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親バカになれるという幸運

もうひとり立ちできる年齢になった息子と知っていても あくびした顔を見ると赤ちゃんのころと同じだなぁと、いつも思わず笑顔になってしまう。

親って本当にバカだ。子育て真っ最中の頃はアレにもコレにも手一杯で「なんでもいいから寝かせてくれぇぇぇぇ」って半泣きだったのに、どうして忙しい時に限って粗相するの!?ってイライラすることばっかりだったのに、見事にその辺、抜け落ちている。
人間が身勝手だからだろうか、そういう体力的に辛かったとか怒ってばかりだったことってのは、覚えてるけどなんだか輪郭がぼんやりしてきている。なぜか可愛かったことくらいしか思い出さない。あ、特に息子のほうはよくワケもわからず大泣きしていのだが、あれも可愛かった。親である私たちも困って困って終いには笑ってしまった、思い出。

小学校から帰ってきたとき道端に咲いてた花を摘んで持ってきてくれたことがある。そんな話をきいたことはあったけれど、まさか自分の息子がそれをやってくれるなんて思わなかった。あのときの私のびっくりと、息子の嬉しそうで恥ずかしそうな顔もセットで忘れられない。


息子の誕生日だった。三千キロ離れた街にいる息子に電話をしようか、と言ったらオットに「電話のしすぎで嫌われるぞ〜」といわれる。それでも「誕生日おめでとう!」と電話をして、「じゃあね、それ言いたかっただけ」と言うと「あ、そう。ありがとう」といいながら笑われた。こんな親を笑って許してくれる良い息子に育ったなと・・・またも親バカでひとりでハッピーになる。


でも親バカになれている自分は嫌いではない。
子供を信じられないよりずっといい。
もともと、子供は苦手だと思っていた。自分が子供をかわいがれていないのではないかと不安だった頃もある。でもそんな私もしっかり親バカになれた。

平和な世の中が続きますように。
子供達にはこれからもっと、良い事も悪いことも悔しがったり落ち込んだりちょっと嬉しかったりすることも、まだまだ沢山経験してほしい。

世の親がみんなで、親バカのままでいられる世の中でありますように。


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