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短編集の感想と… : 平野啓一郎 (著)『タイアップ小説集』 / 原田 宗典 (著)『どこにもない短編集』/ 「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。

原田 宗典 (著) 「人の短編集」

kaka.さんの投稿を読んでから直ぐ、原田 宗典 (著)「人の短編集」は一通り読み終わる。kaka.さんがお勧めしたお話はジワっときて良かったし、最初の数話は『なるほど』と思ったのですが、それ以降のお話は流れを追うだけになってしまった。読み物には書き手の書き方により、好き好きが出るのだなと改めて感じた次第。

『人の短編集』は、Amazonであまりコメントもなく、短編集で一番評価の多い『どこにもない短編集』も読んでみた。

うーん、何でだろう?
個人的には、一編一編を読み流してしまう感じ😅


平野啓一郎 (著) 『タイアップ小説集』

『短編集でも(自分に合う)読ませる物語があったはず』と思い、今年の夏に読んだ、平野啓一郎 著の『タイアップ小説集』を思い出し、改めて読んでみた。

物語の中に『ブランド名』が出てくるわけではなく、ジンワリとそのブランドをイメージさせるようなお話。
月刊誌『FRaU』に連載された「Fashion Series」の作品を中心に様々な媒体で発表された、掌編小説やエッセイを一冊に書籍化したもの。

掲載された雑誌のイメージに沿ったお話が多いが、そこは最年少芥川賞受賞作家、文章は洗練され良く練られているように感じられる。

【目次】
そよ風になった少年 ~ CHANEL
光を浴びて ~ ETRO
ポール ~ HERMES
まちあわせ ~ EMPORIO ARMANI
老人とワイン畑 ~ PRADA
春眠 ~ Louis Vuitton
指輪と蓮の花 ~ DE BEERS
エレベーターの前で ~ BURBERRY PRORSUM
太陽の涙 ~ Cartier
魔術師の瞳 ~ BVLGARI
鍵を開けて、中を見て ~ TIFFANY&Co.
心のいろ ~ BOTTEGA VENETA
大理石の上の花瓶と花々 ~ DOLCE&GABBANA
残った花びらは二つ ~ TOD'S
あの花は誰から届けられたの? ~ Dior
待ち人、来たる ~ FENDI
あの子の正体 ~ LANVIN
記憶カレンダー ~ BALENCIAGA
時間の透明なマス目 ~ エルメス銀座店
マネキンたち ~ シャネル銀座店
旅のあとさき ~ GUERLAIN
腕時計のなかった腕 ~ HARRY WINSTON
(以下エッセイ5編)

雑感

お二方とも文筆業を生業なりわいにして、多くの書籍を出されている、プロの作家さん。
読む人の好き好きとは思いますが、私は平野啓一郎氏の文章が好み。

とはいえ、kaka.さんにご紹介いただいた『人の短編集』は勉強になりました。
今まで、一人称のお話を書いたことがなく(だいぶ前に書いてみて、上手くいかずネットに途中放置のまま)、『人の短編集』は一人称のお話がほとんどで、参考になったのは登場人物に固有名詞を使わないこと。
そのような短編は多々読んでいますが、この本は参考にしやすいお話がいくつかありました。

いわゆるライトノベルには、個性的なキラキラネームがたくさん出てくるお話が多いのですが、私は名前を付けるのが苦手で、登場人物にはどこにでもいる平凡な名前を付けようとするのですが、どこかで聞いた名前になってしまったりして、あとで改名したくなります。
『人の短編集』は「彼」「彼女」など代名詞しか使用していません。

カクヨムWeb小説短編賞2021

先日、投稿を終えた連載?ショートショートこの展開は、何なの!?(とある受験生のつぶやき)は14千字ほどで、固有名詞を使わずに物語を終わらせることが出来ました。

このお話、『カクヨム』にも投稿し、カクヨムWeb小説短編賞2021に応募するため応募要項に合わせ、なんとか1万字以内に収めました。

カクヨムの投稿は、全くPRしていないのでPV数はほとんどありません😅
ここ note は、お陰様で各話200PVほど頂き、今も増えています。

去年応募した日経主催の星新一賞も応募要項は1万字以内で、書きかけのスピンオフSFをとりあえず形にして投稿しましたが、1万字以内に収めるのが大変だったことを思い出しました。結果はかすりもせず😅

物語の中味を薄めずに文字数をコントロールするのは難しいな、と感じています。

三咲 薫さんが投稿中の「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。のシリーズは勉強になります。
紙の本も買ってみましたが、それを元にした三咲さんの解説の方が腑に落ちるところが多いように思います。


続編『(仮)叔父さんと彼女と僕の不思議な日常』は、なるべく固有名詞を使わず、余計な描写を避けながらお話を展開しようと考えていますが、物語が少し長くなり、名前を呼ばずに話を進めるのは難しく、渾名あだな程度にとどめて作成進行中です。
ちなみに、叔父さんは『叔父さん』のまま😅


MOH

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