最近、日本のお城調査が趣味になった。城好きキャリアの長い先輩（だいたい会社の上司か元上司）に今までで1番行って良かったお城を聞くと「くやしいけど、姫路城」と言う。

国宝だし、名城なのは間違いない。しかし、全国のお城巡りを制覇したオタクの先輩が選ばずにはいられないというのは、一体どういうことなのか。

心強いことに、私には姫路市民の友達がいる。東京から2泊3日でゆっくり見に行ってみることにした。

週末の新幹線は、とても混んでいる。お昼前に東京を出るのぞみは、ほぼ満席だった。姫路城の解説をした本を読みながら向かう。

私は、子供の頃に一度、家族で姫路城に行ったことがある。たしかGWで、40年近く前だが、当時はまだ肌寒い季節だった。やたら歩くし、人が多くてとても疲れた。石垣の前で撮った写真があるが、私は不機嫌な顔をしていた。お城を見たいとか、面白いとは、まったく思ってないようだった。なぜこの年になって急に興味を持つようになったのか、自分でもよくわからない。

新幹線を降りると、姫路市民の友達が迎えてくれた。駅を出ると「もうお城が見えるよ」と教えてくれた。すごい！人口50万人の姫路という町は、姫路城を中心にできている！

いきなり見てしまったお城にテンションがあがるが、一度休憩してから見学に向かうことにして、地元で人気の喫茶店に連れて行ってもらった。

商店街の中にある、サイフォンで淹れた、とても美味しいコーヒーのお店だった。店内は結構広くてお客さんも多いから、店員さんは忙しそうに動いている。懐かしい。子供の頃、コーヒー好きだった母に連れて行ってもらったお店の雰囲気に似ている。近くで働く人たちが集まる、活気があるけど落ち着く、独特の喫茶店の空気。

お城は、歩いて15分くらいのとこにある。とても見たいけど、この喫茶店にもしばらく居たい。来たばかりだけど、姫路、いいところだ。