦するとどうなるかというと人の手で簡単にドグマに到達しいつでも人為的にインパクトが起こせるようになってしまうため、ゲンドウにとってはめちゃくちゃ不都合です。
なので加持を使って第3の使徒を殲滅させ、計画自体を頓挫させるように仕向けました。

今作ではゲンドウが知らないゼーレの計画がある
今作のゼーレはゲンドウをあまり信用していないのか、破のかなり早い段階でMark6の建造という、ゲンドウに渡してあるシ海文書(マニュアル)には載っていない作業を秘密裏に行なっています。
「5号機以降の建造計画は無かったはずだぞ?」と冬月が言い、ゲンドウはこれを「開示されていない外典がある」と言っています。
序のラストで月面にてカヲルが目覚めた時、ゼーレのモノリスが「死海文書外典は掟の書へと行を移した。」と言っていますのでこれがゲンドウには開示されていない部分でしょう。
序まではゲンドウにマニュアルを渡し作業させていましたが、破からはこの秘密の外典に沿ってゼーレ独自に行動し始めたということですね。
ゲンドウはそのことをスパイの加持から聞き、さっそく月にあるMark6建造場所、月面にある「タブハベース」まで見学にいきますが、タブハベースはネルフ管轄ではなくゼーレ直轄なので、ゲンドウと冬月は上陸許可をもらえませんでした。ゼーレからしたらなんでお前が知っとんねんって話ですもんね。

Mark6建造現場を窓からみたその姿はネルフ製のエヴァとは違う建造方法でした。
この建造方法の違いは素体のことを言っています。
ゼーレは「我らの望む(アダムベースに作られた)真のエヴァンゲリオン(Mark6)。その誕生とリリスの復活(綾波の魂がリリスに還ること)を持って契約の時となる。」と言っています。
ゼーレとしてはコピーのものではインパクトを起こせないから本物のMarkシリーズを作ってインパクトを起こすつもりです。ゲンドウとは違い、初号機に思い入れはない。

なんでコピー体を素体にしたエヴァではインパクトが起こせないのか?答えは単純にコピー体だから本来のアダムベースの生き物が持っている力を発揮できない。としか言いようがないのですが、コピー素体の奴らでもインパクトを起こせるようにする方法がゲンドウがよく口にする「覚醒」という方法なんですね。(もうちょっと後で詳しく説明しますね)
使徒を操縦しようというマルドゥック計画は潰せましたが、アダムスをエヴァにしようという計画をゲンドウは止められなかった。破ではゲンドウがちょっと焦り始めます。

ゼーレさんはなんやかんやでわりと最後の方までゲンドウと協力していた旧作と比べると今作では不和の色が強い、というかゲンドウに頼りっきりにならんでも自分達でなんとかするわって気持ちが強いように思います。旧世界と新世界がつながっていてゼーレは記憶を保持している説だと旧世界でゲンドウは散々言うことを聞かなかったのでそりゃ信用してなくて当然ですよね。

⑤ インパクトが人と環境に及ぼす影響

勢力図の説明の後にマリの説明をする方が順番的には良いのでしょうが、マリの説明をするためにはまず頭に入れておかなければならないことがあるのでそちらから説明させていただきます。

今作では強制進化したヒトはインフィニティになる
旧作ではヒトが強制進化した姿は、肉体が無くなったLCL状態でしたね。
今作ではまずインフィニティ(無限?)という存在への進化が始まります。見た目エヴァっぽいですね。
サードインパクトで人類は大半がインフィニティへ強制進化してしまったためほぼ絶滅状態です。しかしまだこれは群体のままですから、次の段階で1つの単体になろうとする行動があったのでしょう。
でもサードインパクトを中断するためにリリスは首を切られてしまったため、リリスに連動しているインフィニティ達も首がありません。インフィニティ達も死んだ…のか活動停止しているのか。うまいこと進化できなかったためQではカヲル君に「インフィニティのなり損ない」と呼ばれています。

インパクトのたびに赤くなっていく地球
セカンドインパクト後は世界中の海水が真っ赤になりましたが大地はなんとか免れたようです。しかし赤い海水はバクテリアさえも生きていけず、海の生物はほぼ全て死滅しています。
そしてサードインパクトが起こされた後、ついに大地がまるで使徒のコアのように赤くなってしまいました。
インパクトが完了してしまったら本当に地球は丸々1個コアになってしまいそうな気がします。
この大地に触れると、その物もだんだん赤く侵食されていきます。これを「コア化」といいます。ヒトの場合は完全にコア化侵食されると爆発して跡形もなくなってしまうそうです。
でも海の水には触れてもコア化しないっぽい。
なので人間はコア化大地に近づけなくなってしまい、ヒト目線ではその部分をL結界と呼んでいます。
L結界には密度があるようで、侵食が早い場所が密度の濃い場所なんだと思います。
でもQでピアノがある一帯だけコア化してないのも気になります。側に生えてる木も正常なままだし。どういう原理なんだろう。
コア化してるであろう場所に雑草っぽい花が咲いてたシーンもあったりと、植物とかはあんまり関係ないんだろうか…?
…と言ってもゲンドウも冬月もまだヒトのままでしょうから、ネルフ本部までコア化しちゃったらマズイため食い止めてるのかもしれません。
0706作戦ではヴィレのメンバーも全員プラグスーツを着ています。これでほんの少しは地上に滞在できるようになっているみたいです。

次回作シンで出てくるコア化していない場所
特報2ではコア化していない場所をシンジ達が訪れるシーンがあります。そこが生き残った人類のシェルター的な場所なのか、そうでもないのかはわかりませんが、トウジか加持さんも出てきてくれたら嬉しいなぁ。
でもトウジは妹がヴンダーで働いてんのに自分だけ避難してるなんてことはなさそうだしなぁ。加持さんは破で赤い海を元に戻す研究所につてがあった人だから後述のアンチLシステムの担当者とかしているかもしれない。

コア化した大地にヒトは長くいられませんが、例外として平気な存在もいます。
元々使徒である存在は大丈夫なはずです。そしてその使徒に準じた存在になってしまったヒトも平気です。逆のことを言えばコア化大地の侵食を受けないヒトはヒトじゃないということです。

⑥マリという人物の登場

(多量に妄想を含みます!注意!)
漫画版エヴァの最終巻には「真夏のエデン」という別話が付属しており、そこにマリがユイの大学の同級生として登場します。
マリはユイより少し年下の天才少女として飛び級の16歳で大学入学。ですがマリの学力を持ってしてもユイには敵わなかったようです。
嫉妬するマリですがそれが好意ということに気づいて色々あって(端折って)ユイにメガネをもらい、髪の毛をくくってもらう。そしてヨーロッパへ留学。その年に南極でセカンドインパクトが起こっています。
当時の性格は新劇場版でみせるおちゃらけた性格とは反対に結構クールです。
※あくまでも漫画版スピンオフでの設定なので新劇場版でもこの通りかどうかは不明です。
でもユイの同級生がシンジ達の時間軸にいるとなると実年齢は多分40代なんです。(マリの歌う曲が妙に古いのもそのせい)
実年齢で言うとマリの方が加持よりも年上のため、ゲンドウの目的を止めるために加持およびユーロネルフ(ヴィレの前身)を利用していたのはマリ側と思しき発言(破の最初「子供の事情に大人を巻き込むのは気後れするけど…」のセリフ)も納得できます。

なぜ破で登場した段階で子供の姿のままなのか?
マリの年齢はおそらくセカンドインパクト時(16歳)で止まっているので、この時人じゃなくなってしまう何かがあったと推測され、この時、後で説明するエヴァの呪縛にかかってしまったという可能性があります。
が、破で登場した時は「エヴァとのシンクロって、聞いてたよりキツイじゃん」と初めて乗ったようなセリフも言ってます。エヴァの呪縛はエヴァに乗らないと起こり得ないことなので。(エヴァの呪縛はこの後説明します)
Qで冬月がシンジに見せたユイの写真にマリっぽい人が写っており、本当に本人かどうかはわかりませんがかなり大人びている気もします。この写真に写っているのが本当にマリなのであれば、16歳でエヴァの呪縛にかかっていないということになるので、やっぱり矛盾が生じます。

マリはそもそも漫画版とは設定が違い、ユイの同級生ではない。本当にシンジ達の同年代として生まれている。とすれば破のラストで2号機のビーストモードを使用しここでエヴァの呪縛にかかりヒトでなくなってしまったとすることもできるのですが、
でもリツコさえ知らなかった2号機の裏コード「ザ・ビースト」を知っています。
(その前になぜ2号機はネルフ本部の許可なく動かせたのか?それは2号機のパスはユーロネルフが持っているのでユーロの協力を得たと考えられます。)
2号機にはアスカしか乗れないはずなのにマリが乗れたのはなぜ?という疑問も生まれます。
破でアスカが「2号機は私しか乗れないのに…」というセリフにリツコは「バックアップは常に用意されている」的な発言をしていますので、これは後にマリが2号機に乗るという示唆ですね。マリが2号機に乗り込む際は英語で「コアの書き換えを行います」といった旨のアナウンスがあったようですし。
しかし2号機を動かせた問題は解決できても、裏コード知っている問題はまだ解決できません。
この疑問点から、私はマリがユイ同級生説を否定したくはありません。否定材料が少なすぎるのです。
なのでマリがなぜ裏コードを知っており、シンジ達のいる時間軸にやってこれたのか、これから私なりの考察(妄想)をしていきます。

2号機の開発に携わっていた説
裏コードを知っていたこととして考えられるのはマリ同級生説をもとに京都大学ではユイと同じゼミでしたので冬月とも関わりがあるはずです。
冬月の教え子は皆何かしらエヴァの開発やネルフの発展に寄与する就職をしているため留学によりユーロへ渡り、2号機の開発に携わっていた可能性もあり裏コードを知っていることにも説明がつきます。
それならドイツでアスカの母、式波・キョウコ・ツェッペリンが2号機にダイレクトエントリーしたことも見ているでしょうし。肉体と魂を分離する技術を目の当たりにしているかもしれませんね。

なぜ2号機に乗れるのか?
初号機にはユイ、2号機にはアスカの母の魂がコアの中に入っているはずなので基本的にはその子供しか乗れないはずなんですがね。でも8号機のコアには誰が入ってるのか不明だしマリは仮設5号機にも乗れています。
初号機はよくパイロットが「もう乗らない!」詐欺を繰り返しているためそのたびに代わりとして綾波用にコアを書き換えろとゲンドウが指示しています。
このことから、今作ではコアに入ってる人の子供しか絶対乗れないというよりも、他人も乗れるが子息よりはシンクロ率が劣るぐらいにとどまるといった設定になっているのではないかと思います。
旧作からアダムベースを素体にしたエヴァを自由に操れる&シンクロ率まで自在の存在と言ったら渚カヲルなのですが、彼はそもそもアダムだからと説明がつきます。マリは一体なんなのか?

仮説①マリもアダムスの1人である(そんな無茶な)
仮説②アスカ母の親戚か何かで深い関わりがある(でも親戚ごときでシンクロできるのか?)
仮説③初号機にレイを乗せようとしたこともあるので、マリもクローン体でどんなエヴァにもある程度シンクロできる
仮説④新劇場版ではコアを書き換えれば割と誰でも乗れる(破でアスカが「私しか乗れないのに」と言っているのは本人の思い込みが強い)

①はまずあり得ないなぁ…と思います。
マリはユイに次ぐ天才なので肉体から魂を分離して保存しておく技術を生み出した第一人者であってもおかしくは無い。自分の体を実験台にした可能性も、将来きたる人類補完計画の阻止のために早いうちに手を打っていた可能性もある。
マリがいまだにユイのことを想っているというのならマリはユイとのなんらかの約束を果たそうとするために16歳の時の自分をサルベージできるようにした、いわゆるクローン体(綾波シリーズみたいに他のエヴァに乗れる)という推測もできます。
コールドスリープか、似たような方法で魂を保存→2015年に16歳の状態で復元されたとか。行きすぎた妄想ですけど。アスカ母ともなんらかの関わりがあった可能性もあります。
破の初登場時エヴァに乗りたくて乗りたくて仕方なかったような発言も多いので、開発に携わっていた時からずっと乗りたいって思ってたのかもしれないですよね。でも使徒が攻めてくる2015年には自分はエヴァに乗れない歳になっているからクローン作っとこ!2015年に目覚めよっと!って考えに至ったのだとしたらそれもマリっぽいなと思います。

マリはゼーレやゲンドウの目的を知っている。
ヴィレの人たちはミサトやリツコでさえもゼーレとゲンドウの真の目的には気付いていないのではないでしょうか?インパクト起こして人類消滅させようとしてる〜ぐらいのぼんやりとした認識の可能性があります。
おそらく所属しているヴィレのメンバーが持っているゼーレの知識より遥かにマリの方が詳しいと思います。
マリは破の序盤のように、味方にすら多くを伝えず悪い言い方をすれば所属組織を「利用」しているようにも受け取れます。これがマリがヴィレにいつつも個人勢力であるとしている理由です。
マリと関係があって、ゼーレの目的を知っている人物といえばもうユイしか該当しないので、ユイが初号機にダイレクトエントリーする前に何らか想いとゼーレの情報を託した存在が友人のマリであり、マリはユイとの約束を果たすために自分をクローン化させた。なんて妄想もできます。

とはいえ綾波とは違う
綾波は他人にクローン化されてるから精神引き継げない型。
(綾波の場合は肉体が変わると記憶全リセットというわけではなく、所々でLCLのカプセルみたいなのに入ることで記憶のセーブポイントがあるイメージです。セーブされてない記憶は引き継げない)
マリは自分で肉体をクローン化、精神引継ぎ型。肉体を失う機会もあまりないのでセーブポイントも特に必要なし。なんじゃないかな〜
とするとマリがLCL大好きなのもなんか納得できてしまうんです。
綾波の場合はリリスの魂の入れ物を継続させるために何体もスペアを作られていたけど、マリの場合は本人がただエヴァに乗りたかったとかユイとの約束を果たすとかの未来で目覚めるという目的のために肉体を保存したか作ったかしてるので、あまりスペアを用意しておこうという気持ちは無いように思います。
というかマリについては情報が少ないのでここまでが考察できる限界でございます。
情報が少ないのにここまで無理やり広げて考えるのはもう考察というより妄想ですね。

Qでマリが乗る8号機はどこ製?
多分ユーロネルフだと思っています。
ユーロネルフ+海洋研究所がヴィレの大元だと思っているので。
海洋研究所がユーロネルフの日本支部なんじゃないかとすら思っています。
空白の14年間の中で活躍したっぽいですが、時期的にはニアサードインパクトの直後に完成し、ヴィレ発足の際ヴンダーと2号機強奪の手助けを行なったのではないでしょうか。
旧作であまり登場することのなかったユーロネルフについて
今作ではまだ詳細は不明だがかなりのキーポジションにあると予測される。
旧作からもすでに日本国外にあるネルフ支部と本部はほぼ別組織や対立関係と言ってもいいほどあまり協力が無かったようで、今作ではその溝がさらに深まっている。
破で凍結される2号機(国連の条約で1つの国で稼働させて良いエヴァは3体までと決められている・4体いるとインパクト起こっちゃうからじゃないかと思われる)に対し「(2号機が日本にある状況でも)キー(所有権)はユーロ(ネルフ)が握っている」とミサトがアスカに説明しているが、この頃から日本のネルフ本部とユーロネルフはあまり協力せず別々に動いていた可能性がある。少なくとも加持とマリが独自行動できたりする程度には。
0706作戦でパリの街にあった元ユーロネルフを復旧させて資材の回収を行うシーンでユーロネルフのロゴが見えたが、日本のネルフとはまた違った形をしていたことからも信憑性が高い。実はユーロネルフのロゴは破の冒頭でもミサトの車のカーナビに一瞬映っている。
また、ロゴのカラーも日本ネルフは赤に対し、ユーロネルフは青。ヴィレのロゴカラーと同じであることから、ユーロネルフの方が一足早くゲンドウの目的とゼーレの存在に気付きヴィレ発足に向けて動いていたのではないかと思われる。
破で登場した青い海に再生する技術を研究する海洋研究所は加持とのつながりもあったことからヴィレの前身であり、水面下でその準備を進めるユーロネルフの日本支社的な隠蓑としての研究機関である可能性が高い。
(ユーロネルフを拠点として加持がゲンドウ側にスパイ行為を行い、その情報をのちにミサト達へ提供→ヴィレ発足へ)
加持さんとスイカ
旧作でもせっせとスイカの世話をしたり、今作の破でも作ってますね。これはセカンドインパクト前の世界への執着、この世界を元に戻したい気持ちの暗喩ですね。つまりはヴィレとの関わりを暗示するものだと思います。食物を育むのはきれいな水でしょうから。
そういう意味でも加持さんがアンチLシステムに関わっている説は少し現実味があります。
マリクローン説があまりにも私のぶっ飛んだ妄想すぎるので、マリが本当にシンジ達と同年代だった場合も考察してみます。
(2020/6/26追記)
破の冒頭でベタニアベースにいたが、元々そこに所属していたのではなく、加持と共にユーロから派遣されてきたと思われる。
その実はゼーレによって用意された運命を仕組まれた子供達のうちの1人でユーロネルフに派遣され潜入している。(の割に一番自由行動してるから違うんじゃないかという気持ちが拭えない)ゼーレに所属はしつつ、ユーロネルフにてサードインパクト阻止に向けてヴィレ発足の準備をする。いわば加持と同じような立場であると推測。これならゼーレの情報に詳しいことにも説明がつく。
(…と考えてみても、ベタニアベースでのマルドゥック計画はゼーレ主導だし、第3の使徒殲滅による計画の頓挫はゲンドウ首謀なので、マリが最初はゼーレの息のかかった人だとするとマルドゥック計画頓挫に関わるのはいささか危険な気がする。)
これによりQ予告で出てきた「ついに揃う、運命を仕組まれた子供達」でカヲルの前にいる4人の影のうち一番背が高いのはマリであると仮定。
この時点でマリがまだゼーレにいるとすれば、Q予告内で綾波4姉妹と同じ場所で会話していたとおぼしきシーンがあるのも不自然では無いしQでカヲルの存在を知っていそうなのにも辻褄が合う。
(と言っても、マリは国連によるネルフ幽閉を逃れているはずなので、ゼーレに所属していなくても他チルドレンとの接触は可能であると思われる)
まぁこの説は先述したマリクローン説という私の盛大な妄想とドッキングさせて考えることもできる。
(とはいえ、ゼーレが用意するチルドレンって分かってる限りではカヲルと綾波4姉妹っていう、そもそもリリンでは無い存在なんですよね…。なのでゼーレにはリリンを用意するということ自体が中々難しいのではないかと思うし、むしろリリンが混じってると違和感がすごいというか…。サードインパクトの作業が進めばリリンはみんなインフィニティにされてしまうから混じってない方がいいのでは?と思ってしまう)
次回作シン・エヴァンゲリオンではマリの設定について何か明らかになることがあるといいな…

⑦人がヒトじゃなくなる設定が追加

Qで明らかになった「エヴァの呪縛」というキーワード。14年経ってもアスカとマリの容姿が変わっていません。
エヴァに乗っただけで歳取らなくなっちゃうとかリスキーすぎてパイロット候補の子が不憫です。最初にもっと説明を受けるべきでしょう。
でも大丈夫。“普通”に運転していればこのエヴァの呪縛にかかることはありません。エヴァは“普通“に運転できてる回数の方が少なく感じますけどね…
エントリープラグが通常位置で稼働している場合は平気だが、エヴァと異常にシンクロしてしまいプラグ深度が通常位置でない場所にいくとパイロットはエヴァから侵食を受け「ヒト」でなくなってしまいます。
シンジの場合は破のラストでプラグ深度が深くなりすぎてしまいLCLとほぼ同化。初号機が覚醒(後で解説)したことにより「シン化(神化・進化)」し、エヴァの呪縛にかかっています。
他にも、ヒトだったのが使徒に侵食されてしまい半シト化したり、ヒトを捨て、野獣化(ビースト化)したりといった、ヒトという理から外れてしまっても歳を取らなくなります。

エントリープラグの深度から見るシン化とビーストモードの関係
とりあえず図にまとめてみました。

画像4

シン化すると機体およびパイロットの目は赤く発光。対極にあるビースト化は発動するとパイロットの目は緑に発光。(赤と緑は色相環の関係で補色、反対同士の色である)
ちなみに使徒に侵食されシト化したら目は青色に発光。(シン化とシト化は似ているようで違う)

マリもクローン説をエヴァの呪縛という観点から考える
Qではマリが13号機からシンジのエントリープラグを強制排出させる時、13号機に触れた腕が赤く、コア化の侵食を受けています。
実はこれと同じ現象が破でも起きている。それは綾波がサハクィエルっぽい使徒のコアが動き回らないようにがっちり押さえた時。綾波の腕もコア化の侵食を受けています。
コア化はアダムベースのコアに触っただけで起こることもわかりますね。(13号機は全身がコアなので)
このことからなんとなく2人の共通点が見えてきます。
ですが、Qラストでコア化した大地に降り立ったアスカやシンジはコア化侵食を受けていません。(これはアスカが半シト化、シンジがシン化しているからアダムベースの力を持っていて影響を受けないようになっている。なおアヤナミレイは破までの綾波とは別物 なので侵食を受けない)
このことから、チルドレン全員ヒトではなくなっているけど綾波とマリ、シンジとアスカに分けて、それぞれが別の何かになっていると考えます。
しかしマリは0706作戦でもコア化の影響を受けています。(最後の「待ってなよ、ワンコ君」のシーンで足元が侵食を受けている)
ここから考えられることは、

仮説①マリがクローン体という前提で、破の登場時まではエヴァの呪縛にかかっていなかった。ゼルエルっぽい使徒戦でビーストモードによって呪縛にかかった。→ビーストモードはシン化(シト化)の対極に位置する。ヒトではなくなっているけど使徒でもないからまだコア化の影響を受けてしまう。
仮説②綾波と同じくマリのスペアも何体かいる

②だとヴンダーの中にスペアの保管場所を作らなければならなくなり、ヴィレのメンバーもマリがクローン体だと理解しているという前提条件が必要になってしまうのであまり現実的ではない。
ということで①が今のとこ筋も通るんじゃないだろかと思います。

⑧対使徒に結界システムが作られつつある

今作からは「使徒封印呪詛文様」と呼ばれるQRコードみたいな模様が出てきます。
ベタニアベースに封印されていた第3の使徒もこれにより力を抑えられていました。アスカの眼帯の中にも書かれています。Qでシンジの首につけられたDSSチョーカーの内部にもありますね。
これをでかくすると使徒封印柱(正式名称忘れました)という長い棒になります。
使徒に侵食されたばかりのアスカを厳重に監視するために置かれていたり、0706作戦ではパリの街のど真ん中に刺さっていたりしましたね。
マルドゥック計画でもあったように、使徒をなんとかして制御しようとする研究が進んでいるようです。今のところはまだ使徒を完全に抑えることはできておらず、足止め程度の力です。
赤い海を青く、赤い大地を正常に戻すために応用できるのでヴィレの希望となる技術であると言えます。

AA弾(アンチ・ATフィールド弾)
破ではまだ使徒のATフィールドを破るのにそこそこ苦労してましたが、さすが14年間の間にATフィールドを貫通させられる技術が発達し弾丸にして打ち出せるようになっています!
なんとな〜く、使徒封印呪詛文様やアンチLシステムの技術を応用したもののような気がしますね〜。(アンチLシステムはQより先のストーリーに出てくるのでその時解説します)

⑨今作でゲンドウがやりたいインパクトの方法

さて、空白の14年間とQでのストーリーを解説していくためには、今作のインパクト発生条件とゲンドウの目的を頭に入れておかなければなりません。

旧作では作中で正式に起こされたインパクトが1回しかないため、あまり気にされることもなかったインパクト発生の条件ですが、今作ではしょっちゅう起こされるため、改めて条件を整理してみました。

画像4

インパクトを起こすためにはトリガー・ロンギヌスの槍・リリスの3つが必要であるとわかります。
ちなみに、これは反対にしてもいけます。発注者がリリスベースで、受注者がアダムでもインパクトは起こせます。その例がセカンドインパクトです。
とはいえ、使徒が主導でインパクトを起こす場合はロンギヌスの槍は必要ありません。
まず、ロンギヌスの槍はアンチATフィールドを展開してATフィールドをなくす。自我境界を無くしリリスと融合できる状態になるために必要。
使徒とヒトの違いはATフィールドを意識して展開できるかどうかです。使徒は自身のATフィールドを自由に操れるため槍のサポートを受ける必要がありません。(リリスと融合する場合にも物理的に捕食すればいいでしょうからね)その能力をリリンは持たず、自力で融合する能力を持たないため、人為的にインパクトを起こす時にのみ槍は必要となります。
あれ?破のラストで起こったニアサードインパクトには槍使ってなくね?という疑問も生じるでしょう。これはゼルエルから取り出した綾波(リリス)入りのコアが初号機のコアに溶け込んで直接融合してしまったので槍の機能が必要無くなったからです。

トリガーとは
簡単に言ってしまうと「ガフの扉を開ける者」です。
アダムとリリスの融合によってインパクトは起こり、神が生まれる。ガフの扉を開くことで初めてリリスが作業を始めてくれる。つまりリリスに会うためにガフの扉を開くという行為は「アダムベース」の者がしなければいけないということです。
アダムベースとは使徒か、アダムスを素体に作られたエヴァのことで、アダムスのコピー体では覚醒をしていないと無理です。

ゲンドウがよく口にする「覚醒」って?
先ほどコピー素体のエヴァではガフの扉を開ける者「トリガー」にはなれないと書きました。でも条件を満たせばニセモノのエヴァンゲリオンでもトリガーになることができます。
今作からよく出てくる「覚醒」というワード。言ってしまえば擬似的な神化(シン化)であり使徒化です。アダムベースの力を手に入れ、ガフの扉を開けられる存在になります。
ゼーレにとって破までのネルフ製エヴァはコピーでしかなく使徒殲滅用の道具にしかすぎない。使徒を殲滅し終わったあとはMarkシリーズを使って自分達の好きなタイミングでインパクトを起こす。
ゲンドウは初号機とのちに出てくる13号機でインパクトを起こしたい。だからゼーレが行動を起こすよりも早く、急いで初号機を「覚醒」させてコピーでもインパクトを起こせる状態に進化させなければいけなかった。

覚醒を起こすための必要条件は
①パイロットが乗っていること(エヴァに魂が宿っている)
②使徒からコア(S2機関)を取り込んでいること
(初号機はアスカを侵食した第9の使徒から、13号機は第12の使徒、元Mark6のコアを噛み砕いている)
だと思われます。

初号機がコア(S2機関)を取り込んだのはいつ?
旧作では初号機が捕食によりS2機関を取り込んだのはゼルエル戦ですが、今作では実は3号機事件の時です。
今作では旧作のゼルエルとは違い、捕食はされていないです。零号機を取り込んだ(使徒の)コアから(零号機の)コアをシンジによって引っ張り出された時にゼルエルのコアは形象崩壊しています。(ひたすらボコられただけのゼルエルかわいそう)
対して、旧作では3号機殲滅の際はエントリープラグを手で握り潰していたものが、今作では初号機の口で噛み砕かれています。
旧作では粘菌状になって3号機を侵食していましたが、今作ではエントリープラグがコアと一体となって、実質エントリープラグ=コアとなっています。
そのため、初号機が噛み砕いたことでコア=S2機関を摂取したということになります。(でもネルフ職員はそれに気付いていない)
今までの初号機は活動限界を迎えた後も動くことがよくありました。暴走した時ですね。あれはシンジの意思に関係なく、シンジを守るために中にいるユイさんが起こしています。
でも破でのゼルエル戦は違います、一旦活動限界を迎えてしまいましたが、今回はシンジの意思によりすぐに復活しています。つまり暴走してません。一度外部電源からの供給が切れたあと、あらかじめ使徒から摂取していたS2機関でのエネルギー供給に切り替わったということでしょう。

エヴァを覚醒に導くために必要な条件は使徒のコアを取り込んでいることが1つなので、3号機事件も初号機を覚醒させたいゲンドウにより仕組まれたものであった可能性があります。
が、作中では公開されていなかった絵コンテ内に3号機事件はゼーレによって仕組まれていたものと分かるセリフがあったようです。
旧作では3号機が使徒に寄生されたのは空輸中ですが、今作ではゼーレによってあらかじめ仕込まれていたとわかります。
ゼーレとゲンドウの会話を聞いている感じだと3号機の件はゼーレがものすごくゲンドウにおすすめしてるだけでゲンドウは押しつけられただけっぽいですね。でも初号機がコアを摂取できたからまぁいっか!って感じかも。
元々シンジには10体来る使徒の中からどれでもいいから1体コアを摂取してくれたらなんでもいいや〜と思ってたんでしょう。

ゼーレの目的は初号機を覚醒させることではなく、使徒化したエヴァの残骸を回収することのようです。初号機の覚醒材料を揃えたい目的のゲンドウとは違った思惑を持っていたんですね。
旧作ではコアだけを破壊できたことでネルフは使徒のサンプルとしてシャムシエルを回収することができましたが、今作での使徒はほとんど形象崩壊してしまうのでサンプルを得ることが難しい状況なんですよね。
なので3号機だけが唯一回収できた使徒のサンプル。その使い道が気になるところです。(これについてはサードインパクトおよびフォースインパクト時に使われるので次の章で解説します)

ゲンドウは初号機がシンジしか乗れないことを知らなかった?
序で冬月が「初号機パイロットの措置はどうするつもりだ?」と聞いた時、ゲンドウは「ダミープラグは試験運用前の段階だ。実用化に至るまでは今のパイロットに役だってもらう」と言う。
その後冬月「最悪の場合、洗脳か」、ゲンドウ「ダメな時はレイを使うまでだ」と続いています。ゲンドウはシンジがいなくてもダミーシステムで覚醒まで持っていけると思っていたようです。
だからゲンドウにとってのシンジ君って、初号機をやる気にさせる要員であり、本人のことはどうでもいいんですよね。
要所要所でやる気出してもらえばよくて、他はダミープラグが完成すればなんとかなるからいいや〜って思ってたんでしょう。
初号機は3号機事件で一度だけダミーシステムが使えていることから、特に問題がなければダミープラグでも動かせるはずだった。
でも一度シンジを乗せてしまったが最後、初号機はシンジ君以外は乗せたくねー!っと他を拒否するようになってしまいました。それは3号機事件が起きてしまったから。これにはゲンドウも予想外だったのでしょうけど。
このことから、シンジ以外乗せられなくなってしまったため初号機で行いたい作業は全てシンジがいなければできなくなってしまいます。ゲンドウの目的達成を遅らせるのは実の息子シンジ君っていう皮肉な状況になってます。

ネブカドネザルの鍵とエヴァ7号機について
旧作ではゼーレをスパイする加持によりこっそりゲンドウの元へ渡されたのは胎児化したアダムの肉体でしたが、今作ではちょっと人型っぽい形をしたネブカドネザルの鍵となっています。
ネブカドネザルは=サタンであり、ゼーレが保管していたもの。(ゼーレとサタンの関係は【第1章】で説明しております。)
ゲンドウの「人類補完の扉を開く、ネブカドネザルの鍵だ」というセリフ。鍵とは扉を開ける、閉めるといったことに使われる物ですね。この物語の中に出てくる「扉」というワードはガフの扉が真っ先に思い浮かびます。その言葉まんまの意味、ガフの扉を開くための道具です。
加持からも「予備として保管されていたロストナンバー。神と魂を紡ぐ道しるべですね。」と言われていることから、ロスト=抜け落ちた、ナンバー=エヴァのナンバリングで、劇中一度も登場していないエヴァ7号機の素体となるはずのものだったのでないかと思います。
ただ、先述していた号機とMarkの違いから見るに、7号機とするならアダムスのコピー素体となってしまうため、覚醒も何もしていないのであればインパクトの際に使えないと思います。この鍵はゼーレ製であることからも、素体はアダムスそのものであると考えます。
破の劇中あまり目立っていませんが初号機の覚醒の際にゲンドウの手元に置かれていたため、そのタイミングで使われていたかもしれません。

ゼーレはもともとMark6をトリガーにサードインパクトを起こして全てを終わらせるつもりでしたのでネブカドネザルの鍵はMark6で計画がポシャったもしもの時のための「予備」として保管されていた。
改めて、ガフの扉を開くためのトリガーになる条件を思い出してみると
「アダムベースか、それに準じる存在になっていること」のため、

ネブカドネザルの鍵は
・それ単体でもトリガーになる可能性もあるし
・エヴァに使えば覚醒してトリガーにすることもできるし
・人体に使えば覚醒したエヴァにダイレクトエントリーできるかもしれない
というガフの扉に関連したアダムベースの力を注入する機能を有していると考えられます。
(鍵でもあり、注射器みたいな形でもありますからね)

さて、破のラストで初号機を覚醒させるというゲンドウの目的を叶える材料は1つ手に入りました。でも初号機をトリガーとしてガフの扉もついでに開いてしまったので、ニアサードインパクトが始まってしまい何勝手なことしとるんじゃー!とゼーレさんが怒ります。
なのでゼーレから派遣されてきたカヲル君がカシウスの槍を投擲して初号機を止めてくれました。
(カヲル君からしてもシンジがインパクトを起こしてしまうとシンジが幸せになれないので止めたいという気持ちはある)
ゲンドウも、材料が全て揃うまではインパクトを起こしたくないので、エヴァを覚醒はさせてもそれと同時に起こってしまうインパクトは誰かに止めて欲しいんです。自分で止められないところが厄介ですよね。
なのでニアサードインパクトは止めてもらえてラッキー!と思っていますが、ゼーレさんはすぐにサードインパクトを起こそうとするので、今度はそれを止めるためにゲンドウは忙しくなります。
物語は空白の14年間へ!

─────────────────────────────────────

ということで一旦、序と破からわかる新劇場版の世界解説は終了です。
【第3章】ではついに空白の14年間とQの解説・考察、そのほかにも残りのアダムスはどう使われたのかなどに切り込んでいきます。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
次の章は情報が多いのでちょっと長くなりそうですが、14年間ほど楽しみに待っていてくださると幸いです。(嘘です。すぐ書きます)
あまりに長すぎると、Qの予告に空白の14年間が全部詰め込まれたみたいに【第3章】は空白の14年間編とQ本編解説の2部に分かれる可能性はあります。

第2章のポイント!

POINT①エヴァの素体にアダムスが追加!
 使徒を丸々エヴァにしている真のエヴァンゲリオン!アダムスはエヴァ以外の形にもなるよ!

POINT②ゼーレはMark6でサードインパクトが大本命
 真のエヴァンゲリオンMark6と渚カヲルをトリガーにするつもりだったのにいろいろ工作されて失敗しちゃった!

POINT③ゲンドウは初号機と13号機が覚醒するまでインパクトを起こして欲しくない
 でも覚醒とインパクトはセットで起こってしまうから誰かに止めて欲しいとも思っているよ!

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