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【エヴァ考察第4章】シン・エヴァンゲリオンはどうなる?今分かっていることから予想してみたお話

【!】2021/05/04 シンエヴァ考察書き終わりました!さっそく読む【!】

新劇場版最終章シン・エヴァンゲリオンの公開に向けて、ストーリーや設定の解説・考察、残っている疑問点など大枠を理解するシリーズ第4章です。
こちらは
【第1章】エヴァという物語とは?旧作から概要や設定を今一度理解する
【第2章】アニメ版(旧作)と比較して新劇場版の世界設定を理解する
【第3章】前編:空白の14年間についての考察
                 後編:Qのストーリーと世界についての解説
【第4章】次回作シン・エヴァンゲリオンはどうなる?今分かっていることから予想する
の4部作です。
この章では第1章〜3章の内容を元に話を進めていきますので、特に【第3章後編:Q本編解説】も読んでくださるともっと楽しんで頂けるかと思います。

注意!
この章ではもうすぐ公開の「シン・エヴァンゲリオン:‖」についてのネタバレや予想が飛び交っています。
できれば公式HPやyoutubeなどで「0706作戦」と「特報2」、「Until you come to me.」で検索して先に観てからこの章を読むことをおすすめします!
さらに注意!
こちらのページに書いてあることは全て黒歴史なので新たに特報3と本予告の考察も交えた新ページを作成しておりますのでそちらをご覧いただくことを強くおすすめいたします!!↓↓
【特報+本予告考察】https://note.com/mohi3/n/nb9f0023a6297
特報2まで出ていた段階での考察も暇つぶし程度に読みたい方はこのまま読んでいただいても良いかとは思いますが…

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Qラストまでの戦局構造を一旦おさらい

「シン・エヴァンゲリオン:‖」の予想をしていく前に、まずは前回のおさらいでQラスト時点での各勢力について思い出しておきましょう。

【第3章後編】ではゼーレとゲンドウの本当の決別があったと書きました。
「我らの願いはすでに叶った。良い。これで良い」と言って消えていったゼーレ。一体何が叶ったのか?おさらいしておくと、
ゼーレさんの願いには建前と本音がある。というのは第1章からずーっと言い続けてきておりますが、まず建前が「人類補完計画(人類の滅亡)」で本音は旧作だと「神になりたい」、今作では「神を殺す」ですね。
ゼーレはゲンドウに渡した作業マニュアル(シ海文書)の中には「建前」の部分しか書いていませんでした。地球というソフトウェアの中に生まれた人類というバグを絶滅(リセット)しインフィニティにするという願いですね。
この部分はサードインパクトの時に95%ぐらい達成してるんだと思います。何名か生き残ってますが、地球全体で見れば人口の0.何%にも満たないのでまぁホコリみたいなもんだしいっか!って思ってるんじゃないでしょうか。よって「建前としての願いは叶った」ことになります。
しかし本音の部分、「地球そのものをコアとした兵器製造工場にしてインフィニティを積んだヴンダーで神殺ししたい(なんで神殺ししたいのかは【第1章】にて解説)」はゲンドウに渡したマニュアルに書かれていない部分なので本当の目的がまだ達成できてないんです〜ってのは言うわけにはいかない。
言ったらゲンドウに全力で邪魔されるのは目に見えています。今作ゲンドウの目的も神(ゼーレ)殺しなので。
しかしその会話の後にゼーレは電源を切られてもまだフォースインパクトに介入しMark9でヴンダーを取り返そうとしていることから執着は残っているようですので、全ての願いは叶えられていないことになります。
願いが全部叶ってもうどうでも良くなってたら介入なんてしないですからね。

ゲンドウも自分に開示されていないシ海文書外典に沿ってゼーレが秘密裏に動いているためフォースインパクトに介入してくることは予測しつつも、あくまで知らないフリをしていました。
自分に与えられている分のマニュアルに沿って人類は滅亡した。あなた方の願いは叶っているはずなんだから後は私の好きなようにしても良いよね?フォースインパクトは私のやりたい方法で実行するから邪魔しないよね?と釘を刺すのがあの最後の会話シーンなんですね。
なのでゼーレは「我らの願いは全て叶った」と言わざるを得なかったわけです。

ゲンドウ側は初号機と覚醒した13号機でフォースインパクトを行いたかったが、釘を刺したはずのゼーレが介入しゼーレの思惑に沿ったインパクトへと乗っ取ろうとしてきた。
(もとよりちゃんと釘が刺せたとも思っていないでしょう)
単純に上手く事が運べばカヲルを排除してすぐに自分が13号機にダイレクトエントリーする予定だったのかもしれません。友達がすぐ隣で死んだのに即親父とダブルエントリーとかシンジも嫌だろうよ。
カヲルが自死してもゼーレに乗っ取られたフォースインパクトが終わりそうもありませんでした。ゲンドウにとっては自分の思惑通りに進められなくなったインパクトはやっても意味がありませんので中断したいところです。ここの状況を助けてくれたのがマリです。
Mark9の妨害によりうまくヴンダーおよび初号機も回収できずにゲンドウの計画は次回へ持ち越し。

ゼーレ
ヴンダーを取り返せず、頼みの綱のMark9も撃破され、トリガー候補2名も失い、ゲンドウとも完全決別したことでこの世界へのアバターがなくなりかなり劣勢に。
ゲンドウ
初号機をヴィレから強奪することは叶いませんでしたが、13号機を覚醒させることに成功。邪魔者のカヲルを排除し、ネブカドネザルの鍵も手元にあり、やっと全ての準備が整い少し優勢です。
ヴィレ
ヴンダーと初号機をなんとか守り抜きましたが主戦力の2号機と8号機が大破。パイロットも1名離脱中によりまたすぐに戦うことはキツイ状態です。
それにまだゲンドウの掌で転がされていることは知りません。

ここまでがQラスト時点での勢力図です。
さて、ここからどう進んでいくのでしょうか?

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2号機と8号機の修理に奮闘するヴィレ

次回作シン・エヴァンゲリオンの冒頭10分0706作戦解説
ヴィレのメンバーはパリにある元ユーロネルフのエヴァ資材の回収を行うため、コア化してL結界密度が高く、リリンが滞在できなくなっているパリの街を「アンチLシステム」を起動させることで復元させることを試みる。
パリの街に刺さっている爆弾みたいなでかい棒は使徒封印呪詛文様を応用した使徒封印柱と呼ばれるもの。「アンチLシステム」というコア化した大地を元に戻す機能を前任者が途中まで作ってくれていて、それをヴィレが受け継いで作業する。
開発の前任者はユーロ所属だったことからも、ヴィレの前身である海洋研究所の赤い海を青く戻す技術へ転用され、相互に技術提供し合う関係だったのだと推測します。
しかしそこでネーメズィスシリーズの妨害を受ける。

44(フォーツーシリーズ)、4444(フォー・フォーシリーズ)について
エヴァMark4を元に作られている。Qで出てきたコード4A・4B・4Cをそれぞれ2体くっつけているから44シリーズ、4体くっつけると4444シリーズになる。自動で自身を製造することができ、航空特化型タイプの44Aと電力供給型の44B、陽電子砲装備型の4444Cがいます。
エヴァの下半身だけを使い、使徒の仮面とコピーのロンギヌスの槍をつけたその見た目はもはや使徒。(マリから言わせても使徒モドキ)
Qで出てきたものと比較して0706作戦時のネーメズィスシリーズは使徒の仮面をつけていたりと、さらに使徒との融合が進んでいるような見た目になっています。
もはやネルフはエヴァと使徒の境目がなくなっているのかもしれない。というよりゼーレがかなり使徒の力を掌握していると思われる。
Qでシンジがネルフに拉致されて、とりあえず綾波を探しに行ってみようとしたシーンで大量のエヴァの手っぽいものが製造されているのも映っていましたし、カラーリング的に多分44Cとかに使われてるパーツっぽいな〜と。
リツコの「バチカン条約(エヴァの軍事転用禁止条約)違反の代物」というセリフから現在ゼーレネルフはエヴァ技術を軍事転用しヴィレを妨害しています。まあうるさく言ってくる国連ももう死んでしまっているので条約などあって無いようなものです。
陽電子砲装備型の4444Cは序でミサトが考案したヤシマ作戦で使った大電力ポジトロンライフルを踏襲しているので、リツコは「冬月指令に試されているわね。」と言いました。

陽電子砲は戦艦の底に防護壁があるので、それらをヴンダーから出るピアノ線で操演してバリヤーのように使うことで防いでいます。
マリの奮闘により時間を稼ぐことができ、無事にアンチLシステムの起動に成功。これにより武器弾薬の回収やエヴァ2体の修理資材の調達を行う。
(多分人類がほとんど滅んでしまった世界で文明も止まってしまっているし人手不足だしでヴィレは14年前に作られていた資材をなんとかやりくりするしかない状況だったといえる)
オーバーラッピング対応型やニコイチ型2号機用の資材とマリが言っているので、ほんとに2号機と8号機は融合しちゃうんだろうなぁ…見た目…。
多分くっついたらずっとそのままってよりも、合体したい時だけくっついて、必要に応じてまたそれぞれ分離したりするようになるんじゃなかろうか。
人はくっついたり離れたりを繰り返して大人になっていく…(都合の良い解釈)

「どこにいても必ず迎えに行くから。待ってなよ、わんこ君」
えっそこは姫を心配するんじゃないの??と一瞬思ってしまいました。
姫は自力でなんとかなりそうだから心配してない(信頼してる)のかな。14年間も一緒にいて部屋まで同室らしいので嫌でもお互いのことよく分かってそう。
(アスカはそれで他人と協力したり一緒に過ごすってことにしっかり耐性がついてそうで良いことですね)
それともマリは自分の目的の中にシンジがキーとしているってことなのでしょうか?
シンジを監視してないと何するかわかったもんじゃない危険人物としてみてるとか。まぁ実際シンジが槍を抜いたことでフォースインパクトは起こっちゃってるのでヴィレが依然としてシンジを危険保護対象者に見ていることは変わりないでしょう。
でもそうなるとアスカ達がヴィレと合流するとシンジは今度こそ本当に隔離監禁されそうな気もしますけど…。

マリの本当の目的ってゼーレとゲンドウを阻止するってだけではなさそうなんだよなぁ。
やっぱりここでユイとの繋がりを考えてしまう。
ゲンドウが間違った道に行ってしまった時のユイの保険、とかね。
結局のところユイも初号機の中にいるとはいえ、パイロットが乗ってないと何にもできないし、ゼーレと同じく実体がないようなものなのでこの世界で行動するためのアバターとしてマリに協力をしてもらってて、全てが終わった後に「約束は守ったよ。これで良かったの?ユイさん…」なんて言うマリもあるのかもしれない。あくまで妄想。
この後、もう少しだけマリとユイの関係について考えてみようと思います。

ヴィレとの合流を目指すアスカ達一行のゆくえ

サードインパクトの影響はなんと、常夏だった日本に冬が戻ってきているほどだった。
「Until you come to me.」では寒そうにしているシンジがいたりもします。その上着なのかただの布みたいなものはどこから出した…。
Qでカヲルとシンジが連弾する時は夏の制服で吹き曝しのネルフ内にいますから、何月なのかはわからないけどまだ夏で、シンの時点では冬がくる。夏と冬が交互に来るようになっているということですよね。四季が戻っているのかはわかりませんが。
セカンドインパクトで地軸が傾き、日本は常夏になってしまったのが、今度は元に戻るぐらいなのでサードインパクトのエネルギーが相当のものであったことが伺えます。
外の世界にたくさん立っていた十字架状のものも、爆散したインフィニティかネーメズィスシリーズが冷え固まったものかもしれませんね。

消えていくアヤナミレイ
「Until you come to me.」にぼろぼろと消えていってしまうアヤナミレイの描写がありました。
Qでアヤナミレイが生活する掘建て小屋があったのも綾波レイがよく入ってたカプセルがある場所の上でしたし、本人も入っているシーンがありましたのでもしかしたら定期的にこのカプセルに入ったり薬を飲まないとアヤナミレイは体を維持することができないんじゃないかと思います。
だからアスカとシンジに付いて行ったのはいいけど、体を維持する装置にはしばらく入ってなくてだんだん体がもたなくなってきて、消えちゃう…のかも。
破で言ってましたね。「ダメ。ここじゃないと生きられないもの」と。
このセリフはそういう意味なのかもしれませんよね。
もしくはコア化侵食に体が耐えきれなくなっちゃうとか。
0706作戦でヴィレメンバーも着ていたように、プラグスーツを着ることである程度の時間滞在は可能になるようです。
アスカとシンジはシト化とシン化の影響で半使徒みたいな状態になっているためコア化侵食を気にしなくてよくなっていますが、アヤナミレイはダメかもしれません。やっと自我っぽいものが芽生えてきたのに…。

まだコア化していない場所が残されている
「特報2」ではコア化していない場所をシンジが訪れる描写もあったり、次回予告では「たどり着いた場所がシンジに希望を教える」ともありますので、ヴィレと合流するため歩いた先に、コア化侵食の影響を受けていない場所にたどり着くのではないかと思われます。
その場所にトウジか加持、シン・カヲルがいるかもしれませんね。(「特報2」でコア化していない場所にシン・カヲルがいるシーンがあるのでシンジの幻覚でなければここで2人は会うんだと思う…)
ネルフがあるのは第3新東京市ですので、アスカ達が歩いていける範囲ってまぁ日本国内なわけで、サードインパクトによってコア化が全世界的に起こっているのは確実なので爆心地にだいぶ近そうなエリアでコア化してないって中々特異なことであると感じます。
そのため、そこは生き残った人々のシェルター的な場所か、アンチLシステムを試験的に行なっている場所、なんてことも考えられます。
過去の考察の中で海洋研究所がアンチLシステムの研究をしており、ヴィレの前身であると予測しておりましたが、加持がコネを持っていたことからアンチLシステムに携わっており、シンジ達が訪れる場所が試験場であるなら加持がいる可能性もなきにしもあらず、と言ったかんじではないでしょうか。

シン・カヲルは本当にいるの?何してるの?
「特報2」にほんの一瞬映ったカヲル。シンジ君っぽい人と一緒にいるシーンですね。
ここの背景もやっぱりコア化してない場所なんですよ。もしシンジの回想の中で出てきたQカヲルだったとしたら、背景はコア化して廃れたネルフになっているような気もしますので。
いやでもシンジもプラグスーツじゃなくてなぜか制服着てるんだよな。どこでプラグスーツ脱いだのか。
やっぱりシンジの幻覚なんだろうか。シンジの思い出の中の回想シーンか何かかもしれない。シン・カヲルなんて元々いなかったのかもしれない…不安。
特報2でたった一瞬映っただけのカヲルに私は期待をしすぎている可能性も高い。
さっきの上着しかり、シンジがプラグスーツ以外の着替えも持って来ていることを祈る。

ということで考えられること

ガチで最後のアダムス「シン・カヲル」はいる
あれはシンジ君の思い出の中のカヲルが語りかけているシーンだよ
さぁーて次回もサービスサービスゥ!私のようなめんどくさい渚オタクへ向けたただのサービスカット

…書いててあまりに不安すぎたので特報2を観なおしたらシン・カヲル(仮称)が出てくる前のシーンにヴンダーだかどっかの建物内に制服着てS−DAT持ってるシンジ君いました。こりゃシン・カヲル君出てきますね。
というかまた同じ制服支給されとるんか。
シン・カヲルも制服だし…この世界にはもう学校なんて無いんだぞ。

シン・カヲルが出てくると確信を持てたから不安がってる文章消すか?と思ったんですけどあまりに不安で狂いそうな自分が滑稽だったので残しておくことにしました。
と言うことでシン・カヲルが出てくるのはいいものの、その理由は?というところを考えなきゃいけませんね。

なぜコア化していない場所にいるのか?
これはさっきも予想した、①運よくコア化しなかった場所がシェルターになっている可能性と②アンチLシステムの試験場の可能性の2点から考えると、
①の場合だと単純にそこにシン・カヲルが紛れ込んでいたとしか現状ではわからない。
②の場合はアンチLシステムにシン・カヲルも携わっていることになる。
この理由は0706作戦時にマヤがアンチLシステムのことを「人外未知の未解明システム」「人類の言語じゃ楽に制御できないのよ」と称していることから、誰か情報提供者がいたのかと考えたからです。とはいえアンチLシステムには前任者がいたり、破の段階で水を青く戻す・使徒封印柱の技術があることからすでにシステムの基となったものはあったとも思えます。
この辺は数少ない情報から広げに広げた妄想でしかないので、あしからず。
じゃあシン・カヲルはなぜ生まれたのか?

持ち駒を無くし焦るゼーレの打開策

シン・カヲルはゼーレの保険の保険か?
今作のゼーレはかなり用心深いのでフォースインパクトが中断された時のために2体目のカヲルを作っておいたなんてこともあり得なくはないのですが、実際はゼーレがかなり追い詰められている状況を打破するために作ったと私はみています。
Qラストの時点でゼーレは持ち駒を無くしておりゲンドウとも決別したため「本音」の部分を叶えるためにはとにかくなんでもいいからインパクトが起こってくれればいいわけではなくなっている。他人が起こしたインパクトを乗っ取る方法が失われてしまっているんですね。
13号機もゲンドウの手にあり、実質アダムスの13号機と実質リリスの初号機でインパクトを起こすのはゲンドウの思惑です。
ゼーレは13号機をゲンドウから奪い取ったりでもしない限り勝算はありません。仮に奪えたとしても13号機に何か仕込んでるかもしれないから怪しい。
今作でゼーレがなんとかサードインパクトで全て終わらせようとしていたり、フォースインパクトをとにかく成功させたくて保険を用意したり、しぶとくヴンダーを追い回していたのはモタモタしていたらゲンドウ式インパクトの材料が揃ってしまい自分達の願いが叶えられないどころか神(ゼーレ)殺しが実行され自分達の死が見えてくるからなんですね。
しかし今まさにゲンドウは材料と条件を揃え、ゼーレが恐れていた事態が起きようとしている。
ゼーレ主導のトリガーを用意しインパクトが起こせなければゼーレは負ける。なんとかヴンダーだけは取り戻さなければ自分達の夢を叶えるどころか逃げることもできない。
ヴンダーを取り戻す頼みの綱Mark9も撃破されてしまい、またヴンダーの主機用にMarkシリーズのエヴァを作るにしてもおんなじ手順で撃破されてしまうだけです。ゼーレさんはヴンダーを取り返しつつ、インパクトを起こさなければならないので結構ピンチなんです。

【第3章】で整理したアダムスの使用用途表をまた持ち出してきました。

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ゼーレの手元に残っているアダムスは整理してみたかんじだとあと1体。
この状況を打破する、形勢大逆転を狙うための残り1体のアダムスの使い道がシン・カヲルを作ることではないかと考えました。

じゃあシン・カヲルをどう使うのか?
それはゲンドウ主導で起こそうとするファイナルインパクトを乗っ取って自分達主導のインパクトにするためのナビゲーター役、最後の使者として作ったのではないか?
まず13号機が怪しくてトリガーに使いたくないゼーレが目をつけるのは初号機(リリス)もセットでついてくるヴンダーの他にない。
ヴンダーはアダムス製の戦艦型エヴァなので魂を入れなければトリガーにはできない。そのための魂を担うのがシン・カヲルであると考える。

つまり、ここからはまた妄想になるのですが、
ヴンダーに見つけてもらうためにL結界密度の薄い場所を探して移動するアスカ・シンジ・アヤナミレイ。そのシンジの前にカヲルが現れる。→なんやかんやでシンジ達がヴンダーに無事保護される。→カヲルもヴンダーに乗る→ゲンドウがファイナルインパクトを起こそうとするとヴンダーは中断させにインパクト会場へ突撃→インパクト会場では槍も揃うしカヲルがヴンダーの制御を乗っ取り、カヲルをアダムスの魂、ヴンダーがアダムスの肉体としてトリガーになる。ついでにヴンダーも取り返せるし一石二鳥!
というのがゼーレが考えついた形勢逆転劇ではないかと。どうでしょう?妄想爆発でしょう?
人は情報が少ないとこんなにもぶっ飛んだ予想をしてしまうのですね。
しかしアダムスは渚カヲルという形になった瞬間にシンジニスト確定なんよなぁ。Qではそこを利用されてしまったけど。今度はシンジの「カヲルを守りたい」という気持ちを利用するつもりなんだろうか。
Qカヲルの願いや呪いがシン・カヲルを書き換えてくれることを祈る。
と言っても特報2で出てきたカヲルはシンジの心の中で語りかけてくれるQカヲル君でしたー!なんてオチもなきにしもあらず。(まだ不安がってる)
そしたら私はアダムス9体の使い道についてまた悩むことになるけどがんばる…。
今作で生まれてくる渚カヲルにはすべて旧世界でシンジ君が教えてくれたリビドーが備わってるはずなので、シン・カヲルもちゃんと持ってるはず…。
生きる気力が無くなってるシンジ君にどうかそのリビドーを分けてあげて欲しい。

神(ゼーレ)殺しされるべき理由

インパクトの起こし方と実際起こるとどうなるのかについては第1章から書いてきましたが、そもそもインパクトって何なんだろう?というところについて今作のゼーレと合わせて考えてみます。
まずインパクトとは願いに沿って世界の理を再構築する(記憶は消える)儀式と考えることができます。
私はインパクトによりもう一つ別の世界ができるとはあまり考えておらず、単一次元の世界を宇宙規模で新しく書き換えていき、同一の地球および宇宙というものはリサイクルされ、そこにある魂もまた記憶を消されてリサイクルされている。だからどんなに世界が変わってもヒトの魂がもつ本来の性格は変わらないので過ちを何度も繰り返すリリンがいるのだろうと思っています。
儀式を始めるための行動としてアダムベースがアダムへ、といった母なる者へ還った場合は他の種の絶滅を、
アダムの生命の実とリリスの知恵の実を合わせた場合は完璧な生命体へと進化する。しかしどちらにせよ結果として一旦「種のリセット」が行われる。その際開いたガフの扉を越えれば高次元へのアセンションも可能に。
そう定義づけると、まあ欲深いリリンは「自分の都合の良い世界に書き換える儀式」としてインパクトを認識するのではないでしょうか?
その結果起こる「リセット」の部分で他のリリンおよび他生物達に多大な迷惑をかけることに関しては見て見ぬふりです。
なのであたかも自分達はいいことをしようとしているという体で動かなければならないから「リセット」の部分を「行き詰まった人類を贖罪し新生させる」なんて聞こえのいい言葉に美化し建前としている。そう、それが「人類補完計画」。
ゼーレもゲンドウもインパクトを自分達のエゴで行おうとしており、完璧に私物化しているためその度に滅ぼされかけている人類からしたらいい迷惑です。

【第1章】でゼーレは今作の世界を作った神的存在であると書きました。
生命の実と知恵の実を合わせると神に等しきものになれる。旧作のインパクトを実際行ったのは初号機と量産機ですので初号機は神になれただろうし量産機はアダムスになれた。
でもゼーレはそれに乗っかって謎の詠唱してるだけですからガフの扉の向こう側に行ったぐらいじゃ本物の神にはなれないようですね。
それはQでゲンドウが「あなた方も知恵の実を与えられた存在だ」と言っていることからも明らかです。
実際のところは全知全能の神とは程遠く、ただ別の次元にいてこの世界に強く干渉できる存在といったところでしょうか。
とはいえ私たちがいる世界に置き換えて考えてみても創造の能力が無かろうと高次元の存在がいるとしたら神みたいなものだろうなと。
旧作インパクトの結果はシンジの願いが反映された世界となり、ゼーレは別次元に行って記憶を引き継いだだけなので今作の世界においても実はまだゼーレは旧世界の願いを叶えられていないから今作でも頑張っていると考えることもできます。

インパクトで一番重要なのはトリガー
旧作ではサードインパクト作業のほぼ終盤にかしかかってきたあたりでこの世界をどうしたいかという最終決定権は依り代(今作で言うトリガー)となったシンジに委ねらることから、トリガーにインパクト後の世界をどうしたいか決める権利が与えられるのではないかと。(いやでも旧作のインパクト作業者は綾波なのでシンジ君への厚意で意見聞いといたるか〜ってかんじで聞いてくれただけなのかもしれない)
となると誰をトリガーにするか、これがインパクトを起こす側(願いを叶えたい側)の最も重要な部分です。なのでゼーレとゲンドウはこの主導権争いをしていることになります。
ゼーレはカヲルがトリガーになったところで、サードインパクト時にボイコットしていることを踏まえ(【第3章前編:空白の14年間編】にて考察)、シンジのためにならない世界を望まない(ゼーレの思惑を優先するナビゲーターとして機能しない)ことはわかっていて、シンジをもう一人のトリガーとして保険にしました。
しかしシンジだって旧作のように最後の最後に他人のいる世界を望んだりする可能性がありますからゼーレにとっては都合が良くないようにみえます。
でも今作ゼーレは旧作の記憶を持っていますので、経験を踏まえ対策済みでしょう。
つまりゼーレ式インパクトが起こせれば誰がトリガーになってもゼーレは自分たちの願いを叶える準備ができていることになり、ゲンドウ式でなければなんでもいいわけです。

ゼーレが記憶を引き継ぐことだけは阻止しなければならない
私は世界の再構築も少なくて旧→新の1回か、多くてもせいぜい2桁行ってないぐらいじゃないかなと思っています。
旧作では使徒を殲滅するのに苦労してたのに、今作のゼーレは最初からアダムスを手中にしていますし、残り2体の使徒を自分たちで用意できるようにまでなっています。
ゼーレの望むインパクトを叶えてしまうと次の世界でもまたゼーレは記憶を引き継ぎ人類にも使徒にも不利で圧倒的ゼーレ有利なシステムが出来上がってしまう。それは回数を重ねれば重ねるほど埋めることのできない差になっていくと予想されます。(インパクトが起こると対策してない人たちはリセットにより記憶を消されるため)
それを阻止するという意味で神(ゼーレ)殺しをすることは人類にとって必要な選択ではないかと。
新劇場版のこの世界ではまだゼーレにとってのイレギュラーを起こせる。今しかチャンスはないんですよ。

ゲンドウの最終目的

Qのラストでゼーレの邪魔を受けましたが、ゲンドウはすべての材料を揃えました。
なのでこれからほぼアダムとなった13号機を使ってほぼリリスとなった初号機の中にいるユイに会う。そしてアダムとリリスの融合でユイと一緒にゼーレに代わる神になる。
神になるということはゼーレが作った虚構であるこの世界からゼーレのいる高次の世界に行くということ。
だからゲンドウ式ファイナルインパクトを起こすのは初号機13号機。多分これは間違いない。
「特報2」では過去にユイが初号機にダイレクトエントリーした時の装置とその前にたたずむゲンドウのシーンがありましたので、ゲンドウもネブカドネザルの鍵で13号機のコアにダイレクトエントリーするのでしょう。
そうなるとダブルエントリーシステムの13号機、誰と一緒に乗るんだよという話です。(もしかしてそのための冬月?冬月は旧作同じく見届ける者という立ち位置なのかも)
コアにダイレクトエントリーするのはいいものの、動かしてくれるパイロットいないといけなくないか?と思うんですけど初号機は暴走するとユイが勝手に動かしてくれてるしMark9だってQではアヤナミレイ脱出後も自律稼働しているのでコアに魂さえ入っていればパイロットいなくて動くぐらいはできるのかもしれない。トリガーになれるかどうかは別として。
それともシンジと一緒に乗ってユイに会いに行こうとか言うつもりなのか?今更これまでのことは全部お前のためだったんだ的なこと言ってもお前が今までシンジ君に行ってきた非道の数々忘れるわけないからな!
仮に、どんな理由であれそれがシンジのためなんだと言ったところで、友達が死んだのは親父の策略だと息子が知ったらどう思うのだろう?何を言われても親父のことなんて信じられないのが当たり前なのである。
…とはいえシンジ君のことはインパクトの道具を揃えるための作業者としてしか見てないっぽいのでゲンドウの頭の中はユイのことしかなく、息子に情などこれっぽっちも残ってなさそう。本当にひどい。

ヴィレの矛盾

この物語のキーワードの1つとして出てくる「神殺し」。
対象者は違えど、ヴィレもゲンドウもゼーレも「神殺し」をするという目標のために動いています。
それぞれの勢力が思う神を殺しに行くためには必ずインパクトは起こさなければならない。
実はそれはヴィレも同じです。

ゼーレ殺しをするという点でゲンドウとヴィレは利害が一致しているのですが、ヴィレの方はインパクトが起こると今度こそ世界は滅びるので止めたい。ヴィレは現状維持と自分達の力でなんとかインパクトに頼らない方法で世界を再生したいと望んでいます。
そのための海洋研究所だったり、アンチLシステムがあります。
しかしゼーレとゲンドウがいる限りヴィレの願いは永遠に叶わない。むしろ現状は悪化する一方。
この2者の排除にはガフの扉を開いて神殺しをする必要があるので結果としてインパクトを起こさなければ現状は打破できない。神殺しをするチャンスはインパクトの時しかありません。
しかしヴンダーはゼーレが一番取り戻したいものだし、ヴンダーの動力源に使っている初号機はゲンドウが一番手に入れたいものなのでほいほい神殺ししに行こうものならミイラとりがミイラになってしまいますので、実はヴィレが一番矛盾を抱えていると言えます。

でもそんな心配は杞憂。「特報2」をみる限りだとガフの扉は開いてしまっていますので、インパクトを防げるか防げないかの問題ではなく、ファイナルインパクトは起こります。そのトリガーがゼーレ式がゲンドウ式か、はたまた別の誰かが偶発的に起こすかの違いでしょう。
以上のことからファイナルインパクトはヴンダーとシン・カヲルで起こしたいゼーレVS初号機と13号機で起こしたいゲンドウの両者、どちらが早くインパクトできるかというRTA(リアルタイムアタック)か、どちらかが起こしたインパクトに被せて自分のやりたい儀式を行う旧作サードインパクト方式になることが予想されます。
ヴィレはインパクトの発生を防ぐことができなかったということになりますから否応なしに最終手段、腹を括ってゼーレとゲンドウを殺しにいくことしか選択肢がなくなり戦いの中に身を投じていく。
「特報2」では大量のインフィニティの中をガフの扉に向かって落下していく2号機のシーンもありました。
一応設定メモには「ガフの扉は別次元へのトンネル」との説明ありなのでヴンダーも行くんでしょうか?ゼーレ(神)はガフの扉の向こう側にいそうですもんね。どんな姿をしているんでしょう。

ガフの扉の向こう側
Qでフォースインパクトが起ころうとしてるとき、すでにちょっと向こう側見えているんですよね。
白くて丸くて光ってて棒みたいなのが何個かついてるよくわからないものが映っていました。
原画展の中にはガフの扉の向こう側のような4つの枝分かれした道みたいな風景もありました。その先には“実体”としてのゼーレはいるのでしょうか?
この丸いのがゼーレの本体だったりして!と一瞬思いましたがそれはそれで弱点丸出しすぎですね。
神(ゼーレ)殺しするにも、ゼーレをこちら側の世界に引きずり下ろすか、こちらがゼーレのいる次元に行かなければならなくて、「特報2」とこの原画を見る感じだとゼーレサイドに行きそうな気がします。でもそうしたらこちら側の世界にはもう戻ってこれないのでは?
スピリチュアル的な話で魂を1つ上の次元に上昇させることを「アセンション」と言うようですね。サードインパクトでボロボロになってしまったこの世界を捨て、人類総アセンションなんてことが起こってしまうんでしょうかね。
まぁそれを人類が全てエヴァの形になることで成そうとしたのがサードインパクトであり、その結果できたのがインフィニティなのですが。
とはいえヴィレの目的は現状維持です。ヒトでなくなることは望んでないと思われます。
ファイナルインパクトでは、あくまでもヴィレのメンバーらはヒトの形を保ったままアセンションするのかもしれません。エヴァの中が一番安全と言われているように、ヴンダーという戦艦エヴァの中に乗っていればインパクトの影響受けなくてすみそうですからね。

ファイナルインパクトのトリガーはだれ?

さて、我らが主人公シンジ君はどれに乗るんでしょう?
いままでのインパクトから考えるに、インパクトを起こすにはトリガー(引き起こすきっかけ・発注者・アダムベース)と契約を受けて作業する受注者(リリス)が必要になるのでリリス化した初号機はファイナルインパクトでは作業する側にまわり、トリガーには残ったエヴァやアダムスを使ったものの中から選ばれるのが妥当と思うのですが、初号機は覚醒により使徒化もしているのでトリガーになれないわけではないです。
やっぱり主人公だからこそ初号機に乗ってほしいなぁと思いますが、初号機動かすと今度はヴンダーが動かなくなるしなぁ。

まだ単体にはなっていないインフィニティ
荒廃した世界に放置されているインフィニティのなり損ない達は死んでいるわけではなく首がなくなって「活動停止」しているだけで、それらがファイナルインパクトの発動と同時にまた活動再開すると思われます。
人類補完計画とは、出来損ないの群体を完全なる単体へ強制進化させるものでしたが、サードインパクトで生まれたインフィニティ達はまだ群体のように思えます。
ですが、ちょっと考え方を変えてみます。
インパクトのたびに地球はどんどん赤く、だんだんと使徒のコアのようになっていきます。
アダムスには全身がコアの奴もいたりします。(Mark9とか13号機とかね)
まーたお得意のぶっ飛び妄想なのですが、インパクトが完了してしまったあかつきには、インフィニティ達のコアって、地球そのものになったりしませんかね?
なのでインフィニティ達は1体1体が集まった群体なんかではなく、地球が本体っていう考えです。地球が体だとすると、インフィニティ達は毛みたいなもんと言いますか…これは考えすぎか。

黒き月の形は聖杯?
Qラストでドグマから迫り上がって完全に表に出てしまった黒き月。フォースインパクトの中断でまた地面に落下してしまいましたが見た目がゴブレットっぽいです。
ゴブレットから連想するものは「聖杯」。ググると磔刑にされロンギヌスの槍で刺されたキリストの血を受けた聖なる器のこと。と書かれておりました。
杯は「胚」から子宮を象徴し、何かが生まれるものという意味でもあるようです。
この杯に注がれた飲み物を飲み干すと、立ちどころに傷や病を癒し、長き命と若さを授けるとされたとのこと。
それってインフィニティになるってことじゃん!
旧作でもシンジの乗る初号機は磔刑の形でロンギヌスの槍を刺され贖罪の儀式(インパクト)を始められてしまったのでシンジ=神児=キリストとするなら今作もまたシンジは磔にされ、エヴァから流れる血を黒き月の聖杯が受け止め、そこから完全なインフィニティが生まれる…とか?
ってことはなり損ないだったインフィニティ達も集まってきて聖杯の中で1つになるのかも。Qではなり損ない達は一点方向に向かおうとしたまま静止しているようなシーンもありましたし。
ゼーレの狙いはヴンダーに完全体インフィニティを乗せることかもしれませんし、ゲンドウの狙いは完全体インフィニティの入った聖杯を飲み干し永遠の存在になることなのかもしれません。
手に入れると願いが叶えられるって意味では聖杯伝説にもかけてそうなかんじですね。
しかしヴィレが頑張って中断してくれればここまで作業が進むことは無いかも。

「Until you come to me.」ではシンジっぽい人が仰向けになってて、なぜかコアがあって、そこに剣(ナイフ?)が2本刺されているグロ画像があったんですけどもしかしたらこれがその磔刑の儀式シーンかもしれませんね。
考えられることは

ヴィレに回収されたあともうトリガーにならないよう本格的に封印される
ヴィレに回収されると思いきややっぱりゼーレとネルフに連れ戻されてトリガーにされる
色々あってファイナルインパクトのトリガーになる。本当は機体に槍が刺さっているけどシンジに刺さっているように見せている。

…てこれ、メタな見方をしたら結局シンジがトリガーになっちゃうんじゃん。

アダムスっぽい4体の口にロンギヌスの槍っぽいものが刺さっているシーンもあり、セカンドインパクトで使われたアダムスと槍が4体(4本)を想起しますので、それについて何か触れてくれるのか、それともファイナルインパクトにまたこの4体を目覚めさせて使うのか、どちらでしょうかね。

今作の隠れ勢力、ユイ

聖杯、キリスト、と聖書に関わるワードが出てきたところで今度はシンジ(キリスト)の母ユイという視点から世界を考えてみます。
旧作ではユイはゼーレの子女で人類補完計画に理解のある設定なんですよね。そしてそれを知ったゲンドウがゼーレの一員になるために近づく。
死海文書を解読したのもユイであるという説もありますし、ユイは近いうち使徒が来ることを予測済みでエヴァに取り込まれることを望んだ。それが来るべき終末から唯一息子を守る方法だと信じて。だからシンジは生まれた時からもうエヴァのパイロットになることは決まっていた。
しかしユイが戻ってこなかったことによってゲンドウはおかしくなってしまい人類補完計画を提唱したりゼーレもそれに乗っかっちゃったり息子の育児放棄が起きているのでユイももう少し良いやり方なかったのかな…。
ユイがゼーレ側の人間である設定が今作にもあるなら、ゼーレだけが別の次元にいるとするとユイとの関係も変わっているはずです。
本当のユイはゼーレのいる世界に存在するのか、それともゼーレに選ばれた作業者としてこの世界に存在するのか、そこはわからないですがシンジが生まれたからこの世界を守ろうと思ったことに変わりはないかと。

旧作でのユイの目的はものすごく大雑把に言うとシンジをLCL化から物理的に守ることと言ってもいいかもしれません。生きてさえいれば幸せになれる可能性が残されているというのがユイの理念ですから。
しかし今作ではゼーレがインパクトを起こそうとすることは確定です。ゼーレ式のインパクトはゼーレが支配する世界、シンジが苦しむ世界の再生産でしかない。
今作でユイが初号機にダイレクトエントリーした理由は、シンジと共に神殺しし、ゼーレの支配からの脱却。そしてシンジが望んだ世界を作ってほしいという想いからではないでしょうか(ゲンドウ式インパクトもゲンドウとユイだけが中心でその中にシンジはいないという点でユイにとっては邪魔な計画なんですよね)
エヴァになればシンジの願いを叶えてあげられる。でもある程度人型の肉体がないと見守ることは難しいでしょう。今作ではその人型アバターとして協力を仰いだのが友人のマリではないかと思っています。

マリがユイの同級生説は50:50の可能性だと思っていますが、ゲンドウのことを漫画版と同じく「ゲンドウ君」呼びしたり、Qでアヤナミレイに「あんたのオリジナルはもっと愛想があったよ」と言ったりしています。このオリジナルって誰のことなのか考えると、
アヤナミレイはアスカにも「綾波シリーズの“初期ロット“か」と言われていたので、序破の綾波レイと同時期に作られたクローン体だと推測できます。
初期ロットということはその大元となったのは綾波ユイ(旧作でのユイの苗字は”碇”ですが今作では”綾波”ユイに変更されている)の遺伝子ですから、オリジナル=ユイ。つまりマリは「ユイはもっと愛想があったと」と言っており、ユイと関わりがある=同級生説濃厚になってくるんですよね。
どうだろうなぁ。マリとユイが同級生設定が本当の場合、【第2章】で私が暴走考察したマリ自己クローン化による記憶引き継ぎ説がかなり現実味を帯びてきてしまう…まだあの予想には自信が持てないでおりますので。

聖書に例えられる女性2人
シンジがキリストなら、聖書に当てはめるとユイはエヴァと同化したため「ヘビにそそのかされ最初に罪を犯した女」イヴ(エヴァ)でしょう。
まあ一つ懸念事項があるとすれば、初号機がアダムのコピー素体だったら確実にイヴになれてると思うんですけど、初号機ってエヴァ(イヴ)という名前が冠せられていながらリリスのコピーが素体だからユイさんあなたイヴじゃなくてアダムの最初の妻で後のサタンの妻リリスになってません?ってとこでしょうか。
といってもこれは旧作からそんなかんじだしこの物語の設定では人類がリリスから生まれた悪魔達(リリン)ということになっているのであまり気にするポイントでもないのかもしれない…。

一方キリスト教における聖母マリアは、エヴァの罪を自らの「処女性」によってあがないました。

マリアは誰に当てはまるのか?
しかし聖書の登場人物にはもう1人マリアがいます。それが「マグダラのマリア」。マリアとマリは名前が似ていたり共通点があることから「マリ=マグダラのマリア説」があります。
マグダラのマリアはキリスト教の福音書によれば、キリストの磔刑、死を見届け、復活の最初の証人になり、さらにそれを弟子たちに伝える最初の使徒となったとされる「見届ける者」です。
マリはゼーレとゲンドウ主体で起こされるインパクトは止めようと動きますが、ニアサードのようなシンジ主体となったインパクトは傍観していたりと、なんとなく冬月と同じ立ち位置のイメージがありますのでどちらかというと「見届ける者」つまり「マグダラのマリア」の方がしっくりきますね。
暴走するゲンドウのストッパーとして、そしてゼーレでもゲンドウでもない、シンジが起こすインパクト、シンジが望む世界を見届けることがマリとユイの約束。やっぱりマリは好きな人の願いを叶えようとして動いているのかもしれませんね。
第2章と3章ではマリはヴィレにいつつも別勢力といった書き方をしましたが、いわゆる「ユイ派」の勢力として定義することもできるでしょう。
イギリスへ留学していたマリはユーロで2号機の開発に携わっていた可能性もありますので、アスカの母とも実年齢が近いと思われます。友達だったかもしれないですし、シンジもアスカも、マリにとっては大切な人の忘形見なのかもなぁ。

シンのヒロインは誰?

そういえばマグダラじゃない方の聖母マリア、これは誰に当たるんでしょう?
ミサト?アスカ?レイ?
私は序破Qそれぞれにメインヒロインがいると思っています。
序は綾波、破はアスカ、Qはカヲル(ヒロインの概念とは)
まぁ誰にフォーカスした回なのか、シンジは誰と向き合うのかっていう感じですね。
じゃあ次回作シン・エヴァンゲリオン:‖でシンジが向き合う相手は?
多分私はミサトじゃないかと予測します。
庵野監督もミサトは今作ではシンジの対である副主人公としての立場、立ち位置をはっきりさせていますと述べている。
聖母マリアは処女にしてキリストを生んだ。これって結婚していないし自分が生んだわけではないけどシンジの親代わりになったミサトになんとなく当てはまりませんか?
Qでミサトに冷たくされてもシンジは槍を抜く時、ミサトのことを気にかけていますし、フォースインパクトを止められるのはもうシンジしかいなくなってしまった時にミサトは「くっ!シンジ君…!」と言っていることから、ケンカ別れのようになっているとはいえやっぱりお互いに気にかけあっています。
次回作シンではそんなミサトにシンジが向き合っていくお話かもしれません。
とりあえずまずは、何も知らないシンジ君が巻き込まれ利用されてしまうのが一番危険な上に悲惨な結果に繋がると思いますので、次こそはとにかくアスカとヴィレの皆様には懇切丁寧に「インパクトが起こる原理」などをシンジ君に説明してあげてください…。

「また会えるよ」と言ったカヲルと再会する場所はどこ?

Qで8号機が13号機からシンジのエントリープラグを強制射出させた時、カヲルが遠くに離れていくようなカットが入る。
カヲル君とのお別れのシーン。そうも見えるし、カヲルの魂が入った13号機と物理的にシンジが離されていく。そうとも感じませんか?
13号機の中にカヲルのエントリープラグが残っていればカヲルの魂が13号機のアダムスと一体化している可能性もあるので、ゲンドウがダイレクトエントリーしても旧作の最後綾波に「私はあなたの人形じゃない」って裏切られた時みたくファイナルインパクトを起こす際カヲル君に「お義父さんには乗って欲しくないなぁ」ってワンチャン拒否されて欲しさもある。願いや呪いは多分13号機に残ってる。というか私が恨んでる。Qを劇場に観に行った時からショックでこの考察を書く今の今までずっとトラウマ引きずってたんだぞ。

もしそうなるなら13号機に選ばれるのはシンジ君かもしれないし、ユイと会うのもシンジ君かもしれませんね。なんなら元の綾波にも会えるわけだし。だからカヲル君は(シン・カヲルに)また会えるよって意味ではなく、13号機の中に来てくれたらって意味で「また会えるよ」って言ったのかなぁ。なんて予想。
しかしどうなんでしょう。死んだ瞬間に魂は別の場所に行き戻らなくなってしまうのか、カヲル君が最後の抵抗で魂を13号機に残そうとしたか、カヲル君頼む…!

Qカヲルがなんとか死んでないと言い張ってみる
旧作のサードインパクトにて巨大綾波のあとに巨大カヲルが現れたわけですが、これってリリスと一体化してる綾波がそうなるのはわかるんですが、カヲルはどうしてそうなったのかってことを引っ張ってきて考えます。
まず24話にてドグマでシンジに殺してもらうことにより首はLCLに落下、多分それで体もLCLに還ってしまいました。
この時カヲルの魂(アダムの魂)はリリスのLCLと物理融合していることになります。
そしてゲンドウの右手にいるアダムの体も綾波が連れ戻してきてくれました。なのでリリスの体の中でアダムの肉体と魂は揃ったことになるのでインパクト開始。綾波とカヲルが融合してたから巨大カヲルになり、旧作シンジはまたカヲルに会えたということですね。
つまりこれ、カヲル君は死んでないんです。
うそやん首ちぎれて死んどるやんって思うかもしれないけどよ〜く思い出してください。【第1章】での覚えておきたいポイント。
そう、「肉体がなくなったぐらいじゃ死んだとは言えない論」
カヲルもまた、肉体が無くなっても死ではないと思っている側なんですよ。でも肉体があるからシンジ君と交流する歓びに浸れた。一応彼にも肉体への未練はあるんでしょう。
エヴァの世界において明確に「死んだ」と言える生物がいます。それは使徒。
使徒は肉体を傷つけられたぐらいじゃ死ない。コア(S2機関)があるから。コアが魂みたいなもんなので潰されたらもう元には戻れない。
では使徒であるはずの旧作カヲル君のコアはどこにあるのでしょう?

心臓(体は人間体だから人間の弱点全てが彼の弱点とする考え)
脳(実質は魂)
全身(今作アダムスには全身がコアの奴もいるのでカヲルもそれに準じているかも)
人間体の肉体にはない。アダムの肉体の方にコアがある

他の使徒は肉体と魂は分かれていなかったのでカヲルだけが特別な事例。
カヲルの場合、リリンの認識でいう死は多分①で、ゲンドウの右手に移植されたアダムを殲滅すること、つまり④がカヲルの本当の意味での死なのだと思います。
だから旧作カヲルは人型としての肉体を失っただけで魂は生きてる。だからでかくなってシンジの前に出てこれた。
と言ってもまあそんなことできるのは綾波とカヲルぐらいで肉体に依存した脆弱なヒトという生物から見て、肉体のない状態それは「死」と呼ばれるものなんでしょうけど。

今作ではどうなのでしょう?
「魂が消えても、願いと呪いは世界に残る」のセリフだとやっぱり魂消えちゃうのかな…と心配になります。Qカヲルの肉体はアダムスですので多分①か③で肉体の死=魂の死になってしまいそうな。
しかしLCLの中で肉体の死を迎えると体は自我境界を失いLCLに還り、魂はLCLの中に保存される。(旧作でゲンドウに撃たれてLCLの中で死んだリツコもいつのまにか液体に還っていましたね)
生きているからATフィールド(自我境界)がある。ATフィールドはリビドーの賜物ですからね。
そして今作カヲル君はLCLに満たされたエントリープラグの中で肉体の死を迎えている
よってQカヲル君の魂は13号機のエントリープラグの中を漂っていて、運が良ければコアに同化しているでQ.E.D!とかいって次回作で全然外れてたら悲しいw

でもゲンドウのことなので魂残っててもそれを見越してLCL抜き取り作業とかしそうな気もする。もしかしてゲンドウも旧作の記憶保持してたりしないよな…?と勘ぐってしまうレベルで巧妙な罠を仕掛けてくるので。
初号機からユイをどうしても取り出せないのと同じで13号機からもカヲルの魂を取り出せないようになってて欲しい。これは私の希望的観測。

新劇場版4部作のカラーと今作の隠れたテーマ

今作はそれぞれにテーマカラーが割り当てられていますよね。色には受け取る印象が違ったり、その色に込められた意味があるはずですので私の印象で書き出してみます。

序は赤
 →使徒のコア、赤い海、コア化した大地、ネルフのロゴ、ゼーレ

破はオレンジ
 →LCL、同化・融合

Qはターコイズブルー
 →青い海、ヴィレ・ユーロネルフのロゴ、空、宇宙、星

シンは白
→無、リセット、新しさ、始まりと終わり

そんなイメージを連想します。

旧作ではヒトとヒトが融合した姿が、オレンジ色の液体LCLでした。なんとなくそこから、オレンジ色って「同化・融合」を連想させる色に位置付けられていると思います。
今作では特に破から、ヒトとシトの融合が起こるようになります。
現に、破ではアスカが使徒から侵食を受け、綾波は使徒と同化し、シンジと初号機は半使徒化により第11の使徒に認定されています。
物語が進んでいくにつれ、人工的なパターン青の存在を作ったり使徒をベースに作られた戦艦にヒトが乗ったり、0706作戦時に現れたネーメズィスシリーズなんて動体エヴァの頭使徒です。
そしてインパクトのたびに地球は使徒のコアのように赤く染まっていく。だんだんシトとヒトの境目がなくなってきているんです。今作の隠れたキーワードは「同化」ですね。

旧作って、ヒトが生き延びるかシトが生き延びるかの生存競争の色がハッキリと描かれた世界なんです。
旧作カヲル君も「生き延びることができるのはどちらか1つの種だけ」と言っていますし。ヒトとシトは違う種に興味を持ち接触を試みることはあっても最後の最後、インパクトが起こってしまう時まで交わらない。
シンジだけは使徒のことあんまり敵って思ってないんです。周りが使徒は敵だと言うからそう認識しているだけで、よくわからない謎の生物って思っている。何度もめちゃくちゃ怖い目にあわされてますけど。
そして一番残酷な形でシンジはそれと向き合うことになる。自分と同じヒトの形をした使徒と出会うことで。
自分のことを初めて好きだと言ってくれて、一緒にいて欲しいと願った存在を使徒というだけで殺さなければならなかった。使徒も自分達となんら変わらない生き物なんだということを知ってしまう。
でも今作はあまり明確に生存競争してませんし、「よくわからない生物」や「敵」という表現も少ないです。なんなら同化が進んでいるし、ヒトじゃなくなってしまった者も何名かいます。
今作で登場した「エヴァの呪縛」という設定は、その使徒ともう一度逢って、違う種であっても共存したいという旧世界シンジの願いが反映されてできたのかな、なんて思いました。ヒトの理から抜け、今度は自身が使徒と同等の存在になるということで。対価としてリリンではいられなくなってしまいますが。
ヒトとシトが共存できる世界の在り方に一歩近づいたのが新劇場版の世界なのかもしれませんよ。

そういえば「エヴァの呪縛」にかかってしまったチルドレン達は、仮にヴィレの勝った世界になったとして、どうなるんでしょうね。ずっと歳を取らずに生き続けてしまうのでしょうか。それとも呪縛は解けるのでしょうか。
それでもミサトやリツコ、他メンバーとの間に開いた身体的な差は取り戻せないような気がします。

反復記号「:‖」が表すものをメタに考える

さて、次回作シン・エヴァンゲリオンのタイトルは「:‖」で、楽器を演奏したことがある人なら見たことがあると思いますがこの記号の意味は楽譜において「:‖」記号の部分まで進んだ後「‖:」があればそこまで戻るか、「‖:」がなければ一番最初に戻る。そして次に「:‖」まできたら今度はそのまま通過して最後までいくという意味です。
一応図を作っておいたのでご参考までに。

画像2

この記号をタイトルに持ってくる意味、Qからまた破に戻りやりなおし、2度目はシンに向けて通過。新劇場版の世界をもう一度やり直すというループ説なんじゃないか?というのもありますが、私は【第3章後編】であらゆるループ説を完全否定してしまった身なので今回もやっぱりこの記号の意味を私は安易にループに繋げる気はありません。
メタ的な意味で、終わった旧作をもう一度踏襲した世界を一度通過し、旧作とは違ったラストを迎えるという意味で使われているんじゃないかな〜と思っています。
とはいえ明確に旧作からの続きであるというよりも、新劇場版のストーリーを構築していくにあたり、旧作の世界と歴史に限りなく近い世界が新劇場版の世界の前に存在した。という位置付けなのかな?と思っています。

実は旧作も今作も、大枠の話の流れは変わっていない
旧作と序破Qがものすごく俯瞰で見て同じ流れで進んでいると考えれば、それすなわち1回リピートしているということとして考えることもできるんじゃないでしょうか?
ためしに色分けして共通の部分を見つけてみましょう。

画像3

物語の見せ方的には破で違う展開になったように見えますが、大枠で見ると実は破のラストあたりまで本質的に旧作と全く同じ流れで進んでいることがわかります。
今作はその大枠という旧作と同じレールから、ある地点で切り替えポイントを通過し旧作とは違ったラストにむけて進んでいくのではないでしょうか。
この図を見ると、むしろもうどこが「:‖」の通過点(切り替えポイント)か丸分かりですね。
おそらく破のラストあたりからが通過点を抜けた全く新しい部分。先ほど出した演奏順序の図でいう、Dのラストパート部分ではないかと思います。

リピートを抜け出したS−DAT
破までは同じ25-26のトラックをずっと繰り返していたシンジのS−DAT。
マリと出会ったことで次のトラック27へ進みます。Qではカヲルに直してもらった時にも次のトラック28へ進んでいます。これが変化、切り替えポイント「:‖」なのだと思います。
このトラック25と26は旧作劇場版の25話「Air」、26話「まごころを、君に」を暗示していそうなので、マリと出会わなかったらもしかしたら旧劇場版と同じ結末に進んでいたのかもしれませんね。

「シン・エヴァンゲリオン:‖」のキービジュアル
線路の切り替えポイントとタワー(東京タワー?エッフェル塔?)を下から見上げたようなビジュアルが公開されましたね。
線路の方は紛れもなく、違う結末へ向かう暗喩でしょう。
タワーの方は螺旋に近い解釈ですかね。
真上から見れば同じところをただぐるぐる回っているように見えますが、真横から見るとちゃんと登っている。同じことを繰り返しているように見えても少しずつ違った展開へと進んでいるという意味ではないかな〜と。

切り替えポイントを通過した世界。どんな結末になる?

「特報2」でガフの扉が開いても健在のヴンダーがいるということはゼーレのシン・カヲルとヴンダーでトリガー作戦は失敗するのだろうし、13号機にエントリーしたいゲンドウはQカヲルの意思に邪魔されるかもしれない。メタな見方をするとやっぱりトリガーはシンジだと思うし、初号機のような気がする。
いやもしかしたら大穴でシン・カヲルが13号機に入ってQカヲルの魂と合体しちゃって、13号機とシンジの乗る初号機とでインパクト起こすとかね。大妄想。
ヴィレはインパクトを起こしたくない。でもフィフスインパクト(ファイナルインパクト)は起こされる。これは確定。そうなった以上はもう戦うしかないし、トリガーとなるであろうシンジが願う世界に懸けるしかない。
でも世界もほとんど取り返しがつかないぐらいにぶっ壊れちゃってて、仮にゼーレとゲンドウを止めることができたとしても残されたヴィレメンバーで少しずつ世界をやり直していくのは何百年、何千年とかかる。
それでもこの世界を守りたい、ヒトとして生きていきたいと願っているのがヴィレだとは分かるんですが、いっそシンジの願いで一から再構築した方が人類にとってはいいんじゃないの?と思えてきますね。
今までの世界がシンジ君にはすでに残酷すぎるし旧作からずーっとずーっと、シンジ君が一体何をしたってんだよ?!とこっちが怒りたくなるほど彼はひどい目に合いすぎているので、報われて欲しい。幸せになって欲しい。
数々のオトナがエゴやワガママで散々シンジ君を振り回したのだから、シンジ君がトリガーになったらシンジ君が幸せになる世界を、シンジ君のワガママで願ったって全然いいと思う。主人公なんだから!

結局シンジが幸せになるためには、誰かに幸せにしてもらうのを待つのではなく、自分から掴みにいかなければならない。それは起こってしまったインパクトによってシンジが選択せざるを得ない状況に追い込まれることに他ならないのだと思います。
自分で考え、仮説を立て、実行し検証する。
そうして得たものだけが自分を支える答えだし、大人になるために必要な力であると私は思います。
お願いだからシンジ君は幸せを掴み取ってくれ〜
碇シンジの幸せは渚カヲルの幸せ。推しの幸せは私も幸せだ〜!

この考察の最後に、シンジが願う世界は?
シンジの大切な仲間、友人はみんなエヴァに乗ったことで傷ついています。
序破までのシンジの望みはエヴァに乗ること以外で誰かに認められることでした。
Qからは大切な人が誰も傷つかないようエヴァに乗りますが、エヴァに乗ったことで大切な存在を亡くします。
「(エヴァに乗ることで傷つく)運命を(大人の都合で)仕組まれた子供達
シンジが望む世界はもう誰もエヴァに乗らなくて良い世界。大切な人たちがエヴァに傷つけられない世界。エヴァの無い世界。運命からの脱却。エヴァとなった父(?)と母との決別。「さらば全てのエヴァンゲリオン」なのかもね。

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ということで第4章はこれにて締めさせていただきたいと思います。
また新たな発見がありましたら追記していきますね。
この章自体が私の黒歴史になるかどうかは劇場にて確かめるしかないです。(こんな歳になっても黒歴史生み出すとかw)予想がどれか1個でも当たってるといいなぁ…。
長い長い4部作、ここまで読んでくださって誠にありがとうございました。この解説文と考察が皆様のエヴァ理解度の一助になれましたら幸いです。
次はシン・エヴァンゲリオン:‖公開後の解説をもってこのシリーズの完結にしたいと思います。
それまでは小ネタ集でも作りましょうかね〜。
気になることや自分はこう予想する!っていうのがあればぜひお聞かせください。

第4章からシン・エヴァ:‖公開時の要チェックポイント!

POINT①シン・カヲルの役割
ゼーレに用意されたことは間違いないでしょうが、どう動くかは彼次第です。

POINT②ファイナルインパクトのトリガーは誰?
トリガーが誰(どれ)になるかによってどの神が殺され、どの勢力の願いが叶うのかが分かります。
シンジとミサトの関係も要チェック!

POINT③インパクト後の世界、シンジは幸せになる?
なんだかんだ言ってここが一番重要!
世界再生の要「アンチLシステム」がどこまで作用するのか?それともインパクトで全て1からやり直すのか?
とにかくシンジ君が幸せになってくれればどんな世界になってもオールオッケー!


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